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ASP.NET 3.5 Extensions + ASP.NET MVCフレームワーク

ASP.NET AJAXの開発をさらにサポート「ASP.NET 3.5 SP1」

ASP.NET 3.5 Extensions + ASP.NET MVCフレームワーク(5)

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SilverlightをホストするSilverlightコントロール

 Silverlightコントロールはメディアファイル以外のすべてのSilverlightコンテンツをホストするコントロールです。Silverlight 1.0ではJavaScriptを介してアクセスでき、Silverlight 2ではマネージコードを利用して対話的なアプリケーション構築が容易にできます。

 Silverlightコントロール最大かつ、唯一の特徴はSilverlightアプリケーションをホストする。その一点に限ります。ある程度高さ、幅を確保し、XAMLファイルまたはXAPファイルをホストします。この時Silverlight側で設定できるプロパティは回線によって動きが鈍くなってしまうフレーム数の制御や、XAMLファイルまたはXAPファイルよりも大きな領域を確保した時の背景色の設定や、JavaScriptを利用している時のイベントハンドラなどがプロパティとして存在します。

 Silverlightコントロールの内、多用するであろうプロパティを以下の表にまとめました。

Silverlightコントロールのプロパティと概要
メンバ名 概要
EnableFrameRateCounter ブラウザのステータスバーに現在のフレームレートを表示するかどうかを取得/設定
HtmlAccess DOM(Document Object Model) へのアクセスを許可するかどうかを取得/設定
InitParameters 初期化パラメータのセットを取得/設定
MaxFrameRate 1秒間の最大フレーム数を取得/設定
MinimumVersion Silverlightの最小バージョンを取得/設定
PluginBackground Silverlightの背景色を取得/設定
OnPluginLoaded Silverlightが読み込み時に呼び出されるJavaScriptの関数名を取得/設定
OnPluginResized Silverlightのサイズ変更時に呼び出されるJavaScriptの関数名を取得/設定
ScaleMode 表示モードを取得/設定
ScriptType プラグインに関連付けるか、オブジェクトの型名で取得/設定
Source 表示するSilverlightコンテンツ(.xamlか.xap)を取得/設定
SplashScreenSource Silverlight読み込み中に表示されるスプラッシュスクリーンドキュメントのURLを取得/設定

 Silverlightコントロールは最小限、SourceプロパティにXAMLファイルまたはXAPファイルを指定するだけで利用可能です。サンプルでは、シンプルな図形がアニメーションで動くXAMLと、そのXAMLファイルに対する処理を記述したJavaScriptファイルから構成されています。

図13 実行直後の画面
図13 実行直後の画面
図14 アニメーション動作画面
図14 アニメーション動作画面

 Silverlightコントロールの設定は非常にシンプルです。aspxページ上にコントロールを配置した例が次のようになります。

<asp:ScriptManager ID="ScriptManager1" runat="server" >
    <Scripts>
        <asp:ScriptReference Path="~/XAMLScript.js"     />
    </Scripts>
</asp:ScriptManager>
<asp:Silverlight ID="Silverlight1" runat="server" Height="500px" Width="500px"
    Source="~/Scene.xaml" EnableFrameRateCounter="true" >
</asp:Silverlight>

 ScriptManagerコントロールと、Silverlightコントロールを配置し、ScriptManagerコントロールでMediaPlayerコントロール同様ScriptsコレクションでJavaScriptファイルを指定しています。Silverlightコントロールはサイズ指定と、XAMLファイルの設定のみ行っています。また、EnableFrameRateCounterをtrueに設定することで、ブラウザのステータスバーにフレームレートの表示などを行っています。

 XAMLやJavaScriptの詳細な情報はサンプルファイルをご覧ください。

 繰り返しになりますが、SilverlightコントロールはSilverlightコンテンツをホストするコントロールです。プロパティの大半が領域に対する設定とJavaScriptのイベントハンドラです。マネージコードの利用ができるようになりそちらにばかり目が行きがちなSilverlightですが、マウスのスクロールがマネージコードでコーディングできない等、実務で活用する場合はJavaScriptと併用するシナリオも多くなるかと思います。そのような利用シナリオにおいて、Silverlightコントロールはクライアントサイドスクリプトの開発を強力にサポートするVS2008と、クライアントサイドスクリプトを活用したコーディングが行えるASP.NETとの併用をより強力にするメリットがでてきます。

まとめ

 ASP.NET 3.5 SP1自身の強化は主に、AJAX機能の拡張でした。また、初のオープンソースの組み込みという新たな試みも加わりASP.NET開発はより生産性を増したと言えます。

 今回の機能拡張は派手さこそないものの、ユーザービリティの向上に直接つながる機能なので、ASP.NET 3.5開発者にとって重宝するかと思います。

 Silverlightをホストする2種類のコントロールについて言うならば、ASP.NETユーザーであればJavaScriptを理解している開発者も多いと思います。しかし、JavaScriptファイルをSDKから用意してホストのタグを書いて…という過程を経るよりも簡単にホストでき、細かな設定もできる各コントロールはASP.NET開発において活躍するでしょう。

 どちらも小さな労力で大きな結果を得られるので、利用を検討または実装していただければ幸いです。

 長期間に渡り続いてきた連載も今回が最終回となります。SP1という枠組みにしては大掛かりな技術が多く出てきていました。また、ASP.NET MVCが正式リリースも間近になっています。今年はASP.NET 4.0がリリースされる年でもあるので、その前の準備運動として連載で扱ってきたテクノロジに一度でも触れてみることをお勧めします。

参考文献

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この記事の著者

山田 祥寛(ヤマダ ヨシヒロ)

静岡県榛原町生まれ。一橋大学経済学部卒業後、NECにてシステム企画業務に携わるが、2003年4月に念願かなってフリーライターに転身。Microsoft MVP for Visual Studio and Development Technologies。執筆コミュニティ「WINGSプロジェクト」代表。主な著書に「独習シリーズ(Java・C#・Python・PHP・Ruby・JSP&サーブレットなど)」「速習シリーズ(ASP.NET Core・Vue.js・React・TypeScript・ECMAScript、Laravelなど)」「改訂3版JavaScript本格入門」「これからはじめるReact実践入門」「はじめてのAndroidアプリ開発 Kotlin編 」他、著書多数

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

WINGSプロジェクト ナオキ(ナオキ)

WINGSプロジェクトについて> 有限会社 WINGSプロジェクトが運営する、テクニカル執筆コミュニティ(代表 山田祥寛)。主にWeb開発分野の書籍/記事執筆、翻訳、講演等を幅広く手がける。2018年11月時点での登録メンバは55名で、現在も執筆メンバを募集中。興味のある方は、どしどし応募頂きたい。著書記事多数。 RSS Twitter: @yyamada(公式)、@yyamada/wings(メンバーリスト) Facebook

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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