SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

CodeZine編集部では、現場で活躍するデベロッパーをスターにするためのカンファレンス「Developers Summit」や、エンジニアの生きざまをブーストするためのイベント「Developers Boost」など、さまざまなカンファレンスを企画・運営しています。

Microsoft AzureのNoSQLデータベース「Cosmos DB」を使ってみよう

Microsoft AzureのNoSQLデータベース「Cosmos DB」における設計方法を知る

Microsoft AzureのNoSQLデータベース「Cosmos DB」を使ってみよう 第2回


  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 本連載では、Microsoft Azureのサービスラインナップの1つで、NoSQLデータベースのPaaSであるCosmos DBについて全4回(概要/設計/実装/運用)に分けて説明します。2回目の今回は、設計編としてCosmos DBを使い始める際に考慮すべきポイントについて説明します。なお、第1回ではサービスの旧名称である「DocumentDB」を本文中に使用していましたが、今回からは「Cosmos DB」に名称を統一しています。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

対象読者

  • Microsoft Azureや他のクラウドサービスを利用している方
  • NoSQLデータベースを利用している方
  • Cosmos DBの仕組みを理解したい方

検証環境

 本稿では、以下の環境で動作を確認しています。

  • macOS Sierra 10.12.4
  • Firefox 53.0.3
  • Google Chrome 58

Cosmos DBにおける設計のポイント

 Cosmos DBをデータベースとして利用するための設計ポイントを、以下の3項目に分けて説明していきます。

  • ドキュメントのデータモデリング
    • ドキュメント指向型データベースにおける一般的なモデリングに、Cosmos DBの特性を加味して検討します。
  • データサイズとRUの見積もり
    • 課金に影響するこれら2つの要素に対するアプローチを紹介します。
  • インデックス作成ポリシーの検討
    • Cosmos DBにおけるインデックス作成について説明し、効率的なインデックスの作成を目指します。

Cosmos DBの制約

 設計のポイントを説明する前に、設計を行う上で注意すべきCosmos DBのリソースにおける制限・制約について説明します。

 Cosmos DBのリソースの上限は、選択したプランによってそれぞれ異なります。

 表1は、各プランでのリソースの制限・制約をまとめたものです。

表1 プランごとのリソースの制限・制約
リソース 単一コンテナ(パーティション分割なし) パーティション分割コンテナ
コレクションに割り当てられるストレージサイズ 10GB固定 10TB(※)
1ドキュメントのサイズ 2MB 2MB
ページあたりの応答サイズ 4MB 4MB
コレクションのスループット 400~10,000RU/秒 2,500~100,000RU/秒(※)
※ これ以上の容量やスループットを必要とする場合はサポート要求を出すによって上限を引き上げることができます。
 

 表中のパーティション分割とは、Cosmos DBがスケーラビリティを向上させるために、ドキュメントを物理リソース上に自動で分散配置する機能です。

図1 パーティション分割コンテナの概念
図1 パーティション分割コンテナの概念

 パーティション分割コンテナでは、コレクションの作成時にパーティション分割するためのキーとなるJSONプロパティを指定する必要があります。このキーには、均等に分散している値を持つJSONプロパティを選ぶことが推奨されています。

 一般的には、ユーザーIDなどの必ずユニークとなる値を設定します。

会員登録無料すると、続きをお読みいただけます

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

次のページ
ドキュメントの設計

修正履歴

この記事は参考になりましたか?

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
Microsoft AzureのNoSQLデータベース「Cosmos DB」を使ってみよう連載記事一覧

もっと読む

この記事の著者

WINGSプロジェクト 秋葉 龍一(アキバ リュウイチ)

WINGSプロジェクトについて> 有限会社 WINGSプロジェクトが運営する、テクニカル執筆コミュニティ(代表 山田祥寛)。主にWeb開発分野の書籍/記事執筆、翻訳、講演等を幅広く手がける。2018年11月時点での登録メンバは55名で、現在も執筆メンバを募集中。興味のある方は、どしどし応募頂きたい。著書記事多数。 RSS Twitter: @yyamada(公式)、@yyamada/wings(メンバーリスト) Facebook

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

山田 祥寛(ヤマダ ヨシヒロ)

静岡県榛原町生まれ。一橋大学経済学部卒業後、NECにてシステム企画業務に携わるが、2003年4月に念願かなってフリーライターに転身。Microsoft MVP for Visual Studio and Development Technologies。執筆コミュニティ「WINGSプロジェクト」代表。主な著書に「独習シリーズ(Java・C#・Python・PHP・Ruby・JSP&サーブレットなど)」「速習シリーズ(ASP.NET Core・Vue.js・React・TypeScript・ECMAScript、Laravelなど)」「改訂3版JavaScript本格入門」「これからはじめるReact実践入門」「はじめてのAndroidアプリ開発 Kotlin編 」他、著書多数

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
CodeZine(コードジン)
https://codezine.jp/article/detail/10330 2017/08/20 17:13

おすすめ

アクセスランキング

アクセスランキング

イベント

CodeZine編集部では、現場で活躍するデベロッパーをスターにするためのカンファレンス「Developers Summit」や、エンジニアの生きざまをブーストするためのイベント「Developers Boost」など、さまざまなカンファレンスを企画・運営しています。

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング