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AWSとAzureのマネージドサービスで実践カオスエンジニアリング

【Azureのコンテナでカオスエンジニアリング】Azure Chaos StudioでAKS にカオスを挿入する

AWSとAzureのマネージドサービスで実践カオスエンジニアリング 第5回

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 本連載では、AWSやMicrosoft Azureが提供するカオスエンジニアリングのマネージドサービスの特徴と実際のカオスエンジニアリングの実践方法を紹介します。今回は、Azure Chaos Studioを活用し、Azure Kubernetes Service(AKS)にカオスを挿入する方法について紹介します。

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はじめに

 前回の記事では、AWS Fault Injection Simulator(FIS)を利用してAmazon Elastic Container Service(Amazon ECS)にカオスを挿入する方法を紹介しながら、FISがどのように「システムに対して安全にカオスの挿入を行う上で考慮すべき観点」に対応しているかを説明しました。

 本記事では、Azure Chaos Studioを利用してAzure Kubernetes Service(AKS)にカオスを挿入する方法を紹介します。

前提条件

実験対象システム

 実験対象システムはMicrosoft公式ドキュメントのチュートリアルで紹介されているサンプルソリューションを利用します。

 AKSの作成からサンプルアプリケーションのデプロイまでAzure PortalのGUI操作でサンプルソリューションの展開が可能です。

 注意点としてはMicrosoft公式ドキュメントのオプション選択箇所の情報が古いため、記載されているオプション以外の選択肢はデフォルトの設定で進める必要があります。

実験対象システム
実験対象システム

 サンプルソリューションにはインターネット公開される以下のフロントエンドが含まれており、後述の正常性判断ではこのフロントエンドに対してHTTPリクエストを発行します。

今回の実験対象となるフロントエンド
今回の実験対象となるフロントエンド

正常性判断の定義

 今回の実験対象システムでは以下の条件を満たすことでシステムが正常であると判断します。

  • 5分間のリクエスト総数の90%以上がHTTPステータス200であること
  • 5分間のレスポンスタイムの90パーセンタイル値が3秒以下であること

 実験対象システムの監視方法は第3回の記事と同様に、Azure Application Insightsによる可用性テストを使用します。

 可用性テストは公式ドキュメントを参考にAzure Functionsのタイマートリガーを使用して、10秒間隔で実験対象システムのフロントエンドにHTTPリクエストする方式とします。

 監視結果はAzure Application Insightsの可用性タブにて、各リクエストの成功・失敗の結果やレスポンスタイムを確認できます。

Application Insightsの可用性テスト
Application Insightsの可用性テスト

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この記事の著者

石崎 奏(株式会社NTTデータ)(イシザキ ソウ)

 入社以来、NTTデータグループにおけるWindows/Linuxシステムの技術問合せ、トラブルシュート支援、アーキテクチャレビューに従事。現在は、Azureを中心としたクラウド技術者の能力開発や、グループ全体へのAzure活用支援にも携わる。Microsoft MVP for Azure (2022-) Twitter LinkedIn

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

伊藤 歩(株式会社NTTデータ)(イトウ アユム)

 入社以来、公共系システムの基盤開発に従事。昨今はパブリッククラウド ( AWS, Azure, GCP ) を中心にシステム開発を行う。現場でのシステム開発の他に NTT データグループの技術者育成施策を通じて Azure の技術検証を行い、Azureを強みとしている。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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https://codezine.jp/article/detail/17233 2023/01/27 11:00

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