はじめに
Visual Studio LightSwitchは、ビジネスアプリケーションを素早く構築するためのマイクロソフトの新しい開発環境です。本稿では、ベータ版のLightSwitchを紹介し、実際にサンプルアプリケーションを作成してみます。
対象読者
- LightSwitchに関心がある方
- LightSwitchを使用したビジネスアプリケーションの開発に関心がある方
LightSwitchとは
LightSwitchは、マイクロソフトが2010年8月にベータ版を公開した新しい開発環境で、主にビジネスアプリケーションを素早く構築するのに適しています。
LightSwitchでは、マウス操作によるテーブル設計と画面設計により、プログラムコードを記述しなくてもビジネスアプリケーションを開発できます。そして、デスクトップ、Web、クラウド向けのアプリケーションとしてビルドすることが可能です(図1)。
LightSwitchの主な特長をまとめてみます。
- データ中心のビジネスアプリケーションを素早く構築できる
- ビルドしたアプリケーションは、デスクトップ(ブラウザー外実行Silverlightアプリケーション)、Web(Silverlightアプリケーション)、クラウド上で動作する
- マウス操作でのデータ設計と画面設計による開発スタイル
- 多くのデータソース(SQL Server、SQL Azure、Excel、SharePointなど)に対応し、異なるデーターソースを結合可能
- プログラムコード(C#またはVisual Basic)の追加により、ビジネスルールやカスタム検証機能の追加など、細かなカスタマイズが可能
- 5種類の画面テンプレートが用意されている
- Officeとの連携機能(データのExcelエクスポート、Wordによるレポート作成など)
- 認証機能(Windows認証またはフォーム認証)
このように、LightSwitchは既存の貴重なデータ資産を生かしつつ、業務で使用する新たなビジネスアプリケーションを素早く開発し、デスクトップやWeb、クラウドなど異なる環境に柔軟に展開する上で大変有用なツールとなり得ます。
LightSwitchのインストール
それでは、LightSwitchをインストールしてみましょう。LightSwitchは、Visual Studio 2010で動作します。本稿執筆時点では、LightSwitch Beta 1(英語版)が最新となっています。
LightSwitch Beta 1(英語版)のダウンロードページにアクセスし[Download]ボタンをクリックします(図2)。
ダウンロードしたvs_vslsweb.exeを実行します。ライセンス条件に同意し、表示されたセットアップ画面で[Install Now]ボタンをクリックします(図3)。
これで、LightSwitchのインストールは完了です。LightSwitchがインストールされると、LightSwitch用のプロジェクトテンプレートがVisual Studio 2010に追加されます。