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災害によるITインフラへの影響と情報発信の在り方

災害コミュニケーション ITだからできるコト(10)

災害によるITインフラへの影響と情報発信の在り方(10)

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 本連載では災害によるITインフラへの影響と情報発信の在り方について、さくらインターネット研究所が独自に調査研究を行った成果を元に、今後期待される災害コミュニケーションの在り方についてご紹介します。

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手軽にできる全天球撮影(Photosynth)

 さくらインターネット研究所では次世代空間情報として、さまざまな表現方法について調査研究を行っています。前回の『災害コミュニケーション ITだからできるコト(9)』に引き続き、今回も全天周・全天球撮影アプリケーションについて見ていきましょう。

 Microsoft Photosynthは、Microsoft Windows PhoneとApple iOS上で動作する全天球撮影カメラのアプリケーションです。前回ご紹介したOccipital 360 Panoramaと同じく、AR技術を使い複数枚の写真を貼り合わせることで全天球写真を合成しています。iPhoneやiPod/iPadのAppStoreからPhotosynthを検索し、インストールを行ってお使いください。

 それでは具体的な使い方について見ていきましょう(図1)。まずはPhotosynthを起動して撮影モードに入ります。「tap to start」ボタンを押して、上下左右どちらかへ少しずつ動かしていきます。すると、自動的にシャッターが切られ撮影された写真が繋がっていきます。

図1.Microsoft Photosynthの撮影モード画面
図1.Microsoft Photosynthの撮影モード画面

 これを全天球すべてで繰り返し、良いと思ったところで「finish」ボタンを押します。これで撮影は完了です。

 撮影が終わると、つぎに全天球写真の合成補正モードに入ります(図2)。「stiching panorama」と表示され終了すると合成および補正が完了します。つづけて、「Share」ボタンを押すとWebサービスや電子メール、カメラロールを使った共有方法が選択できます。今回も「camera roll」を選び「save」を押して全天球写真をカメラロールへ保存しましょう。

図2.全天球写真の共有方法
図2.全天球写真の共有方法

 前回同様に図3は全天球撮影をイメージしやすくするために、合成された写真と撮影モード画面を貼り合わせてみました。このように専用アプリケーションを使えば、簡単に複数枚の写真を繋ぎ合わせた全天球写真が完成します。

図3.全天球撮影写真とMicrosoft Photosynthの撮影モード・イメージ
図3.全天球撮影写真とMicrosoft Photosynthの撮影モード・イメージ

 photosynth、facebook、twitterのアカウントを事前設定しておくことで、Webサービスを通じた全天球写真の共有もできますので、必要に応じて利用してみてください。

新たな空間情報の表現方法(Tiny Planets Photos)

 Tiny Planet Photosは、Apple iOS上で動作する全天周・全天球写真を変換するアプリケーションです。内容は前回『災害コミュニケーション ITだからできるコト(9)』とまったく同じですが、せっかくなので再掲載致します。

 まずTiny Planet Photosを起動し、先ほど撮影した全天球写真をカメラロールから選択します。つぎに「TINY PLANET」ボタンを押すと画像変換が始まります。すると『災害コミュニケーション ITだからできるコト(7)』でご紹介したスモールプラネット化した画像が出来上がります(図5)。

図4.Tiny Planets Photosの使い方(スモールプラネット化)
図4.Tiny Planets Photosの使い方(スモールプラネット化)

 いかがですか? 先ほどの全天球写真とは異なった空間情報の表現方法になったかと思います。全天球写真に比べて、空間情報がやや欠損している点は否めませんが、共有したい空間情報をメインに据える表現方法としては有効です。

 さらに続けて、ラビットホール化についても見ていきましょう(図5)。さきほどの処理に続いて、「RABBIT HOLE」ボタンを押すと変換が開始されます。さきほどのスモールプラネットとは、まったく異なる空間情報の表現方法になりました。このように、共有したい空間情報の内容によって、いずれかの変換処理を施すことが有効です。最後に変換した1枚の画像は、カメラロールやメールを通じて保存・共有ができますので、必要に応じてお使いください。

図5.Tiny Planets Photosの使い方(ラビットホール化)
図5.Tiny Planets Photosの使い方(ラビットホール化)

 さて次回は、手軽にできる全天球撮影およびパノラマ技術による空間情報の表現方法について、全天球撮影カメラ利用例について解説していきます。ぜひ、いままで見たことのない写真が手軽に撮れる体験をしていただければと思います。

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この記事の著者

松本 直人(マツモト ナオト)

1996年より特別第二種通信事業者のエンジニアとしてインターネット網整備に従事。その後システム・コンサルタント,ビジネス・コンサルタントを経て2010年より,さくらインターネット株式会社 / さくらインターネット 研究所 上級研究員。(2016年より一時退任)研究テーマはネットワーク仮想化など。3~5年先に必要とされる技術研究に取り組み、世の中に情報共有することを活動基本としている。著書: 『モノのインターネットのコトハジメ』,『角川インターネット講座 ~ビッグデータを開拓せよ~』など多数。情報処理学会 インターネットと運用技術研究会 幹事

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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https://codezine.jp/article/detail/7604 2014/02/24 14:00

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