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自分の可能性を広げよう!U30デベロッパーのための「キャリアのすゝめ」

IssueHuntが目指す、OSSが正当に評価される世界とは――BoostIO横溝一将さん×DMM松本勇気さん


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 GitHubのIssueに対し、誰でも好きな額を投げ銭できる報賞金サービス「IssueHunt」を運営するBoostIO代表取締役CEOの横溝一将氏。そしてBoostIOにエンジェル投資家としてさまざまな面から支援しているDMM.com CTO 松本勇気氏。両者にOSSへの貢献が正当に評価される世界観と、日本の企業でもOSS文化を根付かせ、日本のOSSコミュニティを盛り上げる方法について語っていただいた。

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COMPが繋いだ二人の出会い

──お二人が知り合ったきっかけは何ですか?

横溝 もともとは松本さんが今年の5月に、TwitterでスタートアップにCOMPを配るという告知をしていたんです。それで「COMPください」ってメッセージをしたのがきっかけですね。

松本 ゴールデンウィークに書き上げた本の売上で買ったCOMPを、小規模なスタートアップに届けつつ、技術や経営相談に乗ろうとしていたときに連絡をいただいたんです。

BoostIO株式会社 代表取締役CEO 横溝 一将さん

 福岡の大学在学中に起業し、その後上京。世界中のオープンソース開発者の貢献を得ながら、GitHubスター約10,000のBoostnoteを運営。彼・彼女らに何か恩返しがしたい思い、OSS運営から得た学び、そしてオープンソースが抱える課題をIssueHuntというサービスに落とし込み、グローバルなメンバー達とともに世界へ挑戦している。

松本 きっかけはそのCOMPを配ったところからなんですが、ちょうどエンジェル投資を始めようとしていたタイミングだったんですよね。OSSは僕の仕事を支えている重要な概念でもあるし、「IssueHunt」はそれを支援するサービス。これからユーザーにとってもますます重要になっていくだろうと思っていたので、彼らが目指しているところに共感して支援を決めました。

 僕は技術顧問という仕事はあまりしないようにしているんですけど、いろんな会社の相談には無料で乗っているんですね。その中で一番面白かったのが、BoostIOだったんです。

DMM.com CTO 松本勇気さん

 DMMをテックカンパニー化するミッションのもと組織や技術全体の改善を推進。これまでは学生時代より複数社の立ち上げ後、Gunosyの創業直後に参画。CTO兼新規事業開発室担当としてグノシーやニュースパスといったプロダクトの立ち上げから拡大、組織改善、またVR/ARなどの新技術系のR&Dを担当していた。直近はBlockchain事業子会社であるLayerXの立ち上げも担当。

「Boostnote」の公開をきっかけにOSSに触れ始める

──横溝さんはどういった経緯でBoostIOを起業するに至ったのでしょうか?

横溝 福岡の大学在学中に起業しました。最初は受託でシステム開発を行っていたんですが、2016年4月に東京に出てきたタイミングくらいで「Boostnote」を公開しました。OSS化するにあたって、僕ら自身も初めてOSSに触れた最初のきっかけとなりました。

──BoostIOはどんなことを目指している会社ですか?

横溝 僕たちは「Meritocracyを社会実装する」ことを会社のミッションコーポレートとして掲げています。実力で評価される世界、能力を持っているクリエイターたちが正当に評価をされる社会をつくっていきたいと考えています。僕自身はそのためにプロダクトの開発やビジネスの成長のために、今はできることは何でもやっています。

 「Boostnote」はMarkdownで書ける開発者向けのデスクトップ向けノートアプリです。GitHubスターが約11000あり、完全にコミュニティベースで開発が成り立っています。現在は貢献してくれるユーザーを僕らのコアチームに迎え、彼に主にBoostnoteをメンテナンスしてもらっています。

 「IssueHunt」はOSS向けのBounty(報奨金)サービスとして提供しています。GitHubのIssueに誰でもいくらでも報奨金を賭けることができて、そこの報奨金が貢献者とそのプロジェクトオーナーに分配されるというサービスです。

 現在数百のプロジェクトが参加してくれており、その中にはMaterial-UIや、Ant Financialの有志が作っているAnt Design、node-webkitとして有名だったNW.jsを筆頭に、たくさんのオープンソースプロジェクトが参加してくれているのですが、まだまだ壁が多いので、松本さんにも相談しながら進めているところです。

──「壁」とは具体的に何でしょうか?

 特に日本ではOSSに対してスポンサーする文化がまだまだないという点です。使うだけじゃなくて、支えていくという面でもしっかり啓蒙していき、その文化作りにフォーカスしていかなくてはと感じています。

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この記事の著者

近藤 佑子(編集部)(コンドウ ユウコ)

株式会社翔泳社 CodeZine編集部 編集長、Developers Summit オーガナイザー。1986年岡山県生まれ。京都大学工学部建築学科、東京大学工学系研究科建築学専攻修士課程修了。フリーランスを経て2014年株式会社翔泳社に入社。ソフトウェア開発者向けWebメディア「CodeZine」の編集・企画・運営に携わる。2018年、副編集長に就任。2017年より、ソフトウェア開発者向けカンファレンス「Developers...

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馬場 美由紀(ババ ミユキ)

 エンジニアとテクノロジーが好きな編集・ライター。エンジニア向けキャリアサイト「Tech総研」「CodeIQ MAGAZINE」、Web技術者向けの情報メディア「HTML5 Experts.jp」などでライティング、コンテンツディレクション、イベント企画などを行う。HTML5 開発者コミュニティ「h...

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