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【デブサミ2019夏】セッションレポート(AD)

新卒でもアジャイルを実践! オンライン学習とディスカッションを組み合わせた「チーム型・実践型研修」【デブサミ2019夏】

【A-3】新卒社員研修からはじめるアジャイルソフトウェア開発チームのつくり方

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 ソフトウェア開発者の人材不足が深刻化する中、優れた人材をいかに社内で育成していくか。手法の確立が、企業の重要な課題となっている。ギブリーでは2019年春、大手システム開発企業の新卒社員研修を「新卒社員研修からはじめるアジャイルソフトウェア開発チームのつくり方」というテーマで実施。オンラインプログラミングやアジャイルプロセスの実践研修で、次世代の開発組織を作る試みに挑戦して大きな成果を挙げる。その過程をギブリーの取締役である新田章太氏が振り返った。

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株式会社ギブリー 取締役 新田章太氏
株式会社ギブリー 取締役 新田章太氏

「モード2人材」を育成し、アジャイルな組織文化を目指す研修を

 HR Tech分野でさまざまなサービスを展開し、高い評価を獲得している株式会社ギブリー。同社では2019年4月~6月末までの3カ月間、株式会社セゾン情報システムズの新卒社員25名を対象にした新人エンジニア研修を実施した。

 「セゾン情報システムズは、ガートナーの提唱したITマネジメントモデル『バイモーダルIT』の考え方をもとに、従来のSIerにおける開発技術や開発プロセスからの脱却と刷新を図ってきました。近年は、バイモーダルIT(注:主に従来型の業務システムを中心とする考え方を『モード1』、新しいテクノロジーを中心とした考え方を『モード2』という“2つの視点”を使い分ける手法のこと)で言われる『攻めのITと守りのIT』を意識的に分けた組織作りを進めています。今回の新人研修も、そうした改革の延長線上に位置付けられます」

【1】バイモーダルによる「守りのIT」と「攻めのIT」

 2つの視点でそれぞれ未来を担う人材を育てる研修を実現する。

【2】ビジネス要素×技術要素のバランス

 両者の視点でバランスのとれた研修内容を設計する。

【3】スキル・指向性の差への対応

 技術レベルや指向性がバラバラでも、一人ひとりの成長・効果を最大化できるようにする。

 「特に3つ目は、研修開始前に受講者全員にアンケート調査を実施したところ、各人の差異が大きいことに気づきました。そうした条件下でも、研修効果を最大化できる方法を探ることが重要だと考えたのです」

攻守の両面からITへの理解を深め、学び続けることで組織文化を変える研修を目指した
攻守の両面からITへの理解を深め、学び続けることで組織文化を変える研修を目指した

オンライン学習とディスカッションの「チーム型・実践型研修」

 研修カリキュラムは、プログラミングの基礎から始めて、全員がビジネス基礎研修を受講した後、徐々にビジネスと開発に分かれていく。これを3カ月かけて学習し、最終的に新規事業を立案してプレゼンテーションを行う「成果発表会」をゴールに据えた。チームで取り組むとはいうものの、実際のビジネス企画から開発までを実践することは、就業経験のない学生にとって少々ハードルが高い。技術以外の面、例えば財務なども視野に入れなければならないからだ。

 「そこでカリキュラムを、『デザインシンキング』『リーンスタートアップ』『アジャイル(スクラム)』の3つをベースに構築することに決めました。さらに実施にあたっては、各人のスキルや指向性の格差を埋めるためにオンライン学習を導入。各人のペースで学習できる体制を整え、習熟度の差をカバーするようにしました」

 この結果、個人の能力差はオンライン学習できるだけ平準化し、一方のオフラインの場では、新規事業のプロジェクトを全員でディスカッションしながら進める「チーム型・実践型研修」のスタイルを確立した。さらに各人に対しては、オンラインメンタリングによるフォローを行う仕組みだ。

 「オンライン学習には、『Udemy』というサービスを利用しました。またメンタリングには、当社のプログラミングスキルチェックツール『track(トラック)』を使って各人の学習進捗を『可視化』し、個人やチームの状況を詳細に把握しながらサポートしていきました」

カリキュラムは、モード1への理解と基礎から始めて、徐々にモード2へと実践化
カリキュラムは、モード1への理解と基礎から始めて、徐々にモード2へと実践化

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基本的な考え方の理解に重点を置き、各人のメンタリングにも注力

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CodeZine編集部(コードジンヘンシュウブ)

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https://codezine.jp/article/detail/11626 2019/07/24 12:00

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