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ASP.NET MVCフレームワーク 正式版 入門

ASP.NET MVCの開発応用編1
~リポジトリパターンをマスターする~

ASP.NET MVCフレームワーク 正式版 入門(4)

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リポジトリパターンにおける単体テスト

 リポジトリパターンのメリットの一つに単体テストの容易さについても挙げました。これから実際にリポジトリパターンの単体テストの容易さ、また便利さについて触れていきます。

 リポジトリパターンの単体テスト構築は基本的にアプリケーション構築と同じ流れです。

  1. モックデータの準備(作成)
  2. リポジトリインターフェイスを実装したモッククラスの作成
  3. テストクラス(Controller)への適用

 順に解説してきます。

1.モックデータの準備(作成)

 ここからはテストプロジェクト(サンプルではRepositorySample.Tests)で開発を行います。

 最初にEDMにアクセスする代わりに利用するモックデータの作成を行います。

  1. ソリューション エクスプローラを展開し、Modelフォルダを新規作成し、そのフォルダ上で[新しい項目の追加]を選択。
  2. 選択後[新しい項目の追加]ダイアログが表示されるので、テンプレートとして「クラス」を選択し、名前を「FakePubsData.cs」と設定後[追加]ボタンをクリック

 作成するモックデータは、List型(複数レコード)、エンティティ型(1レコード)、FormCollection型(入力されたデータを取得)の計3つを作成します。

FakePubsDataクラスの一部
using System;
using System.Collections.Generic;
using System.Web.Mvc;
using RepositorySample.Models;

namespace RepositorySample.Tests.Model
{
    class FakePubsData
    {
        // テストデータリスト
        public static List<titles> CreateTestData()
        {
            List<titles> _titles = new List<titles>();

            for (int i = 0; i < 20; i++)
            {
                titles SampleTitles = new titles()
                {
                    title_id = i.ToString(),
                    advance = 1000,
                    title = "Sample Book" + i.ToString(),
                    royalty = 10,
                    price = 30,
                    pubdate = DateTime.Now.AddDays(i),
                    notes = i.ToString(),
                    type = "Fake",
                };

                _titles.Add(SampleTitles);
            }

            return _titles;
        }

        // 新規データ作成
        public static titles CreateTitles()
        {
            titles _titles = new titles();
            _titles.title_id = "TA1107";
            _titles.advance = 2000;
            _titles.title = "Tamaki's Photo Diary";
            _titles.royalty = 50;
            _titles.price = 100;
            _titles.pubdate = DateTime.Now;
            _titles.type = "Family";
            return _titles;
        }

        // FormCollectionデータ作成
        public static FormCollection CreateTitlesFormCollection()
        {
            var form = new FormCollection();

            form.Add("title_id", "TA1107");
            form.Add("title", "Tamaki's Photo Diary");
            form.Add("price", "100");
            form.Add("pubdate", DateTime.Now.ToString());
            form.Add("type", "Family");
            return form;
        }
    }
}

 List型の項目はforループで指定数分(サンプルは20個)作成しています。新規登録モックデータ、FormCollectionデータは適当な値を入力し作成しています。この部分はあくまでテスト用データなので分かりやすくシンプルな値を格納してください。

 テストデータの作成は以上です。

2.リポジトリインターフェイスを実装したモッククラスの作成

 続いてインターフェイスを実装したクラスの作成です。

  1. ソリューション エクスプローラを展開し、Modelフォルダ上で[新しい項目の追加]を選択。
  2. 選択後[新しい項目の追加]ダイアログが表示されるので、テンプレートとして「クラス」を選択し、名前を「PubsRepositoryTest.cs」と設定後[追加]ボタンをクリック

 このモッククラスはEDMではなくList型やエンティティ型の扱い方を記述します。

PubsRepositoryTestクラス
using System;
using System.Collections.Generic;
using System.Linq;
using RepositorySample.Models;

namespace RepositorySample.Tests.Model
{
    class PubsRepositoryTest : IPubsRepository
    {
        private List<titles> titlesList;

        public PubsRepositoryTest(List<titles> titles) {
            titlesList = titles;
        }

        // ①
        public IQueryable<titles> FindAllTitles()
        {
            return titlesList.AsQueryable();
        }

        // ②
        public titles GetDetailTitles(string id)
        {
            return titlesList.SingleOrDefault(t => t.title_id == id);
        }

        public void Add(titles _titles)
        {
            titlesList.Add(_titles);
        }

        public void Delete(titles _titles)
        {
            titlesList.Remove(_titles);
        }

        public void Save()
        {

        }
    }
}

 リポジトリモッククラスも扱う対象が変わっただけで、原則的な機能は変わりありません。数字の部分だけ解説します。

  1. FindAllTitles()モックメソッドは、List型をIQueryable型に変換するAsQueryableメソッドを使い、値を返しています。
  2. LINQを使い、idが一致するデータのみを取得しています。

 ここまででテスト前の下準備は完了です。ここからテストを行います。

次のページ
まとめ

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この記事の著者

山田 祥寛(ヤマダ ヨシヒロ)

静岡県榛原町生まれ。一橋大学経済学部卒業後、NECにてシステム企画業務に携わるが、2003年4月に念願かなってフリーライターに転身。Microsoft MVP for Visual Studio and Development Technologies。執筆コミュニティ「WINGSプロジェクト」代表。主な著書に「独習シリーズ(Java・C#・Python・PHP・Ruby・JSP&サーブレットなど)」「速習シリーズ(ASP.NET Core・Vue.js・React・TypeScript・ECMAScript、Laravelなど)」「改訂3版JavaScript本格入門」「これからはじめるReact実践入門」「はじめてのAndroidアプリ開発 Kotlin編 」他、著書多数

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

WINGSプロジェクト ナオキ(ナオキ)

WINGSプロジェクトについて>有限会社 WINGSプロジェクトが運営する、テクニカル執筆コミュニティ(代表 山田祥寛)。主にWeb開発分野の書籍/記事執筆、翻訳、講演等を幅広く手がける。2018年11月時点での登録メンバは55名で、現在も執筆メンバを募集中。興味のある方は、どしどし応募頂きたい。著書記事多数。 RSS X: @WingsPro_info(公式)、@WingsPro_info/wings(メンバーリスト) Facebook

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