SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

CodeZine(コードジン) DeveloperZine(デベロッパージン)- エンジニアの意思決定を支える技術情報メディア ProductZine

CodeZine編集部では、現場で活躍するデベロッパーをスターにするためのカンファレンス「Developers Summit」や、エンジニアの生きざまをブーストするためのイベント「Developers Boost」など、さまざまなカンファレンスを企画・運営しています。

Djangoチュートリアル

Djangoチュートリアル(後編)

Python対応のWebアプリケーションフレームワーク


キャッシュシステム

 Djangoはアクセスの多いニュースサイトの開発をもとに生まれたフレームワークですので、サイトのパフォーマンスを向上させるための有効な仕掛けであるキャッシュ機能はとても充実しています。ここでは商品ページの表示機能にキャッシュの仕組みを導入します。

キャッシュの単位

 Djangoでは、キャッシュする情報の粒度をその使用用途に合わせて設定できるようになっています。以下の表にキャッシュの粒度とその説明をまとめました。本稿ではこの中からビュー単位でキャッシュする方法を紹介します。

キャッシュ方法の種類
キャッシュの粒度 説明
サイト単位 サイト全体をキャッシュします。DBから情報を取得するが、コンテンツ自体の変更はあまりないサイトに向いているでしょう。
ビュー単位 URLごとに情報をキャッシュします。
オブジェクト単位 ビューの中で扱うオブジェクトをキャッシュします。
テンプレートの断片単位 テンプレートの中の一部分をキャッシュします。

キャッシュ保存先と設定方法

 Djangoでは、キャッシュ情報の保存先を複数用意しているので適切なものを選択して使用することができます。以下の表に使用できるキャッシュの保存先を示します。キャッシュの保存先指定は、プロジェクトフォルダのsettings.py内のCACHE_BACKEND変数に「CACHE_BACKEND='memcached://172.19.26.240:11211'」のように指定します。このようにDjangoでは設定の変更だけで簡単にキャッシュの保存先を変更することができます。

キャプション
保存先 設定例 説明
memcached memcached://172.19.26.240:11211;
172.19.26.242:11211/'
memcachedを使用。複数指定する場合、セミコロンで区切って指定する。パフォーマンス面で最も推奨される方式である。
DB db://my_cache_table DBを使用。先にテーブルを作成する必要がある。「my_cache_table」に作成したテーブル名を指定する。
File System file://c:/codezine/cache
(file;//キャッシュ保存先フォルダパス)
ローカルのファイルシステムを利用します。指定したフォルダの配下にキャッシュファイルが作成されます。
Local-memory 'locmem:/// プロセスごとのメモリ内でキャッシュします。プロセス間でキャッシュを共有できないので実用的ではありません。
Dummy CACHE_BACKEND = 'dummy:///' 開発時用の設定で、実際にはキャッシュしません。

ビュー単位のキャッシュ

 それでは早速、ビュー単位のキャッシュを使用してみましょう。商品ページは商品属性が変わらない限り、表示内容はあまり変化がありませんので、キャッシュを使用しDBにアクセスする頻度を下げることで、システム全体の負荷を下げることができます。まずは、settings.pyファイルにキャッシュの保存先の指定をします。リスト20に設定を示しました。この設定では「c:/codezine/cache」というフォルダが作成され、その下にキャッシュファイルが作成されます。

[リスト20]settings.py
CACHE_BACKEND = 'file://c:/codezine/cache'

 次に、キャッシュ対象のビュー関数item_page_displayにデコレータ記述を追加します。リスト21にソースを示します。デコレータに指定する単位は秒です。なお、キャッシュはURL単位でされますので、商品ごとにキャッシュがされます。例えば「http://hostname:8000/item/1」と「http://hostname:8000/item/2」では別々にキャッシュされます。

[リスト21]ビュー関数へのデコレータ定義
from django.views.decorators.cache import cache_page

@cache_page(60 * 15) # 単位は秒。15分キャッシュする。
def item_page_display(request,item_id):
    # ビュー関数の処理

まとめ

 Django チュートリアルとして前編・後編にまたがり、ECサイトを題材に商品ページの表示、商品データ登録用のバックエンド画面(管理インターフェイス)、商品検索フォーム、買い物かご機能、商品ページのキャッシュ機能と実装してきましたが、いかがだったでしょうか。これらの機能を簡潔な記述で、次々と実装できるのを実感されたことと思われます。

 また、DjangoはWebアプリケーションフレームワークで必要な機能をフルスタックで用意していますので、使うまでの手順も簡単に済むため取っ付きやすいというのも魅力の一つです。エンジニアはDjangoを使うとすぐにプログラミングにとりかかることができ、すぐにアイデアを動くものとして実現していくことができるので、ものをつくるモチベーションがさらに高まり、開発生産性もスパイラルに上がっていきます。本稿がこれからPythonやDjangoに取り組む人にとっての一助となれば幸いです。

参考資料

修正履歴

この記事は参考になりましたか?

連載通知を行うには会員登録(無料)が必要です。
既に会員の方はを行ってください。
Djangoチュートリアル連載記事一覧
この記事の著者

山田 祥寛(ヤマダ ヨシヒロ)

静岡県榛原町生まれ。一橋大学経済学部卒業後、NECにてシステム企画業務に携わるが、2003年4月に念願かなってフリーライターに転身。Microsoft MVP for Visual Studio and Development Technologies。執筆コミュニティ「WINGSプロジェクト」代表。主な著書に「独習シリーズ(Java・C#・Python・PHP・Ruby・JSP&サーブレットなど)」「速習シリーズ(ASP.NET Core・Vue.js・React・TypeScript・ECMAScript、Laravelなど)」「改訂3版JavaScript本格入門」「これからはじめるLaravel実践入門」「はじめてのAndroidアプリ開発 Kotlin編 」他、著書多数

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

WINGSプロジェクト 佐藤 治夫 (株式会社ビープラウド)(サトウ ハルオ)

WINGSプロジェクトについて>有限会社 WINGSプロジェクトが運営する、テクニカル執筆コミュニティ(代表 山田祥寛)。主にWeb開発分野の書籍/記事執筆、翻訳、講演等を幅広く手がける。 2026年時点での登録メンバは約50名で、現在も執筆メンバを募集中。興味のある方は、どしどし応募頂きたい。著書記事多数。 RSS X: @WingsPro_info(公式)、@WingsPro_info/wings(メンバーリスト) Facebook

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

CodeZine(コードジン)
https://codezine.jp/article/detail/4264 2009/09/16 17:58

イベント

CodeZine編集部では、現場で活躍するデベロッパーをスターにするためのカンファレンス「Developers Summit」や、エンジニアの生きざまをブーストするためのイベント「Developers Boost」など、さまざまなカンファレンスを企画・運営しています。

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー