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目的に応じて適材適所で使うPHPライブラリ

PHPUnitでできる単体テスト

目的に応じて適材適所で使うPHPライブラリ(10)

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テストの失敗

 前項で成功したテストが失敗だった場合の例です。

 以下のように住所を違ったものに書き換えてテストを実行してみます。

リスト10 UtilTest.php(抜粋)
// 浅草寺
$address = $this->object->getGoogleMapAddress('35.714731', '139.796756');
$this->assertEquals('東京都台東区浅草2丁目3-2', $address['pref'] . $address['city'] . $address['town'] . $address['detail']);

 前項と同じようにphpunitコマンドでテストを実行すると以下のように表示されます。

リスト11 テスト実行(エラー結果)
[root@localhost sample]# phpunit UtilTest.php 

F

There was 1 failure:

1) UtilTest::testGetGoogleMapAddress
Failed asserting that two strings are equal.
--- Expected
+++ Actual
@@ @@
-東京都台東区浅草2丁目3-2
+東京都台東区浅草2丁目3-1

UtilTest.php:49

FAILURES!
Tests: 1, Assertions: 3, Failures: 1.

 エラーの数だけでなく、エラーを起こしたメソッド名、エラーを起こした理由、テスト時に期待された値と実際の値の比較、エラーを起こした箇所まで表示されていることが分かります。

 PHPUnitを使うとこのようにエラーが起きた原因の詳細がすぐに分かります。

データプロバイダ

 前項までのコードの書き方では、メソッドと値をテストの数だけコードに書いていくことになり、テスト用のクラスが煩雑になりがちです。

 PHPUnitではテスト用のデータとメソッドを分けて記述できるデータプロバイダというアノテーションが用意されています。

 データプロバイダを使ってtestGetGoogleMapAddressメソッドを書きなおすと以下のようになります。

リスト12 UtilTest.php(抜粋)
public static function forTestGetGoogleMapAddress(){
    return array(  
        array('35.658611', '139.745556', '東京都港区芝公園4丁目2-8'),
        array('35.696233', '139.570431', '東京都三鷹市下連雀1丁目1-83'),
        array('35.714731', '139.796756', '東京都台東区浅草2丁目3-1'),
    );
}

/** 
* @dataProvider forTestGetGoogleMapAddress
*/  
public function testGetGoogleMapAddress($lat, $lon, $expected) { 
    $address = $this->object->getGoogleMapAddress($lat, $lon);
    $this->assertEquals($expected, $address['pref'] . $address['city'] . $address['town'] . $address['detail']);  
}

 データを受け取るメソッドの前に「@dataProvider データを渡すメソッド名」を記述することでデータのみ渡すメソッドからデータを受け取ることができます。

 データを渡すメソッドはstaticで定義して、データは配列で返却するように記述します。

 上記ではforTestGetGoogleMapAddressメソッドで定義したデータをtestGetGoogleMapAddressメソッドに渡してテストを実行します。

 渡すデータは緯度、経度、getGoogleMapAddressで得られると期待される住所 です。

 データプロバイダを利用すると、上記のように同じテストでまとめてコードを短く書くことができます。

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例外発生のテスト

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この記事の著者

山田 祥寛(ヤマダ ヨシヒロ)

静岡県榛原町生まれ。一橋大学経済学部卒業後、NECにてシステム企画業務に携わるが、2003年4月に念願かなってフリーライターに転身。Microsoft MVP for Visual Studio and Development Technologies。執筆コミュニティ「WINGSプロジェクト」代表。主な著書に「独習シリーズ(Java・C#・Python・PHP・Ruby・JSP&サーブレットなど)」「速習シリーズ(ASP.NET Core・Vue.js・React・TypeScript・ECMAScript、Laravelなど)」「改訂3版JavaScript本格入門」「これからはじめるReact実践入門」「はじめてのAndroidアプリ開発 Kotlin編 」他、著書多数

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

WINGSプロジェクト 片渕 彼富(カタフチ カノトミ)

WINGSプロジェクトについて> 有限会社 WINGSプロジェクトが運営する、テクニカル執筆コミュニティ(代表 山田祥寛)。主にWeb開発分野の書籍/記事執筆、翻訳、講演等を幅広く手がける。2018年11月時点での登録メンバは55名で、現在も執筆メンバを募集中。興味のある方は、どしどし応募頂きたい。著書記事多数。 RSS Twitter: @yyamada(公式)、@yyamada/wings(メンバーリスト) Facebook

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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