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災害によるITインフラへの影響と情報発信の在り方

災害コミュニケーション ITだからできるコト(6)

災害によるITインフラへの影響と情報発信の在り方(6)


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 本連載では災害によるITインフラへの影響と情報発信の在り方について、さくらインターネット研究所が独自に調査研究を行った成果を元に、今後期待される災害コミュニケーションの在り方についてご紹介します。

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 IT機器が高度にネットワーク接続された我々の社会では、日常的に情報が発信・消費されています。情報社会ではネットワークは不可欠であり、災害時には情報収集と発信が行える心強いツールです。ここでは災害時にITだからできるコトについて学んでいきます。

ITを活用した水害地域からの移動支援

 2013年8月23日、中国地方では豪雨の影響が出ていました。今回は、その地域から友人に適切なルートで移動してもらうために行った、支援の情報共有です。

 支援にあたり一番気を使った点は、豪雨が現在進行形で変遷している中で、いかに安全なルートで主要幹線道路へ誘導できるかでした。支援を開始した時点でも累積降雨量が多く、すでにいくつかの主要道路で通行止めとなっていたのです(図1)。また後から分かったことですが、移動ルートとして使おうとしていたルートは、道路規制基準雨量に近づきつつありました。

図1. 豪雨による通行規制が開始されている様子
図1. 豪雨による通行規制が開始されている様子

 友人は島根県石見空港付近に、私は東京都内にいる状況でした。まず情報収集で着手したのが「通行実績のあるルートを調べること」でした。東日本大震災を契機として「通行実績のある道」の情報は、定常的にスマートフォンのアプリケーションとして提供されつつあり、たまたま私も存在を知っていたので、TOYOTA MEDIA SERVICE CORPORATION提供のsmart G-BOOKを活用しました(図2)。

図2. Smart G-BOOKによる通行実績のあるルート推定
図2. Smart G-BOOKによる通行実績のあるルート推定

 また現在進行形で変化する降雨量については、国土交通省が試験運用中の局地的な大雨(ゲリラ豪雨)の被害軽減に向けて高分解能に強化した、Xband MP Radarを活用しました(図3)。

図3. 高分解能に強化したXバンドMPレーダーの利用例
図3. 高分解能に強化したXバンドMPレーダーの利用例

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この記事の著者

松本 直人(マツモト ナオト)

1996年より特別第二種通信事業者のエンジニアとしてインターネット網整備に従事。その後システム・コンサルタント,ビジネス・コンサルタントを経て2010年より,さくらインターネット株式会社 / さくらインターネット 研究所 上級研究員。(2016年より一時退任)研究テーマはネットワーク仮想化など。3~5年先に必要とされる技術研究に取り組み、世の中に情報共有することを活動基本としている。著書: 『モノのインターネットのコトハジメ』,『角川インターネット講座 ~ビッグデータを開拓せよ~』など多数。情報処理学会 インターネットと運用技術研究会 幹事

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https://codezine.jp/article/detail/7507 2014/01/30 11:55

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