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統合開発環境「PowerShell ISE」を使ってみよう

統合開発環境「PowerShell ISE」を使ってみよう

Windows PowerShell Integrated Scripting Environmentnt 簡易マニュアル


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スクリプトペインの使い方

 スクリプトペインでは、既存のPowerShellスクリプトファイルを開いたり、新規でスクリプトファイルを作成したりすることができます。

既存のスクリプトファイルを開いて編集する 

 既存のスクリプトファイルを開くには、PowerShell ISEのメニューバーから[ファイル]-[開く]をクリックするか、ツールバーからフォルダの形をした[開く]ボタンをクリックして、編集したいスクリプトファイルを選択します。

 スクリプトファイルを開くと、図3のようにスクリプトペインに表示されます。

図3 スクリプトファイルの選択

 図3をよく見てください。if文やコマンドレットが色分けされるとともに、左端には行番号が表示されていることが分かります。さらにスクリプトペイン内で選択された文字(図3の7行目)は、薄い青色でハイライト表示されるなど、コードが見やすいように設計されています。

新規スクリプトファイルの作成

 新規にスクリプトファイルを作成するには、メニューバーから[ファイル]-[新規作成]をクリックするか、ツールバーの左端にある[新規作成]ボタンをクリックします。スクリプトペイン内に新規タブが作成され、スクリプトを編集できる状態になります。

 スクリプトペインでは[Tab]キーによるコマンド入力の自動補完を行うことができます。何文字かコマンドを入力し、[Tab]キーを押して、目的の補完テキストを選択します。

スクリプトを実行する

 スクリプトペインでは、スクリプトペイン内に表示されているスクリプトを実行することができます。スクリプトを実行するには、[F5]キーを押す、メニューバーから[デバッグ]-[実行/続行]をクリックする、ツールバーから緑色の横向き三角ボタンをクリックするなどの方法があります。

 スクリプトを実行した結果は、スクリプトペインのすぐ下の実行ペインに表示されます(図4)。スクリプトの実行と編集を同じ画面内で行えるため、非常に開発効率がよくなっています。

図4 スクリプトをデバッグする

 スクリプトペインではスクリプトをデバッグすることが可能です。リスト1のスクリプトで、PowerShellのISEを体感してみましょう。

 リスト1は変数$aの値が偶数の場合には 2 + 3 を、奇数の場合には 4 + 6 を計算し答えを表示します。足し算はTashizanという関数を使用して計算を行います。

リスト1(Sample1.ps1)
01: $a = 6
02:
03: if ( $a % 2 -eq 0 )
04: {
05:     $Total = Tashizan 2 3
06: }
07: else
08: {
09:     $Total = Tashizan 4 6
10: }
11: Write-Host $Total
12: 
13: 
14: function Tashizan([int]$x, [int]$y)
15: {
16:     return $x + $y
17: }

 リスト1を入力したら、Sample1.ps1と名前をつけて保存します。保存されたスクリプトファイルでなければデバッグ機能を使用できませんので注意してください。

 まずはリスト1の5行目をクリックしてから[F9]キーを押します。こうすると、5行目にブレークポイントが設定され、背景がこげ茶色になります(図5)。ブレークポイントを解除するには、もう1度[F9]キーを押します。

図5 ブレークポイントの設定

 「ブレークポイント」とは、実行したプログラムを中断させるポイントのことをいいます。実行したプログラムは、ブレークポイントに到達すると一時中断状態になり、この時点で変数に代入されているデータを確認することができます。もしもプログラムを実行しても、ブレークポイントを設定した箇所で中断されなければ、その行は実行されなかったことが分かります。

 それでは[F5]キーを押して実行してみましょう。スクリプトを実行するとif文の条件が満たされ、ブレークポイントを設定した5行目で中断状態となります(図6)。背景が黄色になっている場所が、現在実行している行を表します。

図6 中断状態

 5行目の中断時点での変数を確認するには、コマンドペインに確認したい変数名を入力して[Enter]キーを押します。図7はコマンドペインに$aと入力し[Enter]キーを押した結果、実行ペインに「6」と表示された例です。

図7 中断時点での変数の確認

 スクリプトを再開するには、再度[F5]キーを押すか、[F10]キーを押してステップ実行します。「ステップ実行」とはスクリプトを1行ずつ確認しながら実行することをいいます。

 PowerShell コンソールでのコマンドベースのデバッグに比べ、PowerShell ISEではグラフィカルに容易にデバッグを行うことが可能です。

コマンドペインの使い方

 コマンドペインではPowerShellコンソール同様にコマンドを入力し、実行することができます。実行結果は、実行ペインに表示されます。

 PowerShell ISEのコマンドペインの特徴として、複数行のコマンドを1度に実行する機能があります。複数行のコマンドを入力するには、行終端で[Shift]+[Enter]を押します(図8)。すべてのコマンドの入力が完了したら、[Enter]キーを押して実行します。

図8 複数行のコマンド入力

まとめ

 これまでPowerShellには開発環境がありませんでしたが、PowerShell ISEの登場により開発しやすくなったと思います。今回の記事を読めば、一通りの操作が行えるようになるはずですですので、簡易マニュアルとして活用いただければ幸いです。

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この記事の著者

HIRO(ヒロ)

HIRO's.NETのHIROです。とある半導体工場のSEです。VB.NET, C#, PowerShellによるプログラミングを楽しんでいます。最近はBlog でPowerShellについて書いています。2008/07/07にPowerShell from Japan!!というサイトを立ち上げまし...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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