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高度IT人材を育成する産学連携の架け橋「トップエスイー」(AD)

次世代のソフトウェア業界を担う人材を育成する「トップエスイー」、企業の教育担当者が期待することとは?

高度IT人材を育成する産学連携の架け橋「トップエスイー」 第4回

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自ら課題を見つけ、最後まで研究ができる修了制作が魅力

 続いて、第4期生から9年間にわたりトップエスイー修了生を輩出している、FUJITSUグループの教育部門であるFUJITSUユニバーシティの京谷美代子氏に話を伺いました。

株式会社FUJITSUユニバーシティ エグゼクティブプランナ(ソフト教育・プロ技術者育成担当) 京谷美代子氏
株式会社FUJITSUユニバーシティ エグゼクティブプランナ(ソフト教育・プロ技術者育成担当) 京谷美代子氏

――まず、貴社のFIJITSUグループ内での役割をお教えいただければと思います。

京谷美代子氏(以下京谷):弊社はFUJITSUグループ全体に「学びの場」を提供する役割を担っています。例えばコンプライアンスなどの全社教育、階層別教育、グローバルビジネスリーダー・イノベーション人材育成、キャリア開発、そして技術系のプロフェッショナル育成です。

――トップエスイーへの受講生は全員、貴社を通して送り出されているのですか。

京谷:私たちはITSS(ITスキルスタンダード)における、ソフトウェアデベロップメントカテゴリの職種の教育を担っており、募集案内は短期コース含めて関連部署に展開しています。通期コースに関しては富士通研究所やグループ会社から直接技術者を受講生として送らせていただいています。

――貴社からは、2009年度の4期生から9年間にわたって受講生をお送りいただいています。受講生はどのような形で募集しているのでしょうか。

京谷:毎年何名と決めているわけではありません。部門で選抜をしてもらい、本部長推薦の上で候補者が決まります。選考方法は各部門に任せており、若い人を選出する部門もありますし、マネージャー直前の40歳近い人が選ばれる部門もあります。基本的には、部門の技術リーダーとして育成したい人で、なおかつ1年間トップエスイーの講義に通える人ですね。多い年だと10名近く、少ない年でも3名の受講生を送り出しています。

――職種別ではどのような方が多いのでしょうか。

京谷:今は、現場にどっぷり入っている、ミドルウェア開発やネットワーク系のシステムを開発している研究開発職の人が多いです。

――製品につながる開発に携わっている方ということですね。トップエスイーにはどのようなことを期待して、受講生を送り出していますか。

京谷:日頃から、若い技術者の学会活動などを行う機会が足りていないと感じていました。そのため、他社の技術者と交流する場、ネットワーク作りの場などを期待しています。社内での会話は方言だらけですので、他社の方や大学の先生方と、技術に関して議論ができるようになってほしい、さらに教わるだけではなく自分で学ぶ能力もつけてほしいと思います。

 また、修了制作でも力がつくと感じています。普段の業務では次にやるべきことが決まっており、自ら課題を発見する機会はなかなかありません。課題を見つけ、テーマを選ぶところから始めて、それを最後までやり通せるのは魅力ですね。

――修了生の方と接していかがでしょうか。職場からはどのような反応がありますか。

京谷:職場の上司からは、雰囲気も変わってたくましくなった等、非常にポジティブな反応をもらっています。学んだ技術の一部を職場で活用した話も聞きます。ただ、まだそういったケースは少なく、現場の悩みのようです。私個人としては、今後は修了制作の延長として大学の先生方との共同研究までつながり、継続されることを期待しています。

――確かに、いかに業務と関連付けるか、悩んでいる方の話はよく聞きます。では、社内の技術人材育成制度の中で、トップエスイーはどのような位置付けなのでしょうか。

京谷:弊社にはプロフェッショナル認定制度があります。ちょうどITSSの4レベル以上に相当するものです。トップエスイーはその中の知識や技術を身に付ける場の一つとして活用しています。

――実際にトップエスイーに受講生を送り出していかがでしょうか。期待された効果は実感されていらっしゃいますか。

京谷:修了生は学んだことを職場に持ち帰り、報告会を実施しています。また、修了生自身が講師になってレクチャーするというように、職場内に貢献しているケースもあるようです。修了生の多数がプロフェッショナル認定されています。また、修了生の一部はラインのマネージャーになっており、自身の経験から部下を送り出すケースも出ています。この場合は職場での支援もありますので、より効果が期待できます。

 修了生からは、演習系の科目が特に良かったという声をよく聞きます。特にクラウドコースの演習は人気ですね。また、9年ほど続けてきたこともあって、受講希望者が最近はかなり増えています。社内でのトップエスイーの知名度も上がり、修了生から話を聞いて受講を希望する人が増えていると感じます。

アカデミックな側面も重視しながら、技術のプロフェッショナルを育てていきたい

――トップエスイーでは2017年度からコースが2つに分かれ、「トップエスイーコース」「アドバンス・トップエスイーコース」が併設されています。アドバンス・トップエスイーコースは講義を受講できるだけでなく、従来の修了制作にあたる研究を「プロフェッショナルスタディ」として時間をかけて行うことができます。また、「最先端ソフトウェア工学ゼミ」として、最先端ソフトウェア技術をグループで調査・研究します。貴社には両方のコースにそれぞれ受講生がいらっしゃいますが、どのような方をどちらのコースに送り出されているのでしょうか。

京谷:トップエスイーコースは、従来通り募集をしていきたいと思っています。アドバンス・トップエスイーコースについては、その中でも特に、プロフェッショナルとしてどんどん育っていってほしい、その技術に関する事業を引っ張っていけるほどの腕っ節を持っている人たちに受講してもらいたいです。そして、さらに次の技術、新しい技術を学んでもらいたいですね。また、トップエスイーで学んだことを活用し、大学院で学位の取得を目指してほしいとも考えています。

――アカデミックな側面も重視されていらっしゃるのですね。ありがとうございます。今後、トップエスイーに受講生を送り出すにあたって、トップエスイーに期待されることはありますか。

京谷:次のビジネスに向けた新しい技術や知識などを身に付けられるカリキュラムをお願いしたいですね。今現在の業務に必要な知識はみんな勉強しようとするのですが、新規に、ということはなかなか難しいようです。若い人たちが新しい技術や知識に常にアンテナを張って、元気に継続学習をして新しいビジネスにつなげていけるような場を期待します。

――ありがとうございます。ご期待に応えられるようなカリキュラムをこれからも提供していきます。

「次のビジネスに向けた新しい技術や知識などを身に付けられるカリキュラムを期待します」(京谷氏)
「次のビジネスに向けた新しい技術や知識などを身に付けられるカリキュラムを期待します」(京谷氏)

2018年度受講生を募集中です!

 ハイレベルのエンジニア育成に定評がある「トップエスイー」は現在2018年度の受講生を募集中です。受講を検討中の方、受講に意欲がある方は、こちらのページをご覧ください。2018年度の受講申し込みは、2017年12月18日~2018年2月28日の期間で受け付けています。

 また、トップエスイーでどのようなことを学べるのかは、CodeZineの連載記事も参考になるかと思います。こちらも併せてご覧ください。

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この記事の著者

河井 理穂子(国立情報学研究所・埼玉工業大学)(カワイ リホコ)

 国立情報学研究所 アーキテクチャ科学研究系 特任講師、埼玉工業大学人間社会学部 専任講師。博士(慶應義塾大学・政策・メディア研究科・2008年)。 情報社会における知的財産権・個人情報保護などの研究に従事。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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https://codezine.jp/article/detail/10538 2017/12/14 14:49

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