コードジンのヘッダーが入ります Developers Summit 2009

株式会社セールスフォース・ドットコム

【12-C-4】クラウドプラットフォームの実際
アライアンス事業本部 Force.com ディベロッパープログラム / AppExchange スペシャリスト 岡本 充洋

「プラットフォームは、開発者の生産性を最大限に上げるためにある」。12日の「クラウドプラットフォームの実際」と題されたセッションでは、株式会社セールスフォース・ドットコムの岡本充洋氏が、クラウドコンピューティングに求められるアーキテクチャと、クラウド・プラットフォーム「Force.com(フォース・ドット・コム)」の魅力を紹介した。「クラウドコンピューティングは、大きなパラダイムシフトである」と岡本氏は語る。開発環境をダウンロードする必要もなく、ブラウザだけあればアプリケーションの開発から配布までが完結する。なぜこのようなシステムが必要とされるようになってきたのだろうか。

クラウドコンピューティングが支持される理由

岡本氏はクラウドコンピューティングが支持される理由について次のように分析する。

まず「マルチテナント」により、1つのインフラやシステムを多くの企業でシェアすること。これにより、1社ではまかないきれない高品質の技術を、低価格で利用できる。

2つ目は「従量課金制」であること。これまではシステム(OS、ハードウェア、データベースサーバー、アプリケーションサーバー、etc)をまとめて購入し、何年も運用しなければならなかった。クラウドでは、システムを買うのではなく、必要なサービスだけを買い、不要になれば止める。このモデルによって初期投資を抑え、気軽に導入して、いつでも方向を修正できる。

最後に「伸縮性(Elastic)」。システムがより多くのユーザーに使われる場合、1台のサーバには限界があり、スケールさせるためにキャパシティプランニングをしなければならない。クラウドはそういった部分を受け持って、自動的にスケールしてくれる。

システムのアーキテクチャに変移が求められる

続いて岡本氏は、クラウドコンピューティングの成り立ちについて説明した。

現在、開発に許される時間は、年を追うごとに短くなっている。ハードウェアやネットワーク、開発方法論の進歩によって、高度なものが要求されている。ビジネスモデルも変わるため、短いスパンで迅速に対応しなければならない。

これまでの「シングルテナント」アーキテクチャでは、それぞれの企業がシステムを導入し、それを保守運用する要員も必要だった。そこで、1つの大きなシステムを複数のユーザーが利用する、ASPのようなマルチテナントが考えられたが、保守要員や管理工数は減少するものの、カスタマイズ性に欠けるという問題があった。

そこで、アプリケーション開発のカスタマイズ性を保ちながら、インフラは共通で管理するクラウドのアーキテクチャが登場した。アプリケーション開発者の仕事はインフラを設計することではなく、インフラはアプリケーションの足回りでしかない。

どんなアプリケーションを作って、どんな利益がでるか。クラウドコンピューティングは、これまで人材や開発費を取られていたインフラやフレームワークをクラウドに任せて、付加価値を生み出す分野にフォーカスする。これがクラウドの「根本的な考え方」だ。

Force.comのメタデータアーキテクチャ

Force.comでは、ユーザーのサービスをすべてメタデータ(ユーザー定義ファイル)として持たせることで、カスタマイズ性を保持している。組織ごとに、ユーザーインターフェイスやビジネスロジック、スキーマ情報、セキュリティ設定まですべてメタデータとして保存される。

インフラストラクチャとシングルコードのカーネル部分はセールスフォース・ドットコムがサービス提供を行いつつ機能強化を図っていく。ベンダーはカーネルに渡すメタデータを作成・変更するだけで、マルチテナントSaaSアプリケーションを作成することができる。

「こうしたForce.comの機能を利用するためには、複雑な環境構築は必要ありません。Webブラウザで『DeveloperForce』にアクセスし、アカウントを取得すればすぐに開発がはじめられます。クラウドに手軽に触れるよい機会なので、是非試してみて下さい」と、 岡本氏はForce.comの魅力について語る。

クラウドのアーキテクチャを深く理解したいという方も、同サイトにあるマルチテナントアーキテクチャのホワイトペーパーにアクセスすると良いだろう。

図1:アプリケーションはすべてメタデータとして保存される
問い合わせ先
株式会社セールスフォース・ドットコム
〒106-6139
東京都港区六本木6-10-1六本木ヒルズ森タワ-39F
URL: http://www.salesforce.com/jp/
E-mail: dfcjapan@salesforce.com
戻る
コードジンのフッターが入ります