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イベントレポート

「膨大なデータを分析して見えてくること」ニコニコ動画データ分析研究発表会


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アイドルマスターデータマスターSP

 ニコニコ動画で御三家と呼ばれるコミュニティの1つに「アイドルマスター」がある。アイドルマスターはXbox360で発売されているゲームだが、てってってー氏の発表は、その規模の大きさをデータ面から読み解くものだ。

 現在、アイドルマスターに関すると思われる動画は全部で58000本、ニコニコ動画全体の3%近くに及ぶ。てってってー氏によれば、1日に平均100本、月に3000本が投稿されている状態で、毎月月末火曜日に行われる追加素材ダウンロード販売時には、投稿数が倍以上になるなど、ゲームのイベントと連動した動きを見せているという。

 投稿者の人数について「タグなどから推定した値だが、3000人ぐらい。うち800人ぐらいがアクティブに活動しているのではないか」と述べた。一方で視聴しているユーザーの人数については、総再生数を1人あたりの平均視聴数で割って算出し、62500~85000人程度という数字をあげている。「ただし、利用したデータが古いので、現在では10万人ほどいると考えられる」(てってってー氏)

トップコミュニティともなると、1日の関連動画再生数は75万回にもなる
1日の関連動画再生数は75万にもなる

動画投稿数からみるコミュニティのライフサイクル

 ksasao氏は、動画の「投稿日」「タグ」「再生数」に注目、コミュニティがどういった盛り上がりを示し、その後どう変化していくかについてまとめた。

 ksasao氏によれば、コミュニティには2つのパターンがあるという。1つは「ゆっくり増えていくパターン」。「歌ってみた」「アイドルマスター」「東方」などがこれに該当する。

タグ「歌ってみた」の動画数推移。水色の棒グラフが動画投稿数、赤と緑の線は移動平均線。横軸は時間軸で実際の月を表す。
タグ「歌ってみた」の動画数推移。水色の棒グラフが動画投稿数、赤と緑の線は移動平均線。横軸は時間軸で実際の月を表す。

 このパターンは1年ほどかけてじわじわと盛り上がり、その後は若干右肩下がりな横ばいが続く。パターンの特徴として「タグが表す範囲が広い」「さまざまな応用が可能」といった点があげられる。

タグ「アイドルマスター」の動画数推移。盛り上がった後、横ばいが続く。
タグ「アイドルマスター」の動画数推移。盛り上がった後、横ばいが続く。

 もう1つは「突然はじまるパターン」。「ウッーウッーウマウマ(゜∀゜)」「鏡音リン」「チーターマン」などが該当する。

タグ「ウッーウッーウマウマ(゜∀゜)」の動画数推移
タグ「ウッーウッーウマウマ(゜∀゜)」の動画数推移

 このパターンはランキング上位に来たものや、期待の新製品に関するものなどについて現れやすい。はじめの1ヶ月だけ盛り上がり、その後急速に落ち込むという特徴があるが、投稿数が0になることもなく、今のところ終焉をむかえたコミュニティはないという。

 ksasao氏は「いずれの場合も盛り上がりの後に定常状態が続く。ニコニコ動画のコミュニティは『熱しやすく冷めにくい』のではないか」と述べた。データを取り始めて1年ほどということもあり、まだ現れていない「コミュニティの終焉」という事象が今後現れるか注目しているという。

「おっさんほいほい」タグは、どのコミュニティで使われやすい?

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χ2乗値を関連度としたニコニコ動画タグ関連ネットワークの解析

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飯岡 幹雄(編集部)(イイオカ ミキオ)

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CodeZine(コードジン)
https://codezine.jp/article/detail/3516 2009/01/27 10:21

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