アクションを接続してみよう
[メッセージを表示]アクションに[入力ダイアログを表示]アクションを繋げて、入力ダイアログから入力した名前に応じて、挨拶メッセージを表示させてみましょう。前項で作成したフローを続けて、編集していきます。
[1]入力ダイアログを配置する
アクションペインから[メッセージボックス]グループ配下の[入力ダイアログを表示]アクションを配置しましょう。その際、アクションをドラッグしたまま、ワークスペースの既に置いたアクションの近くに持っていくと、上か下に挿入先の線が表示されます。ここでは、上に表示されているときにドロップしてみます。ワークスペースに配置したアクションは、フローが実行されたときに上から順に実行されます。
[2][入力ダイアログを表示]アクションのパラメーターを設定する
配置した[入力ダイアログを表示]アクションのパラメーターの選択画面が表示されます。
[入力ダイアログメッセージ]に「名前を入力してください。」と入力し、[既定値]に「だれか」と入力します。下の[生成された変数]をクリックすると表示が開き、[UserInput]と説明が表示されます。変数名の箇所をクリックすると、変数名を変更することもできますが、今回はそのままにします。
これで、実行時に入力した文字列がフローの中でUserInput変数を通じて使用できるようになります。[保存]ボタンをクリックし、選択画面を閉じます。
[3][メッセージを表示]アクションのパラメーターを編集する
次に、フローデザイナーで、[メッセージを表示]アクションをダブルクリックして、パラメーターの選択画面を表示します。
[表示するメッセージ]に[こんにちは]までの後にキャレットがある状態で、右の[{x}]をクリックして、変数選択画面を表示します。
続いて、[UserInput]をダブルクリックして選択します。すると「こんにちは%UserInput%」となります。実行時には%で囲まれた部分は、変数を参照した結果が返されます。続けて[さん]と入力して「こんにちは%UserInput%さん」となったことを確認してください。確認できたら[保存]ボタンをクリックします。
[4]フローを実行する
フローデザイナーのツールの実行ボタンをクリックして、フローを起動します。表示されたダイアログの入力欄に任意の名前を入力、[OK]ボタンをクリックします(*)。次のダイアログで、入力した文字列がメッセージに埋め込まれて表示されます。
* ここでは、特にボタンで処理を分岐していないため、[キャンセル]ボタン、または[Esc]キーで閉じても同じ結果になります。
今回は、表示する変数として、入力ダイアログにユーザーが入力した値を使用しましたが、[変数]-[変数の設定]アクションを使用すると、フローの中で変数の値を設定することもできます。
[5]フローを保存する
フローデザイナーのツールバーの一番左の保存(フロッピーディスク)ボタンをクリックすると、作成したフローを保存できます。保存場所はOneDrive([MicrosoftアカウントのOneDriveの自分のファイル/アプリ/Power Automate Desktop For Windows])から変更できません。
保存の後、フローデザイナーウィンドウを閉じても、[自分のフロー]画面から、実行やフローデザイナーを開いて編集を行うことができます。
[6]フローの編集を終了する
フローデザイナーウィンドウ[ファイル]メニューの[終了]をクリックするか、[×]ボタンのクリックで終了します。
デスクトップレコーダー
デスクトップレコーダーとは、ワークスペースにアクションを配置して、フローを作成するのではなく、デスクトップでの操作を記録して、それをフローとして保存して繰り返し実行できる機能です。本項では、これを利用して、メモ帳を開いて「hello」という文字列を書き込んでみます。
[1][デスクトップレコーダー]を表示する
新たに、自分のフローの画面で[+新しいフロー]でフローを任意の名前で新規作成して、フローデザイナーを開きます。ワークフローデザイナーのツールバーの[デスクトップレコーダー]をクリックします。
デスクトップレコーダーウィンドウが表示されます。
[2][デスクトップレコーダー]を使う
[レコード]ボタンをクリックします。マウスポインターを移動させると赤い枠が表示されます。
ここで、例えば、マウスでクリックすると[記録されたアクション]に次々に記録されます。
その他にも、[一時停止]ボタンをクリックすると、記録を一時停止します。
記録されたアクションの右側のごみ箱アイコンボタンをクリックすることで、そのアクションを削除します。[リセット]ボタンをクリックすると、記録されたアクションをすべて削除します。また、[コメント]をクリックすると、記録にコメントを追加できます。
[3]デスクトップ操作を記録する
ここで一旦、[リセット]ボタンをクリックして、記録されたアクションを空にします。改めて[レコード]ボタンをクリックして、以下の操作を記録してみます。
まず、Windowsタスクバーの虫眼鏡アイコン[ここに入力して検索]マウスポインターを持っていき赤枠が出たらクリックします。
続いて、[ここに入力して検索]の入力欄に「notepad」と入力して[Enter]キーを押します。
メモ帳が起動したら、入力領域をクリックします。デスクトップレコーダーにウィンドウの要素をクリックアクションが追加されたことを確認します。
メモ帳に「hello」と入力します。この際、日本語を入力すると(入力変換が記録されないため)実行時には、変換前のキーの文字がそのまま入力されます。現段階のバージョンでは、日本語の変換の記録には対応できていないようです。
以上で記録は終了なので、[一時停止]ボタンで記録を停止し、デスクトップレコーダーウィンドウの下にある[終了]ボタンをクリックします。ワークスペースに戻り、記録したアクションが追加されていることを確認してください。
[4]フローを実行する
ツールバーの[実行]ボタンで実行すると、記録した操作が自動的に実行されます。
ただし、記録した操作によってはエラーになったり、想定外の挙動になったりすることがあります。例えば、記録時にクリック/入力など、アクション対象の要素の位置・状態やアクションのタイミングが、実行時では異なっている場合(別の場所にある、他のウィンドウの裏にある、最小化されているなど)や、クリック/入力対象の要素が見つからないか入力不可でエラーになるなど、他の要素に対して想定外のアクションが起きる場合がありますので、注意してください。
記録時には、赤枠の表示やウィンドウの表示を待ってから対象をクリックすることで、明示的に要素を選択するアクションが記録されていることを確認しましょう。
デスクトップレコーダーで作成したフローの編集
レコードによって作成されたアクションも、アクションペインから作成したもの同様に編集できます。記録したフローで要件を満たせない場合や、細かな挙動を変更したいときは、フロー領域から編集してみましょう。例えば以下は、上でレコードから作成したフローにおいて、[hello]という入力を、別の文字列[こんにちは]に変える例です。
[1][キーの送信]アクションを編集する
[キーの送信]アクションで[キーストロークhelloを送信します]となっているキーの送信アクションをダブルクリックして、パラメーターの選択画面を表示します。
[送信するテキスト]の[hello]を[こんにちは]に変更して、[保存]ボタンをクリックします。
[2]フローを実行する
フローを再実行すると、メモ帳に「こんにちは」と入力されるようになります。レコード時はキーボードでの日本語変換処理はうまく記録できませんが、このようにデザイナーで日本語文字列に差し替えることができます。
まとめ
今回は、フローデザイナーでの簡単なフローの作成、デスクトップレコーダーでの記録によるフローの作成を行いました。次回は、条件やループなどの制御構造を組み込んだフローのデザインを行います。