SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

CodeZine編集部では、現場で活躍するデベロッパーをスターにするためのカンファレンス「Developers Summit」や、エンジニアの生きざまをブーストするためのイベント「Developers Boost」など、さまざまなカンファレンスを企画・運営しています。

特集記事

Apache GeronimoでWebサービス/アプリケーションを稼動させる

J2EEに準拠したオープンソースのアプリケーションサーバーGeronimo


  • このエントリーをはてなブックマークに追加

本稿では、オープンソースである、Apache発のJ2EE準拠アプリケーションサーバ「Geronimo」を稼動させ、Apache AxisとWebアプリケーションをデプロイする方法について解説します。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

はじめに

 アプリケーションフレームワーク、データベース、統合開発環境など様々な分野でオープンソースが注目を浴びて久しいですが、アプリケーションサーバの分野でもオープンソースの波は確実に押し寄せています。本稿では、Apache発のJ2EE準拠アプリケーションサーバ「Geronimo」を稼動させ、「Apache Axis」を利用したWebサービスとWebアプリケーションをデプロイする方法について説明します。

Apache Geronimoとは

 「Apache Geronimo」はApache Software Foundationにて開発が行われているオープンソースのアプリケーションサーバです。Sun MicrosystemsのJ2EE互換テストをパスしており、その仕様はJ2EEに準拠しています。オープンソースのアプリケーションサーバには他にも「JBoss」などが挙げられますが、Geronimoの特徴は、様々なオープンソースのコンポーネントを組み合わせ、J2EEサーバとしての機能を実現している点です。Geronimoが、これらコンポーネントを稼動させる仕組み(カーネル)を提供することで、それぞれのコンポーネントがバージョンアップした場合でも、容易に取り込むことが可能な仕組みとなっています。次にApache Geronimoで採用されているコンポーネントを挙げておきます。

Apache Geronimoで採用されているコンポーネント
コンポーネントURL担当する範囲
Jettyhttp://jetty.mortbay.org/Webアプリケーションサーバ
Apache Tomcathttp://tomcat.apache.org/Webアプリケーションサーバ
Apache Derbyhttp://db.apache.org/derbyデータベース
Apache Axishttp://ws.apache.org/axis/Webサービス
ApacheDShttp://directory.apache.org/ディレクトリサービス
TranQLhttp://tranql.codehaus.org/インターオペイオラビリティ
OpenEJBhttp://www.openejb.org/EJBコンテナ
MX4Jhttp://mx4j.sourceforge.net/リソース管理
ActiveMQhttp://activemq.codehaus.org/メッセージングサービス
Spring frameworkhttp://www.springframework.org/Webアプリケーションフレームワーク

 特にJettyとTomcatに関しては、役割が重複しておりアーカイブも別々に提供されています。

ダウンロード

 Apahe Geronimoは、Webサイトからダウンロードして下さい。ページを開き、画面左のメニューにある[Downloads]をクリックします。本稿では2006年1月5日にリリースされたWindows用の「Geronimo1.0 with Tomcat」を利用しています。

 ダウンロードしたら「geronimo-tomcat-j2ee-1.0.zip」を解凍し、展開されたフォルダを任意のディレクトリに配置して下さい。筆者はDドライブのルートディレクトリに「apache」フォルダを作成し、「geronimo-1.0」フォルダを配置しました。Geronimo1.0ではインストール作業などは特に必要はありません。

Geronimoの起動

 Geronimoの起動はコマンドプロンプトから行います。起動には次のパスの設定が必要です。

Geronimoの起動に必要なパス
set GERONIMO_HOME=D:\apache\geronimo-1.0
set JAVA_HOME=C:\j2sdk1.4.2_10
set path=C:\j2sdk1.4.2_10\bin;%path%

 設定が終わったら「%GERONIMO_HOME%\bin」にて次のコマンドを実行します。

Geronimoの起動コマンド
D:\apache\geronimo-1.0\bin>java -jar server.jar

 次のようなコンソールが表示されれば、起動は完了です。

Geronimoの起動結果の抜粋
D:\apache\geronimo-1.0\bin>java -jar server.jar
Booting Geronimo Kernel (in Java 1.4.2_10)...
Starting Geronimo Application Server
[************************] 100%  45s Startup complete
  Listening on Ports:
  Listening on Ports:
    1099 0.0.0.0 RMI Naming
    1389 0.0.0.0 Apache Directory LDAP
    1527 0.0.0.0 Derby Connector
    4201 0.0.0.0 ActiveIO Connector EJB
    4242 0.0.0.0 Remote Login Listener
    8009 0.0.0.0 Tomcat Connector AJP
    8080 0.0.0.0 Tomcat Connector HTTP
    8443 0.0.0.0 Tomcat Connector HTTPS
   61616 0.0.0.0 ActiveMQ Message Broker Connector

  Started Application Modules:
    EAR: geronimo/daytrader-derby-jetty/1.0/car
    EAR: geronimo/uddi-jetty/1.0/car
    EAR: geronimo/webconsole-jetty/1.0/car
    RAR: geronimo/activemq/1.0/car
    RAR: geronimo/system-database/1.0/car
    WAR: geronimo/jmxdebug-jetty/1.0/car
    WAR: geronimo/jsp-examples-jetty/1.0/car
    WAR: geronimo/ldap-demo-jetty/1.0/car
    WAR: geronimo/remote-deploy-jetty/1.0/car
    WAR: geronimo/servlets-examples-jetty/1.0/car
    WAR: geronimo/welcome-jetty/1.0/car

  Web Applications:
    http://MYSERVER:8080/
    http://MYSERVER:8080/console
    http://MYSERVER:8080/console-standard
    http://MYSERVER:8080/daytrader
    http://MYSERVER:8080/debug-tool
    http://MYSERVER:8080/jsp-examples
    http://MYSERVER:8080/juddi
    http://MYSERVER:8080/ldap-demo
    http://MYSERVER:8080/remote-deploy
    http://MYSERVER:8080/servlets-examples

Geronimo Application Server started

 なお、Tomcatのポートを変更する場合には「%GERONIMO_HOME%\var\config\config.xml」の「gbean name="TomcatWebConnector"」の「attribute name="port"」の値を書き換えて下さい。

「Geronimoのconfig.xml」から抜粋
<gbean name="TomcatWebConnector">
    <attribute name="host">0.0.0.0</attribute>
    <attribute name="port">8080</attribute>
    <attribute name="redirectPort">8443</attribute>
</gbean>

会員登録無料すると、続きをお読みいただけます

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

次のページ
アプリケーションのデプロイ

この記事は参考になりましたか?

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
特集記事連載記事一覧

もっと読む

この記事の著者

山田 祥寛(ヤマダ ヨシヒロ)

静岡県榛原町生まれ。一橋大学経済学部卒業後、NECにてシステム企画業務に携わるが、2003年4月に念願かなってフリーライターに転身。Microsoft MVP for Visual Studio and Development Technologies。執筆コミュニティ「WINGSプロジェクト」代表。主な著書に「独習シリーズ(Java・C#・Python・PHP・Ruby・JSP&サーブレットなど)」「速習シリーズ(ASP.NET Core・Vue.js・React・TypeScript・ECMAScript、Laravelなど)」「改訂3版JavaScript本格入門」「これからはじめるReact実践入門」「はじめてのAndroidアプリ開発 Kotlin編 」他、著書多数

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

WINGSプロジェクト 奥山 学(オクヤマ マナブ)

WINGSプロジェクトについて> 有限会社 WINGSプロジェクトが運営する、テクニカル執筆コミュニティ(代表 山田祥寛)。主にWeb開発分野の書籍/記事執筆、翻訳、講演等を幅広く手がける。2018年11月時点での登録メンバは55名で、現在も執筆メンバを募集中。興味のある方は、どしどし応募頂きたい。著書記事多数。 RSS Twitter: @yyamada(公式)、@yyamada/wings(メンバーリスト) Facebook

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
CodeZine(コードジン)
https://codezine.jp/article/detail/302 2006/10/11 19:37

おすすめ

アクセスランキング

アクセスランキング

イベント

CodeZine編集部では、現場で活躍するデベロッパーをスターにするためのカンファレンス「Developers Summit」や、エンジニアの生きざまをブーストするためのイベント「Developers Boost」など、さまざまなカンファレンスを企画・運営しています。

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング