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Silverlight 4で作る新しいRIAアプリケーション

MVVMによるSilverlightアプリケーションの開発(その2)

Silverlight4で作る新しいRIAアプリケーション(7)

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 「MVVMパターンでアプリケーションを実装するのは面倒だ」という時、簡単に利用できるユーティリティーや簡単なツールキットの使用を検討してみてはどうでしょうか。今回は、Silverlight 4の開発で利用できるユーティリティーやツールキットを解説します。

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はじめに

 「MVVMパターンでアプリケーションを実装するのは面倒だ」

 そんな時、簡単に利用できるユーティリティや簡単なツールキットの使用を検討してみてはどうでしょうか。今回は、Silverlight 4の開発で利用できるユーティリティやツールキットを解説します。

RelayCommand

 ICommandインターフェイスの実装を行っていると、ExecuteメソッドやCanExecuteメソッド以外はほぼ同じような実装を行えば良いことに気づきます。MVVMを採用した多くのプロジェクトでは、ExecuteメソッドやCanExecuteメソッドをデリゲートで受け取るようにしたRelayCommandというユーティリティクラスを導入して、コマンド実装の手間や修正を簡素化しています。リスト1にRelayCommandのサンプルを示します。

リスト1 RelayCommandのサンプル(RelayCommand.cs)
public class RelayCommand<T> : ICommand
{
    private readonly Action<T> _execute;
    private readonly Func<bool> _canExecute;

    /// <summary>
    /// RelayCommandのコンストラクター<br />
    /// 引数にExecuteやCanExecuteの実体をデリゲートで受け取る
    /// </summary>
    public RelayCommand(Action<T> execute) : this(execute, null) { }
    public RelayCommand(Action<T> execute, Func<bool> canExecute)
    {
        if (execute == null) throw new ArgumentNullException("execute");
        _execute = execute;
        _canExecute = canExecute;
    }

    public event EventHandler CanExecuteChanged;
    public void RaiseCanExecuteChanged()
    {
        var handler = CanExecuteChanged;
        if (handler != null)
        {
            handler(this, EventArgs.Empty);
        }
    }

    // ExecuteメソッドやCanExecuteメソッドでは受け取ったExecuteやCanExecuteデリゲートを実行するだけ
    public void Execute(object parameter)
    {
        _execute((T)parameter);
    }

    public bool CanExecute(object parameter)
    {
        return _canExecute == null ? true : _canExecute();
    }
}

 ビューモデル側ではリスト2のように、RelayCommandを利用します。

リスト2 RelayCommandの利用(MainPageViewModel.cs)
private RelayCommand<MainPageViewModel> _検索Command;
/// <summary>
/// 検索コマンドを公開するプロパティです。
/// </summary>
public RelayCommand<MainPageViewModel> 検索Command { 
    get {   
        if (_検索Command == null)
            _検索Command = new RelayCommand<MainPageViewModel>(検索);
        return _検索Command;
    }
}

/// <summary>
/// 検索コマンドの本体です。
/// </summary>
public void 検索(MainPageViewModel item)
{
    var proxy = new 書籍管理ServiceProxy.書籍管理ServiceClient();
    proxy.Find書籍ByIdCompleted += (source, e) =>
    {
        if (e.Error != null)
            MessageBox.Show(e.Error.Message);

        Id = e.Result.Id;
        タイトル = e.Result.タイトル;
        登録日 = e.Result.登録日;
        ISBN = e.Result.ISBN;
        TimeStamp = e.Result.TimeStamp;
    };

    int id;
    if (! int.TryParse(item.SearchId, out id))
        return;
    proxy.Find書籍ByIdAsync(id);
}

 前回の連載のリスト3で示したコードのExecuteメソッドをビューモデル側の検索メソッドに移動し、RelayCommandをインスタンス化するタイミングでRelayCommandにデリゲートとして引き渡しています。

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この記事の著者

山田 祥寛(ヤマダ ヨシヒロ)

静岡県榛原町生まれ。一橋大学経済学部卒業後、NECにてシステム企画業務に携わるが、2003年4月に念願かなってフリーライターに転身。Microsoft MVP for Visual Studio and Development Technologies。執筆コミュニティ「WINGSプロジェクト」代表。主な著書に「独習シリーズ(Java・C#・Python・PHP・Ruby・JSP&サーブレットなど)」「速習シリーズ(ASP.NET Core・Vue.js・React・TypeScript・ECMAScript、Laravelなど)」「改訂3版JavaScript本格入門」「これからはじめるReact実践入門」「はじめてのAndroidアプリ開発 Kotlin編 」他、著書多数

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

WINGSプロジェクト かるあ (杉山 洋一)(カルア(スギヤマ ヨウイチ))

WINGSプロジェクトについて> 有限会社 WINGSプロジェクトが運営する、テクニカル執筆コミュニティ(代表 山田祥寛)。主にWeb開発分野の書籍/記事執筆、翻訳、講演等を幅広く手がける。2018年11月時点での登録メンバは55名で、現在も執筆メンバを募集中。興味のある方は、どしどし応募頂きたい。著書記事多数。 RSS Twitter: @yyamada(公式)、@yyamada/wings(メンバーリスト) Facebook

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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https://codezine.jp/article/detail/5746 2011/02/22 14:00

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