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Vista時代のプログラミングモデル .NET Framework 3.0入門

WCF(Windows Communication Foundation)チュートリアル 後編

Vista時代のプログラミングモデル .NET Framework 3.0入門 (4)


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通信方式の切り替え(クライアント側)

 次に、クライアント側の実装を変更します。

 今度は、サービス提供側の構成ファイル(app.config)をクライアント側のMicrosoft Service Configuration Editorで読み込んで情報を自動生成しましょう。[ツール]-[Microsoft Service Configuration Editor]を実行し、[File]-[Open]よりWCFSampleClientプロジェクトの「app.config」を開きます。

Microsoft Service Configuration Editor
Microsoft Service Configuration Editor

 右画面の[Create a New Client]を実行して新しいクライアント定義を追加する"New Client Element Wizard"を開始します。

サービス提供側の構成ファイル指定
サービス提供側の構成ファイル指定

 [Browse]ボタンよりサービス提供側の構成ファイル(WCFMemberServiceGUI\app.config)を指定して[Next >]をクリックします。

使用するEndpointの指定
使用するEndpointの指定

 ドロップダウン一覧より使用するEndpointを指定します。ドロップダウンの幅が短くて分かりづらいですが、TCPのEndpointである[net.tcp://localhost:8081/MemberService]を選択して[Next >]をクリックします。

クライアント定義の名前指定
クライアント定義の名前指定

 新たに作成したクライアント定義の名前を指定します。EndpointTcpを入力して[Next >]をクリックします。

クライアント定義完了
クライアント定義完了

 これでクライアント定義の追加は完了です。[Finish]をクリックします。

 「app.config」を開き、追加された内容を確認します。

追加されたapp.configの内容(クライアントTCP版)
<endpoint address="net.tcp://localhost:8081/MemberService"
   binding="netTcpBinding" bindingConfiguration=""
   contract="WCFMemberServiceLibrary.ISampleService"
   name="EndpointTcp">
</endpoint>

 新しいEndpointが追加されています。

 先ほどはメタデータからコントラクトの内容を取得しましたが、今回はサービスのコントラクト(WCFMemberServiceLibrary\SampleService.cs)をコピーし、プロジェクトに追加します。

 最後に「Program.cs」を書き換えます。

Program.cs変更部分
//using WCFSampleClient.localhost;
using WCFMemberServiceLibrary;
using System.ServiceModel;

・・・中略・・・
static void Main(string[] args)
{
    //            ISampleService client = new SampleServiceClient();
    ChannelFactory<ISampleService> fact =
        new ChannelFactory<ISampleService>("EndpointTcp");
    ISampleService client = fact.CreateChannel();
・・・中略(処理は共通)・・・
}

 まず、WCFSampleClient.localhost名前空間のusingをコメントアウトし、コピーしてきたコントラクトのWCFMemberServiceLibrary名前空間と、System.ServiceModel名前空間をusingします。

 続いてMainメソッド内でSampleServiceClientを作成していた部分をコメントアウトし、ChannelFactoryクラスを使うように変更します。ChannelFactoryクラスのコンストラクタには先ほど定義したエンドポイント名"EndpointTcp"を指定します。次行のCreateChannelメソッドでISampleServiceインターフェイスを取得することができます。

 それ以降のメンバ追加・取得処理は変更ありません。ビルドして実行しましょう。先ほどと同じ結果が得られるはずです。

 以上で通信方式の切り替えは完了です。実際のソースコードの変更は少なく、設定ファイルの付け替えだけでほとんどの処理が済んでいることに注目してください。

次のページ
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この記事の著者

山田 祥寛(ヤマダ ヨシヒロ)

静岡県榛原町生まれ。一橋大学経済学部卒業後、NECにてシステム企画業務に携わるが、2003年4月に念願かなってフリーライターに転身。Microsoft MVP for Visual Studio and Development Technologies。執筆コミュニティ「WINGSプロジェクト」代表。主な著書に「独習シリーズ(Java・C#・Python・PHP・Ruby・JSP&サーブレットなど)」「速習シリーズ(ASP.NET Core・Vue.js・React・TypeScript・ECMAScript、Laravelなど)」「改訂3版JavaScript本格入門」「これからはじめるReact実践入門」「はじめてのAndroidアプリ開発 Kotlin編 」他、著書多数

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

WINGSプロジェクト 土井 毅(ドイ ツヨシ)

WINGSプロジェクトについて> 有限会社 WINGSプロジェクトが運営する、テクニカル執筆コミュニティ(代表 山田祥寛)。主にWeb開発分野の書籍/記事執筆、翻訳、講演等を幅広く手がける。2018年11月時点での登録メンバは55名で、現在も執筆メンバを募集中。興味のある方は、どしどし応募頂きたい。著書記事多数。 RSS Twitter: @yyamada(公式)、@yyamada/wings(メンバーリスト) Facebook

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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https://codezine.jp/article/detail/1243 2007/09/20 16:08

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