プロセスの設定とプロセス・テンプレートの関係
自分のプロジェクトで設定したいプロセスについては、RTC上でプロジェクトを作成したときに選択したプロセス・テンプレートによってそのデフォルトのプロセスが決まります。
プロジェクトを作成する手順については、「はじめて使うJazzシリーズ」の第1回の「プロジェクトの作成」を参照するとよいでしょう。
RTCに含まれているデフォルトのプロセス・テンプレートは以下の5種類があります。
- EclipseWayプロセス
- OpenUPプロセス
- シンプル・チーム・プロセス
- アジャイル・プロセス
- スクラム
これらのいずれかを選択することで、プロセスとして定義すべき役割や必要となるワークアイテム、ルールなどが決定されます。
その例として、選択したプロセス・テンプレートに応じて、プロジェクトで指定できる役割の種類が異なることをお見せしましょう。
このシリーズの第1回でプロジェクトを作成した際には、スクラムを選択してプロジェクトを作成しました。その際にメンバーを定義する中で併せて役割も指定しました。
スクラムでは4つの役割が定義されていましたが、他のプロセス・テンプレートを採用したときにはどのように変わるかを見てみましょう。
次の図はプロセス・テンプレートとしてEclipseWayプロセスを選択したときの役割の指定の画面です。EclipseWayプロセスでは2種類の役割が定義されています。
次の図はOpenUPプロセスをプロセス・テンプレートとして選択したときの役割の指定画面です。OpenUPプロセスでは、6種類の役割が定義されていることが分かります。
プロセス・テンプレートによって役割の違いがあることを理解してもらいましたが、これと同様にワークアイテムの種類、自動生成されるワークアイテム、ワークフロー、開発者がアクションを起こしたときのルール、ワークアイテムの状態遷移などをプロセス・テンプレートごとに設定しておくことができます。
このようにプロセスの設定はプロジェクト作成の際に選択したプロセス・テンプレートによって大筋決定されるということが分かりました。
この先は、テンプレートに定義されているデフォルトの設定を、プロジェクトのレベルで変更して自分たちのプロジェクトに合ったプロセスを定義することについて説明していきたいと思います。なお、この先の説明では、ここまでの連載と同様にスクラムのプロセス・テンプレートを使用したプロジェクトで操作していくことにします。
第1回では、RTCのバージョン1.0.1.1M1を用いていましたが、現在は製品版のバージョン1.0.1.1がリリースされていますので今回の記事ではそれを用いています。そのため、第1回の記事の画面とは多少変更があります。特に日本語翻訳部分でいくつかの改善がされています。
今回確認するプロセス・エンアクトメントのシナリオ
RTCでプロジェクトのプロセスに関連する設定項目は非常に多く用意されています。
これらは、プロジェクト・エリアを開いた画面の「プロセス構成」タブで設定することができます。
今回はページの都合上すべての設定を細かくご説明するわけにはいきませんので、以下の代表的なシナリオを用意しました。これらに沿ってRTCの動きとその設定方法について見ていくことにしましょう。
- シナリオ1)
ソース管理において提出時にワークアイテムの関連付けを必須とする。 - シナリオ2)
役割ごとにできる操作を変える。 - シナリオ3)
シナリオ1)において時期によってルールを変える。
プロセス構成を変更するには、RTCのStandard Editionが必要です。Express Editionを使用している場合は、セキュリティ制御可能な箇所が限定されています。以下のシナリオについてもStandard Editionであることが前提となります。
Express Editionを使用した場合、誰もがほぼ全部可能になるという緩いセキュリティになりますので注意してください。また、Express Editionでも以下の設定が画面上は行えるのですが、ツールの振る舞いはそれらを無視する形になるので、注意が必要です。