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Scott Guthrie氏 Blog翻訳

Windows Azure:新しい開発・テスト環境の提供、BizTalk Services、WebサイトでのSSLサポート、ADの改良、1分単位での請求

連載:ScottGu's Blog翻訳

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 本稿は、Scott Guthrie氏のブログを、氏の許可を得て、翻訳、転載したものです。米Microsoft社の副社長で、ASP.NETやSilverlightの開発チームを統率する氏のブログでは、次期製品を含む最新の技術をいち早く紹介しています。

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 原典:Windows Azure: Announcing New Dev/Test Offering, BizTalk Services, SSL Support with Web Sites, AD Improvements, Per Minute Billing

Windows Azure:新しい開発・テスト環境の提供、BizTalk Services、WebサイトでのSSLサポート、ADの改良、1分単位での請求

 Windows Azureにいくつか素晴らしい機能強化をリリースしました。

  • クラウドの開発・テスト環境:MSDNの使用権、MSDNのどこにも負けない割引率、MSDN Monetary Credit
  • BizTalk Services:クラウドでEDIとEAIの統合が可能なWindows Azureの素晴らしい新サービス
  • 1分単位の請求と停止VMの無償化:使用時間は1分単位で請求され、停止状態のVMには請求がかかりません
  • WebサイトのSSLサポート:独自のWebサイトドメインでIPアドレスとSNIベースのSSLバインディングをサポート
  • Active Directory:ディレクトリ同期のユーティリティの更新、Windows Azure管理ポータルからOffice 365ディレクトリテナントの管理機能
  • 無償トライアル:より柔軟性のある無償トライアルの提供

 非常に多くの機能強化が行われており、すべてをカバーするには、いくつものブログ投稿が必要な程です。以下は、今回の更新のかんたんなまとめになります。

クラウドの開発・テスト環境

 Windows Azureは素晴らしい開発・テスト環境を提供します。これは、クラウドで開発・テストしてから、同じクラウドで本番アプリを実行する場合でも、クラウドで開発・テストし、既存のオンプレミスのサーバ環境を使用して本番アプリを実行する場合でも同様です。

 Windows Azureの新しいIaaS仮想ネットワーク機能により、エンタープライズ開発チームはこれをクラウドで使用するのが非常に簡単になりました。

 クラウドを開発・テストで使用できると、ITチームからのリソース待ちになることなく開発チームは柔軟でアジャイルな方法で開発を進めることができるようになります。開発チームは、数分でリソースをスピンアップ・スピンダウンするセルフサービスの方法でWindows Azureを使用できます。

 アプリが展開できるようになった時、クラウドもしくは既存のオンプレミスサーバのどちらを使用するか選択できます。

 この後のオプションにより、本番環境に使用する確証がなくても、クラウド使用の最適化を非常に簡単に開始できます。

 今回、Windows Azureが開発・テストを行うのに優れた環境となるような機能を数多くお伝えします。

  • 停止VMの無償化
  • 1分単位の請求
  • Windows AzureでMSDN使用権をサポート
  • MSDN開発・テストの大幅な割引率
  • MSDN Monetary Credit
  • MSDN Monetary Credit使用追跡の改善にポータルサポート

 この組み合わせにより、優れた開発・テストのクラウドソリューションと、MSDNユーザへのどこにも負けない特別奉仕の提供が可能になります。詳細については、新しい開発・テスト環境の提供についての詳細ブログ投稿を読んでください

BizTalk Services

 Windows Azure BizTalk Servicesという、新しいWindows Azureサービスのプレビューが提供できるようになったことをお知らせさせていただきます。

 Windows Azure BizTalk Servicesは、クラウドおよびハイブリッドの統合ソリューションに対するBusiness-to-Business(B2B)とEnterprise Application Integration(EAI)の機能を提供します。これには、パートナー間のEDI関係、またオンプレミスのSAP、SQL Server、Oracle、Siebelと統合するビルトインサポートを含むオンプレミス資産のEAIブリッジを管理するためのビルトインサポートが含まれています。またオンプレミスBizTalk ServerとWindows Azure BizTalk Servicesをオプションで統合することもでき、これにより、強力なハイブリッドのエンタープライズソリューションを可能になります。

 BizTalk Servicesは、数分程度でオンデマンドで準備ができるセキュアでテナントごとの環境を実行できます。事前のライセンスは不要で、1分単位に支払が発生するモデルをサポートしています。

 ここをクリックして、セットアップ方法などの詳細を確認し、Windows Azure BizTalk Servicesのプレビューをすぐに使用開始してください。

1分単位の請求と停止VMの無償化

 以前は、Windows AzureでVMを停止すると、クラスターの内部でそのデプロイメントスポットを保存していたので、そのデプロイメントを明示的に削除しない限りはそのVMに対する請求は継続されていました。

 今回の更新でVMを停止すると、停止している間は請求は発生せず、そのデプロイメントの状態と設定はそのまま保存されます。

 これにより、あまり使用しないVMは請求が発生しないように停止し、必要に応じて再スタートさせることが非常に簡単になります。

 以前は、Windows Azureでのリソースに対する請求モデルは、1時間単位でした。つまり、VMを6分間使用してオフにしても、1時間分の請求が行われていました。今回の更新で、1分単位の請求になりました。VM(または、クラウドサービス、Webサイト、Mobile Service)を1時間中6分しか実行していない場合は、使用時間の実際の6分間だけが請求対象になります(設定が1時間単位なので、請求金額は、使用時間(分)×(1時間レート)÷60)。

 これら2つの変更は、様々なシナリオで優れています。特に、非常にサイクルのアップダウンが激しいようなシナリオ(例えば、開発・テストや変動のあるその他のワークロードなど)には便利です。そのような場合に実行すると、お金の節約になります。

WebサイトでのSSLサポート

 今回の更新で、Windows Azure Webサイトは、独自ドメインに対してSecure Sockets Layer(SSL)をサポートするようになりました。

 SSL暗号化はインターネットで安全にデータ送信する非常によく使用されるメソッドです。Windows Azure Webサイトを通じてホストされる独自のドメインで使用可能なSSL証明書をアップロードできるようになりました。

 今回のリリースで、SSLバインディングベースのIPアドレスおよびSSLバインディングベースのSNIのどちらも設定できるようになりました。

Active Directory:ディレクトリ同期ツール、既存ディレクトリの管理

 今回の更新により、Windows Azure Active Directoryに数多くの機能強化が行われました。

 今回の重要な更新の1つが、無償でダウンロードできる新しいディレクトリ同期ユーティリティです。

 これにより、Windows Azure Active Directoryと既存のオンプレミスActive Directoryのデプロイメントの動きが非常に簡単になります。ディレクトリ同期ツールは、Windows Server 2003以上で使用でき、ADFSの設定をせずにディレクトリの同期が安全に行えます。これにより、クラウドでディレクトリを有効にするステップが大幅に簡略化できます。

 今回の更新では、Windows Azureアカウントで、既存のWindows Azure Active Directory(既にOffice 365を使用しているような企業など)の管理も可能になります。このサポートの一部として含まれたものは、(Active Directoryテナントの管理者でもあると仮定し)Microsoft IDアカウントを使用してセットアップされたWindows Azureアカウントで、既存のActive Directoryを管理する機能になります。これにより、Windows AzureとOffice 365リソースの統合がより簡単になります。

無償トライアル

 今回の更新で、Windows Azure無償トライアルもより簡易的で柔軟性のあるものに更新しました。

 以前の無償トライアルでは、ここのリソースの数量が決められていました(例えば750使用時間など)。トライアルユーザーから以下のようなフィードバックを受けました。

  • トライアルユーザはそれぞれのリソースの使用を記録しておかなければならなかった。
  • 1つでもリソースが割り当てを超えると、サブスクリプションが無効になった。
  • 割り当てを超えそうになった時に不適当な通知が来た。

 今回のリリースで、Windows Azure無償トライアルに大幅な変更を行いました。

 無償トライアルで、月200ドルのWindows Azureクレジットを受け取れるようになりました。このクレジットは、選択したどのサービスにも適用できます。

 これにより、選択したサービスを非常に簡単に試用できるようになりました。つまり、それぞれのリソースへの割り当てが無くなり、やりたいと思うものに200ドルを使用できるようになりました。

 Windows Azure管理ポータルおよびアカウントセンターは、ビルトインのUIを提供し、Windows Azureクレジットの残高無償クレジットの使用可能期間の残りの日数の現在のステータスをお知らせします。

 これにより、現在の消費分と残り使用可能分を非常に簡単に確認できます。

まとめ

 今回のリリースは、誰もが活用できる非常に素晴らしい新機能が数多くあり、とても興奮しています。

 もしまだWindows Azureアカウントをお持ちでなければ、無償トライアルにサインアップして、上記機能をすぐにお試し頂けます。アプリの構築方法などの詳細は、Windows Azure Developer Centerで確認してください。

 Hope this helps,

 Scott

 P.S.ブログに加え、現在Twitterを使って簡単な更新やリンク共有を行っています。twitter.com/scottguで、私をフォローしてください。

 

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この記事の著者

山田 祥寛(ヤマダ ヨシヒロ)

静岡県榛原町生まれ。一橋大学経済学部卒業後、NECにてシステム企画業務に携わるが、2003年4月に念願かなってフリーライターに転身。Microsoft MVP for Visual Studio and Development Technologies。執筆コミュニティ「WINGSプロジェクト」代表。主な著書に「独習シリーズ(Java・C#・Python・PHP・Ruby・JSP&サーブレットなど)」「速習シリーズ(ASP.NET Core・Vue.js・React・TypeScript・ECMAScript、Laravelなど)」「改訂3版JavaScript本格入門」「これからはじめるReact実践入門」「はじめてのAndroidアプリ開発 Kotlin編 」他、著書多数

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

Scott Guthrie(Scott Guthrie)

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https://codezine.jp/article/detail/7199 2013/06/11 11:00

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