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目的に応じて適材適所で使うPHPライブラリ

PHPUnitでできる単体テスト

目的に応じて適材適所で使うPHPライブラリ(10)

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テスト対象となるクラスの作成

 単体テストの対象となるクラスを作成します。連載第4回で使用した逆ジオコーディングメソッドを定義しています。

 緯度経度を渡し、Google Map逆ジオコーディングAPIを利用して住所情報を取得するメソッドgetGoogleMapAddressを定義します。コードについては連載第4回を参照してください。緯度経度を渡し、逆ジオコーディングで得られた住所情報を配列で返却するメソッドです。

 サンプル実行の際にはGoogle Mapsを利用するので、Google Maps APIのページよりMaps APIキーを取得後、config.php内にMaps APIキーの値を記述してください。

 それでは、このメソッドの単体テストを始めます。

単体テストひな型の作成

 PHPUnitでは単体テストを行うクラスからテスト用のクラスを作成するためのジェネレーターが用意されています。

 以下のように、phpunitコマンドのオプション「--skeleton-test」を使用してジェネレーターを起動します。

リスト6 Util.phpのテスト用クラスを作成
phpunit --skeleton-test Util

 上記コマンドの実行後、 UtilTest.phpの名前でテスト用のクラスのひな型が作成されます。

単体テスト実体クラス

 前項のコマンドで単体テスト用PHPのひな型が作成されました。

 そのコードは以下のようになっています。

リスト7 UtilTest.php(抜粋)
require_once 'PHPUnit/Framework.php';
require_once 'Util.php';

/**
 * Test class for Util.
 * Generated by PHPUnit on YYYY-MM-DD at HH:mm:ss.
 */
class UtilTest extends PHPUnit_Framework_TestCase
{
    /**
     * @var Util
     */
    protected $object;

    /**
     * Sets up the fixture, for example, opens a network connection.
     * This method is called before a test is executed.
     */
    protected function setUp()
    {
        $this->object = new Util;
    }

# 略

    /**
     * @todo Implement testGetGoogleMapAddress().
     */
    public function testGetGoogleMapAddress()
    {
        // Remove the following lines when you implement this test.
        $this->markTestIncomplete(
          'This test has not been implemented yet.'
        );
    }
# 略

 大まかな構造として、PHPUnitのテストケースとして動作するオブジェクトクラスPHPUnit_Framework_TestCaseの継承後に、setUp()メソッドでテストを行うクラスの初期化が行われ、単体テスト対象クラスのメソッドに「test」と名前の付いたテスト用のメソッドのコードが生成されます。

 テスト用クラス内で使用される主なメソッドは以下のとおりです。

使用される主なメソッド
メソッド名 概要
setUp() テスト開始時に実行される初期化メソッド
tearDown() テスト終了時に実行されるメソッド
testXXXX() テスト対象クラスのXXXXメソッドのテストメソッド

 自動生成されたコードを参照すると、setUp()メソッドでテスト対象となるUtilクラスの初期化が行われ、testGetGoogleMapAddress()メソッドでUtilクラスのgetGoogleMapAddressメソッドのテスト用のコードが生成されていることが分かります。

 phpunitコマンドのテストクラス自動生成機能を利用しない場合にも、上記と同様のクラスを作成することでPHPUnit_Framework_TestCaseを継承してテストを行うことができます。

 本項ではテストクラスのスケルトンを作成しただけなので、次項で具体的な単体テスト部分の記述を追加していきます。

次のページ
単体テストメソッドの記述

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この記事の著者

山田 祥寛(ヤマダ ヨシヒロ)

静岡県榛原町生まれ。一橋大学経済学部卒業後、NECにてシステム企画業務に携わるが、2003年4月に念願かなってフリーライターに転身。Microsoft MVP for Visual Studio and Development Technologies。執筆コミュニティ「WINGSプロジェクト」代表。主な著書に「独習シリーズ(Java・C#・Python・PHP・Ruby・JSP&サーブレットなど)」「速習シリーズ(ASP.NET Core・Vue.js・React・TypeScript・ECMAScript、Laravelなど)」「改訂3版JavaScript本格入門」「これからはじめるReact実践入門」「はじめてのAndroidアプリ開発 Kotlin編 」他、著書多数

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

WINGSプロジェクト 片渕 彼富(カタフチ カノトミ)

WINGSプロジェクトについて> 有限会社 WINGSプロジェクトが運営する、テクニカル執筆コミュニティ(代表 山田祥寛)。主にWeb開発分野の書籍/記事執筆、翻訳、講演等を幅広く手がける。2018年11月時点での登録メンバは55名で、現在も執筆メンバを募集中。興味のある方は、どしどし応募頂きたい。著書記事多数。 RSS Twitter: @yyamada(公式)、@yyamada/wings(メンバーリスト) Facebook

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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