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【デブサミ2012】セッションレポート

【デブサミ2012】16-C-1 レポート
アプリ基盤としての「HTML5」が持つ可能性~あらゆる業界のコアビジネスへ


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 本稿では、「Developers Summit 2012」(デブサミ2012)において、2月16日に行われた有限会社futomi代表取締役 羽田野太巳氏によるセッション「HTML5の今と未来~HTML5との正しい付き合い方~」の内容を紹介する。

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有限会社futomi代表取締役 羽田野太巳氏
有限会社futomi代表取締役 羽田野太巳氏

10年ぶりのWeb標準刷新となったHTML5

 羽田野氏は、言わずと知れたHTML5のエキスパート。HTML5の詳細な解説本も執筆しており、日本におけるHTML5の第一人者として広く知られている。本セッションではそんな同氏から、HTML5の現状や今後の見通し、そしてWeb技術者にとってのHTML5の存在意義などについて解説が行われた。

 「HTML5とは何か。一言で言えば、マークアップ言語にAPIの機能が加わったものだ。むしろ、マークアップ言語よりAPIの仕様の方が大きくて、『HTML5はほとんどAPIの塊』と言ってもいいほどだ」

 セッションの冒頭で、羽田野氏はこう述べる。では、Webテクノロジーの面から見て、膨大なAPIをWeb標準として定義したHTML5の登場にはどのような意義があるのか。同氏によれば、そもそもWeb標準の世界は「この10年の間、まったく進化してこなかった」という。

 振り返ってみれば、HTML4.01の勧告が出たのは1999年、XHTML1.0が出たのは2000年のことだ。それ以降の約10年間、Webの進化を担ってきたのはこうした標準技術ではなく、JavaScriptやFlash、Silverlightといったベンダー提供のプラグインの技術だった。これらプラグインが実現してきた、Webにおけるリッチなユーザー体験をWeb標準だけで実現しようと定められたのが、10年ぶりのWeb標準技術の刷新となるHTML5というわけだ。

 また、アップル社がiPhone/iPad上でブラウザのプラグインをサポートしなかったこと、あるいは次期Windows OSでもプラグインがサポートされないと噂されることなどを見ても、プラットフォームベンダー側の方針も「脱プラグイン」「親HTML5」へと舵が切られつつあることが分かる。

 「こうした動きは、『今後はプラグインによるWebの革新は起こらない』ということを意味している。そのため、モバイル端末向けの開発を中心に、Web制作の現場では早くもHTML5に取り組まざるを得なくなっているというのが実情だ」(羽田野氏)

  
10年間のウェブ標準の進化

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この記事の著者

吉村 哲樹(ヨシムラ テツキ)

早稲田大学政治経済学部卒業後、メーカー系システムインテグレーターにてソフトウェア開発に従事。その後、外資系ソフトウェアベンダーでコンサルタント、IT系Webメディアで編集者を務めた後、現在はフリーライターとして活動中。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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https://codezine.jp/article/detail/6435 2012/02/28 16:23

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