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現役エンジニア直伝! 「現場」で使えるコンポーネント活用術(LEADTOOLS)

「LEADTOOLS」を使ってWindowsストアアプリに画像処理機能を実装しよう

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 Windows 8では、従来のデスクトップアプリ以外にWindowsストアアプリという動作フレームワークが一新されているアプリ形式があります。Windowsストアアプリの実行環境は、一般的にはWindowsストアなど限定された配布手順とアプリチェックを前提として、その実行環境の動作制限とアプリの最新化により、コンピュータに詳しくない人が利用していても、ウイルス感染などのリスクがほぼないように考慮されているという利点があります。また、スマートフォンやタブレットなどに使われているARMプロセッサのサポートも特徴です。Windowsストアアプリの実行環境では、従来のデスクトップアプリが動作しないことがマイナス面として取り上げられるケースが多いようですが、一般の人がより気軽に安全にコンピュータを利用するという点については、非常によくできた考え方といえるでしょう。

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 もちろん、Windowsストアアプリでも市販コンポーネントの利用が考慮されていて、Windowsストアアプリ対応の市販コンポーネントを使って少ない手順で高度な機能の追加が可能です。しかし、あまり市販コンポーネントの話を聞かないような気がします。その理由の一つは、WindowsフォームとWPFは非画面系のコンポーネントは同一バイナリでも問題ありませんが、Windowsストアアプリの市販コンポーネントは非画面系のコンポーネントであっても従来の形態では利用ができず、Windowsストアアプリでも使えるようにするための設計が必要だということで移植や同時提供が進んでいないという点があるでしょう。もう一つの理由としては、Windowsストアアプリの画面デザインがXAMLというかなり高機能な画面定義体で定義するので、同じくXAMLで画面が定義できるWPFでも同様ですが、市販コンポーネントがなくても済むケースが多いという点が影響しているのかもしれません。

 しかし、だからこそWindowsストアアプリ用の市販コンポーネントは貴重だといえるでしょう。なぜなら、市販コンポーネントとして発売されているということは、標準コンポーネントでは難しいことが実装されている訳ですし、それは世の中に存在するWindowsストアアプリで実装されている例が少ない機能であるとも解釈できます。よって、Windowsストアアプリを企画する上でも、他のアプリとの差別化という点でも非常に興味深いという推論が成り立つからです。

 今回取り上げるLEADTOOLSは、WindowsフォームやWPF向けの画像処理コンポーネントのWindowsストアアプリ対応のコンポーネントで、LEADTOOLS Imaging Pro Suiteを購入した時だけに入手できます。

 なお、今回は、Windows 8.1 Enterprise(x64)+Visual Studio Ultimate 2013 Update 1で動作確認しています。LEADTOOLSのシステム要件としては、正式対応されていない環境であることをあらかじめお断りしておきます。

Windowsストアアプリの作り方

テンプレートを選択

 Windowsストアアプリを新規作成する場合、いくつかのテンプレートが用意されています。1画面のアプリであれば「新しいアプリケーション」を選択したくなりますが、そのようなときにお勧めなのは「グリッドアプリケーション」テンプレートです。

図1 「グリッドアプリケーション」テンプレート
図1 「グリッドアプリケーション」テンプレート

不要なファイルを削除

 「グリッドアプリケーション」テンプレートでは、「GroupDataPage.xaml」「GroupedItemPage.xaml」「ItemDeteilPage.xaml」という3つのページも自動生成されますが、1画面アプリでは不要なので削除します。そして、ソリューションエクスプローラーでプロジェクトを右クリックして[追加]‐[新しい項目]メニューで、「基本ページ」を追加します。

図2 ページの整理
図2 ページの整理

 これでCommonフォルダに必要なクラスファイルが設定され、App.xaml.vbにもサスペンドなどに必要なコードが入った初期状態が完成しました。もちろんこれはVisual Basicだけの話ではなく、C#を使った場合でも、この方法が一番簡単に初期状態を作り出す手順です。

初期状態での実行

 この初期状態でもWindowsストアアプリとして動作します。

図3 初期状態での実行
図3 初期状態での実行

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この記事の著者

初音玲(ハツネアキラ)

 国内SIerのSEでパッケージ製品開発を主に行っており、最近は、空間認識や音声認識などを応用した製品を手掛けています。 個人的には、仕事の内容をさらに拡張したHoloLensなどのMRを中心に活動しています。 Microsoft MVP for Windows Development ブログ:http://hatsune.hatenablog.jp/

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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https://codezine.jp/article/detail/7610 2016/03/14 11:39

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