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基礎からはじめるReact Native入門

React Nativeでアプリの見た目を整えよう~スタイルでコンポーネントをレイアウトする

基礎からはじめるReact Native入門 第7回

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 前回に続いて、React Nativeにおけるスタイルの使い方として、コンポーネントをレイアウト(配置)する方法を解説します。装飾と同じく、レイアウトについてもCSSの機能を踏襲しており、ブラウザの世界でたたき上げられてきた方法で柔軟にレイアウトを組めます。

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対象読者

  • JavaScriptとWeb開発の基礎に理解がある方
  • Reactを用いたJavaScriptアプリケーション開発の未経験者

前提環境

 筆者の検証環境は以下の通りです。

  • macOS Catalina 10.15
  • Node.js 12.4.0/npm 6.9.0
  • expo-cli 3.11.1
  • expo 36.0.0(React Native 0.61)
  • React 16.9.0

レイアウトのためのスタイル

 第6回で解説したとおり、React Nativeのスタイルは、大別すると装飾レイアウトの2つに分類できます。装飾は、コンポーネント自身の見た目を変えるためのスタイルでした。今回解説するレイアウトは、コンポーネントを画面上に配置するためのスタイルです。

 レイアウトが得意な分野について、少し触れておきましょう。図1のデザイン資料では、あえて装飾を最低限にして、レイアウトを表現することに注力しました。

図1:レイアウトの例
図1:レイアウトの例

 過度な装飾をしなくても、アプリのような見た目になります。レイアウトを駆使することで、コンポーネントを自由に並べられるようになり、こういったアプリの画面を組み立てられるようになります。

レイアウト機能の役割

 個別のスタイルについて解説する前に、レイアウトという機能の目的についてお話しましょう。React Nativeのレイアウト機能は、Facebook製のレイアウトエンジン「Yoga」によって実現されています。Yogaは、Flexbox(CSS3 Webレイアウトモデル)を中心とした多くのCSSプロパティをサポートしていますが、その目的を突き詰めると、主に次の2つの事項を決定することを目指しています。

  • あるコンポーネントの左上を、画面内のXY座標におけるどこにするのか
  • あるコンポーネントの大きさ(幅と高さ)をどの値にするのか

 簡単な例を示してみましょう。図2の灰色の線で囲まれた部分が1つのコンポーネントです。

図2:レイアウトは左上の座標(ピンク)と幅・高さ(青)を決定する
図2:レイアウトは左上の座標(ピンク)と幅・高さ(青)を決定する

 起点となる左上座標と幅、高さ、この3つの値がそろえばコンポーネントを描画できます。座標が左上なのは、AndroidとiOSがサポートするXY座標系が、左上を(x=0,y=0)としているためです。

 さて、1つのコンポーネントだけに着目した場合は簡単な話ですが、実際の画面には多数のコンポーネントが存在しています。多数のコンポーネントがひしめきあう画面内には、これもまた大量に指定されたスタイルが存在しています。

 これらを考慮しながら、画面内にコンポーネントをちょうどよく収めて並べるために、すべてのコンポーネントに座標と幅、高さを与えるのが、レイアウトエンジンであるYogaの役割です。「これは縮めてもよい」「これはここまでしか広げてはいけない」「これとこれは隙間を空けないといけないので、こちらの座標をずらそう」といった複雑な調整を繰り返していることになります。

 こういった事情を意識して実装する機会は少ないかもしれませんが、レイアウトが思いどおりにいかない場合は、レイアウトエンジンが座標と幅、高さを決定するための情報を、スタイルに記述し忘れていないかを考えてみましょう。

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この記事の著者

WINGSプロジェクト 中川幸哉(ナカガワユキヤ)

WINGSプロジェクトについて> 有限会社 WINGSプロジェクトが運営する、テクニカル執筆コミュニティ(代表 山田祥寛)。主にWeb開発分野の書籍/記事執筆、翻訳、講演等を幅広く手がける。2018年11月時点での登録メンバは55名で、現在も執筆メンバを募集中。興味のある方は、どしどし応募頂きたい。著書記事多数。 RSS Twitter: @yyamada(公式)、@yyamada/wings(メンバーリスト) Facebook

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

山田 祥寛(ヤマダ ヨシヒロ)

静岡県榛原町生まれ。一橋大学経済学部卒業後、NECにてシステム企画業務に携わるが、2003年4月に念願かなってフリーライターに転身。Microsoft MVP for Visual Studio and Development Technologies。執筆コミュニティ「WINGSプロジェクト」代表。主な著書に「独習シリーズ(Java・C#・Python・PHP・Ruby・JSP&サーブレットなど)」「速習シリーズ(ASP.NET Core・Vue.js・React・TypeScript・ECMAScript、Laravelなど)」「改訂3版JavaScript本格入門」「これからはじめるReact実践入門」「はじめてのAndroidアプリ開発 Kotlin編 」他、著書多数

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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https://codezine.jp/article/detail/11957 2020/02/17 11:00

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