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IPA、企業のシステムのDX対応状況を可視化するツールを提供開始

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 独立行政法人情報処理推進機構(以下、IPA)は、DX実現の基盤となるITシステムについて、企業がDX対応状況を詳細に評価するためのツールを9月27日に提供開始した。

 同ツールは「プラットフォームデジタル化指標」としてIPAが策定した評価項目に対し、各企業が回答を記入すると、点数化してレーダーチャートなどのグラフを表示するエクセル形式の評価表。DXを推進する企業の情報システム部門や、コンサルティングファーム・ITベンダーのコンサルタント、SEなどを対象ユーザーとしており、コンサルティングファーム・ITベンダーなどの既存の評価指標での評価と組み合わせて利用することも可能となっている。

 ITシステム全体では財務・組織の状況や全社でのデータ共有状況など、機能システム別では各システムの特性やDX対応に求められる要件、ITシステム品質やIT資産の健全性などの設問を設定している。

 例えば、「取得データをAIやデータ分析のシステムに容易にインプットできる仕組みになっているか」といった設問に対して、ユーザーは実施状況、効果それぞれの設問に「〇」「△」「×」の3段階で回答する。企業の状況にあわせて各項目の配点や重みづけを修正することもできる。

プラットフォームデジタル化指標の構成

プラットフォームデジタル化指標の構成

 評価結果は、ITシステム全体、機能システム別にそれぞれ4種類のグラフで表示される。具体的には、ITシステム全体の評価結果は、機能システム間の独立性、データ活用の仕組み、運用の標準化、プロジェクトマネジメント/品質、セキュリティ/プライバシー、CIO/デジタル人材からなる6つの軸のレーダーチャートで表示される。また機能システム別の評価結果は、データ活用性、アジリティ、スピード、利用品質、開発品質、IT資産の健全性からなる6つの軸のレーダーチャートで表示され、問題箇所を可視化することができる。配点に対して点数が低い箇所などについてユーザーが分析を行い、必要に応じてコメント欄に分析結果を記入するなど、一次分析に利用することができる。

機能システムの評価結果の例

機能システムの評価結果の例

 これらの可視化された分析結果により、ITシステム全体の問題点や、どの機能システムが問題箇所となっているのか、DXに求められるITシステム要件としてのデータ活用の度合や、デジタル技術の活用の度合、現在のITシステムの技術的負債の度合などが明確になる。これにより企業は、ITシステムの再構築・廃止・機能凍結の対象の明確化や優先順位、再構築の場合は非競争領域の共通化を業界内に働きかけるといった実装方式を含めた経営判断に役立てることがでる。

  評価表は全76の評価項目のうち、問題のありそうな機能システムのみ、さらに「DX対応に求められる要件」など特定の評価項目に絞って実施することも可能。

  IPAは企業がDX対応の定期健康診断として「DX推進指標」を毎年実施し、問題が見つかった際には精密検査として「プラットフォームデジタル化指標」を活用することで、DX実現に向けたITシステム構築が効率的に進み、DX推進が加速することを期待している。

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