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最新バージョン「Visual Studio 2017(Visual Studio "15")」特集(AD)

iOS/Androidアプリの開発を支援する「Visual Studio Mobile Center (preview)」を使ってみよう

最新バージョン「Visual Studio 2017(Visual Studio "15")」特集 第4回

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アプリのクラッシュ状況を確認する

 アプリマーケットのユーザのコメントを見ると「アプリが落ちてしまいます」などのコメントを見ることがあります。アプリの異常終了の原因はさまざまで、なかなかアプリの利用者からその原因や利用状況をヒアリングすることも難しいのが現実です。

 この「Crashes」では、アプリが何らかの理由によって異常終了した場合に、その時のログを確認できます。

 図12と図13は、ボタンのハンドラの中に意図的にゼロ除算のコードを仕込み、アプリをクラッシュさせた場合に取得できた情報です。エラーのスタックトレース、クラッシュした回数・デバイス・OSバージョンを確認することができるので、利用者から状況を把握するよりも多くの場合、詳細な情報が分かると思います。

図12 Crashes画面
図12 Crashes画面
図13 クラッシュ時のスタックトレース
図13 クラッシュ時のスタックトレース

テスト機能を確認する

 アプリのテスト機能はXamarin Test Cloudを利用しています。

 Xamarin Test Cloudでは実機でテストしている状況を記録できるXamarin Test Recorderなどもあり、アプリテストの機能が充実しています。ただし、Mobile Centerでは同じ機能が利用できるわけではないようです。例えば、Xamarin Test Cloudでは1000機種以上のデバイスが利用可能ですが、Mobile Centerでは約400機種になっています。

 また、テストの実行では以下の表5に示すテストフレームワークを利用して実行が可能です。

表5 利用できるテストフレームワーク
フレームワーク名 フレームワークのURL
Appium http://appium.io/
Calabash http://calaba.sh/
Espresso https://google.github.io/android-testing-support-library/docs/espresso/
Xamarine.UITest https://developer.xamarin.com/guides/testcloud/uitest/

 本稿では各テストの利用方法までは紹介しませんが、まだまだ、スマホアプリの自動テストは一般的ではないと思います。しかし、これらの環境が無料で利用でき、また、数多くの実機を用意しなくても確認できることもあり、Mobile Centerの利用を機にアプリの自動テストにチャレンジしてみるのもよいことでしょう。

 また、利用する際にはMobile Center上だけでは少々、情報が足りない部分があるので、併せてドキュメントを同時に参照する必要があります。

最後に

 今回、詳しく紹介しきれなかった機能にモバイルバックエンドとの連携機能があります。現在はクラウド連携機能として、「Tables」というAzure上にデータ保存する機能や、「Identitiy」というさまざまなソーシャルサービスとの連携を簡単にするための機能もあります。そして、アプリ開発に欠かせないプッシュ通知機能についても、今後連携が予定されているようです。

 ここまで紹介した機能だけでもiOSやAndroidのアプリ開発や管理に関するMicrosoftの本気度が伝わってくるのではないでしょうか。また、これらの機能がWindows向けの環境よりも先行し利用できることに非常に驚きを感じます。

 さらに、今回説明に使用したXamarinのようなマルチOS向けのアプリ開発プラットフォームとMobile Centerと組み合わせることで、ますますアプリ開発が便利になり、そして、Microsoftのツールやサービスは目が離せないものになってくるでしょう。

参考資料

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WINGSプロジェクト 小林 昌弘(コバヤシ マサヒロ)

WINGSプロジェクトについて>有限会社 WINGSプロジェクトが運営する、テクニカル執筆コミュニティ(代表 山田祥寛...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

WINGSプロジェクト 秋葉 龍一(アキバ リュウイチ)

WINGSプロジェクトについて> 有限会社 WINGSプロジェクトが運営する、テクニカル執筆コミュニティ(代表 山田祥寛)。主にWeb開発分野の書籍/記事執筆、翻訳、講演等を幅広く手がける。2018年11月時点での登録メンバは55名で、現在も執筆メンバを募集中。興味のある方は、どしどし応募頂きたい。著書記事多数。 RSS Twitter: @yyamada(公式)、@yyamada/wings(メンバーリスト) Facebook

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

山田 祥寛(ヤマダ ヨシヒロ)

静岡県榛原町生まれ。一橋大学経済学部卒業後、NECにてシステム企画業務に携わるが、2003年4月に念願かなってフリーライターに転身。Microsoft MVP for Visual Studio and Development Technologies。執筆コミュニティ「WINGSプロジェクト」代表。主な著書に「独習シリーズ(Java・C#・Python・PHP・Ruby・JSP&サーブレットなど)」「速習シリーズ(ASP.NET Core・Vue.js・React・TypeScript・ECMAScript、Laravelなど)」「改訂3版JavaScript本格入門」「これからはじめるReact実践入門」「はじめてのAndroidアプリ開発 Kotlin編 」他、著書多数

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