Eclipseの便利なキーボードショートカットをご紹介

20年経ってもデファクトスタンダードIDEのEclipse入門 第4回

　本連載ではIDEの1つであるEclipseを紹介していきます。Eclipseが世に出てから20年以上は経過していますが、いまだにデファクトスタンダードという不動の地位にいます。歴史もあり、さまざまな開発者に利用されている割には、Eclipseの入門にあたるようなまとまった情報源は意外と少ないといえます。本連載がその一助となれば幸いです。前回は、Eclipseでのデバッグ方法を紹介しました。また、プロジェクトの削除と復活についても触れました。今回は、Eclipseを使っていく上で、便利なショートカットを紹介します。

キーボードショートカットの基本であるOS標準ショートカット

　WindowsやmacOSのようにマウス操作が可能なOSは、アプリケーションに、例えば、ファイルの保存など、何か処理を行ってもらう場合に、マウス操作でメニューから該当項目を選択できます。直感的で操作しやすいのですが、慣れてくると、キーボードのキー操作だけで行いたくなります。いわゆるキーボードショートカットの出番です。

基本のキーボードーショートカットはメニューに表示

　他のデスクトップアプリケーションと同様に、Eclipseもメニューから選択できるものについては、そのショートカットがメニューに記載されています。例えば、図1は、ソースファイルの編集中に、ファイルメニューを表示させたものです。

図1：ソースファイルの編集中に表示させたファイルメニュー

　現在編集中のファイルを保存したい場合、ツールバーのアイコンをクリックするか、［ファイル］メニューから［保存］を選択します。一方、［保存］メニューにはキーボードショートカットが割り当てられており、図1にあるように、macOSでは［⌘（command）］+［S］、Windowsでは［Ctrl］+［S］です。

もっとも、この保存ショートカットは、他のアプリケーションと共通で、いわばOS標準ショートカットとなっているので、既に利用しているEclipseユーザもいると思います。

OS標準ショートカットはそのまま利用できる

　このように、OS標準のショートカットは、原則そのままEclipseでも利用できます。表1に、主なものをまとめておきます。

表1： OS標準のショートカット

メニュー	内容	macOS	Windows
ファイル	エディタを閉じる	⌘+W	Ctrl+W
	すべてのエディタを閉じる	⌘+Shift+W	Ctrl+Shift+W
	保存	⌘+S	Ctrl+S
	すべて保存	⌘+Shift+S	Ctrl+Shift+S
	印刷	⌘+P	Ctrl+P
編集	元に戻す	⌘+Z	Ctrl+Z
	やり直し	⌘+Shift+Z	Ctrl+Shift+Z
	切り取り	⌘+X	Ctrl+X
	コピー	⌘+C	Ctrl+C
	ペースト	⌘+V	Ctrl+V
	すべてを選択	⌘+A	Ctrl+A
	検索/置換	⌘+F	Ctrl+F

　いくつか補足しておきます。まず、［⌘］+［W］や［Ctrl］+［W］で閉じる画面というのは、あくまでエディタ上のウィンドウのみです。Eclipse自体が終了するわけではありません。他のWindowsアプリケーションでは、［Ctrl］+［W］でアプリケーションウィンドウそのものが閉じて、アプリケーションそのものが終了するものもあります。しかし、Eclipseはそのような挙動になっていない点に注意してください。

　Eclipseそのものを終了させるショートカットは、Mac版にしかなく、［⌘］+［Q］です。もっとも、これもOS標準のショートカットです。Windowsの場合は、マウスによってEclipseの画面そのものを閉じるか、［ファイル］メニューから［終了］を選択します。

　また、「元に戻す」の［⌘］+［Z］や［Ctrl］+［Z］は、ほとんどのアプリケーションと共通ですが、「やり直し」については、Eclipseは、表1にあるように、［⌘］+［Shift］+［Z］や［Ctrl］+［Shift］+［Z］です。アプリケーションによっては、［⌘］+［Y］や［Ctrl］+［Y］のものもあるので、注意してください。