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キャリアインタビュー(AD)

エンジニアの学びを促進する「アクティブ・ラーニング」型の組織とは?――EdTechアプリ「ロイロノート」の開発現場

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 近年、急成長中のEdTechの分野で、楽しく学びながら思考力やプレゼン力を育むツールとして注目を集める「ロイロノート」。その開発会社である株式会社LoiLoもまた、社員一人ひとりが主体的に仕事をする「アクティブ・ラーニング型の企業」を目指しているという。ロイロノートの開発チームは14人と少人数ながら、採用する技術、使用するPCや椅子などの機材はエンジニアが自由に導入することができ、WWDCなどのカンファレンスも希望すれば参加することができる。必要があればリモートワークも可能だ。エンジニアが効率よく働け、「学びたい」気持ちを最大限重視した組織を実現している。そんなLoiLoの組織のあり方、働き方について、代表取締役CEOの杉山浩二氏、サーバサイドチームのリーダーを務める浦上悠斗氏にうかがった。

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子どもたちが自ら学び、プレゼンするツール「ロイロノート」を開発

――主力製品である「ロイロノート」は多くの学校で導入され、学習プラットフォームとして活用されています。そもそもどのような経緯で開発されたのですか。

杉山 もともとの発想は、私がゲームメーカーで働いていた時に、「CGの処理技術を映像にも応用すれば、誰でも簡単に映像を編集できるのでは」、と考えたことが起点です。「一億総放送局」というコンセプトで立ち上げたGPUを活用した動画編集ソフトが2007年にIPAの未踏ソフトウェア創造事業に採択され、それを機に兄とLoiLoを立ち上げました。その後、子どもでも簡単に動画編集できることから、2010年頃に教育ツールへと展開し、現場の先生たちとアイデアを交えながら現在の形へと進化させてきました。

 2013年にロイロノートの有償アプリ版を立ち上げたのですが、40人が一斉に作業できるようクラウド型に変え、2014年に「ロイロノート・スクール」をローンチしました。それが現在の主力製品です。現在は1000校以上で利用されていて、クラウド版のDAUは数万人になり、台湾を手始めとして海外にも広がりつつあります。

株式会社LoiLo 代表取締役 CEO 杉山浩二氏
株式会社LoiLo 代表取締役 CEO 杉山浩二氏

――「ロイロノート」はEdTechの世界でも特に注目されています。その理由をどのようにお考えですか。そして「ロイロノート」が実現しようとしている「学び」についてお聞かせください。

杉山 学校の授業といえば、「先生が黒板前に立ち、一斉に同じことをする」というものを想像されるのではないでしょうか。退屈で寝ていた人もいれば、学校で適当にやって塾で勉強という人もいたと思います。

 そうした一方的に先生の話を聞いて覚えるというスタイルだけじゃなく、自分で考えてそれを表現するというアクティブ・ラーニングの考え方が広がってきています。ロイロノートを使うと、アクティブ・ラーニングの活動を紙や模造紙などを使って表現するより、はるかに簡単で繰り返し行えるため、子どもの自由に考える力や表現する力などが育まれます。こうしたことから、ロイロノートが注目されているのだと思います。

 実際、子どもたちのロイロノートの使いっぷりはすばらしいです。自分たちでどんどん調べて、まとめて、発表までやりきる。子どもたちの「知りたい」「やってみたい」という学ぶ意欲が原動力になっているんです。以前、弊社で開催した子ども版TEDのような「子ども授業成果発表会」イベントでは、大人顔負けのプレゼンテーションを見せてくれました。

浦上 実は、私がLoiLoに入社したのも、面接のときに見せてもらったその動画に感動したことが1つのきっかけでもあるんです。

杉山 あの子どもたちの姿には、感動させられるとともに、ロイロノートという製品の可能性に魂が震えました。ロイロノートは、タブレットなどの画面上で、テキストやWebサイト、PDFや動画など、いろんなものをカードとして、感覚的につなげていくことで、学習内容や思考活動をまとめることができるようになっています。そのため、ポートフォリオとして振り返ったりプレゼンテーションとして他の人に思考の流れを伝えたりすることができます。

多様なチームの中にある「未来の学び」に惹かれ、大企業からの転職組も

――実際にLoiLoでは、どのような方々が開発に携わっているのでしょうか。

杉山 プロフィールはさまざまですね。もとは兄と私で立ち上げた会社で、兄は映像系のクリエイター、自分はゲームプログラマーでしたし、最初から教育に興味があったわけではありません。現在は元教員というメンバーも多いですが、技術的な興味関心があった人、近所だったからという人などさまざまです。ロイロノートが注目されるようになって、自分の子どもを含め、次の世代にどんな教育ができるのか、興味を持ってくれた人も増えました。浦上さんもその1人ですよね。

浦上 そうですね。私は2016年の9月に入社したのですが、その前年に子どもが生まれて、改めて自分の人生やキャリアを考えた時、「この子の未来に多少でも影響を残せるものに関わりたい」と強く思うようになりました。子どもの教育に関わり、前職のプログラマーとしての経験も活かせるものとなれば「EdTech分野」だろうと。そう考え、教育に関わるサービスを開発している会社に絞って探していたところLoiLoを見つけました。

 学校に直接関わっていること、ソフトウェアの中身などから、自分の希望にあっているのではないかと直感的に感じて面接にうかがいました。

――前職ではどのようなことをされていましたか。

浦上 大手電機メーカーで、カーナビのソフトウェア開発部門に配属されて、CやC++、アセンブリ言語をメインに使っていました。組み込み系ですから技術的には枯れたものを駆使する開発でした。自動運転の実現が近いと言われ、カーナビ自体も既にコモディティ化している中で、将来の可能性が見いだせなくなり、徐々に不安も感じるようになりました。そこに子どもが生まれて、自分を見つめ直すことになりました。

株式会社LoiLo プログラマー 浦上悠斗氏
株式会社LoiLo プログラマー 浦上悠斗氏

――入社されてどのようなお仕事をなさったのですか。

浦上 入社してすぐはAndroid版のアプリの開発を担当しており、2017年3月より、サーバサイドを触りながらiOS版を開発するようになりました。そしてiOSのリファクタリングが一区切りしたタイミングで、サーバサイドに専属で取り組むことになり、現在に至ります。

――経験のないところからモバイルやサーバサイドの開発を担当されて、キャッチアップが大変だったのではないでしょうか。

浦上 言語が違っても設計の勘所は大きく違うものではないので大丈夫でした。LoiLoは、新しい技術はどんどん検証して使っていこうというスタンスなので、新しい技術を学ぶことは、仕事をする上での大きなモチベーションでもあり、楽しみにもなっています。

 前職では、日本の大手企業によくあるように残業が普通で、休日を使って新しいことを勉強しようという気力も体力も残っていなかったのです。

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この記事の著者

伊藤 真美(イトウ マミ)

エディター&ライター。児童書、雑誌や書籍、企業出版物、PRやプロモーションツールの制作などを経て独立。ライティング、コンテンツディレクションの他、広報PR・マーケティングのプランニングも行なう。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

OGURA(オグラ)

 フリーランスフォトグラファー

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【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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