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APIを使ってRTB広告を実装可能にする「AdStir RTB Exchange」(AD)

スマホ向けネット広告の分野でアツい注目を集める「RTB」-その理由と活用法

APIを使ってRTB広告を実装可能にする「AdStir RTB Exchange」(1)

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高度なRTBを手軽に実現できる「AdStir RTB Exchange」

 すでにスマートフォンRTB広告に対応したプラットフォーム事業者は存在したが、2012年8月、国内では初めてRTBの利用を容易に実現させるスマートフォン向けRTBエクスチェンジサービスがスタートした。モーションビートが提供する「AdStir RTB Exchange」である。

 AdStir RTB Exchangeでは、SSP(注3)事業者やアドネットワーク事業者、あるいはレップ事業者に対して、RTB配信、掲載可否、レポートといった、RTB広告の配信に必要なAPI群を提供する。各事業者は、これを利用することで、自社サービスの広告メニューとして、手軽にRTB広告の配信を行うことができるという。

 AdStir RTB Exchangeでは、複数のスマートフォンDSP(注4)事業者との接続がすでに完了しており、SSP事業者やアドネットワーク事業者は、RTB広告を行うにあたって、個別にDSPとの接続を行う必要がない。さらに、今後も接続先となるDSP事業者は9月、10月で4社ほど増える予定で、今後ほとんどのDSP事業者との接続を行う予定だ。さらに海外DSP事業者との接続も視野に入れているという。

 また、AdStir RTB Exchange機能の拡張として、学習型アルゴリズムエンジンと自然言語解析エンジンを用いたメディアカテゴライズ自動処理を支援するコンテキストマッチオプションも提供するとのことだ。これにより曖昧なメディアカテゴリ情報でなく精度の高いメディアカテゴリ情報をDSPに送ることで、ターゲティング精度が向上し高い入札単価を期待することも考えられる。

モーションビート株式会社
メディアプラットフォーム事業部 事業部長
植雄平氏
モーションビート株式会社 メディアプラットフォーム事業部 事業部長 植雄平氏

 モーションビート、メディアプラットフォーム事業部事業部長の植雄平氏は「自社でRTBに対応しようとすればRTBエンジンの開発コストとしても数千万円が必要になる、また個別のDSPとの接続が必要になるが、1つのDSPとの接続であっても、少なくとも数か月はかかる。DSPとの接続コスト自体も大きく膨らむことになると考える。Adstir RTB Exchangeでは、すでに複数のDSPとの接続が完了しており、APIを利用することでRTBエンジン開発コストも削減しつつ自社の広告メニューとして即座にRTBが導入できる」と話す。

 また、RTBの実現にあたっては、大量のリクエストを短時間に処理する「リアルタイム性」がカギとなるため、そのエンジンの開発にも高い技術が要求される。植氏は「RTB Exchangeのエンジンでは、高いリアルタイム性を確保するために、コードレベルで処理速度を高めるための実装を行っている。実際に接続しているDSPとSSPとの間で、リアルタイムのビッド処理に関して発生するズレは1%未満となっており、これはRTBエンジンの質が高いと考えてもらっていいと思う」と話す。さらに、取引の中で発生した大量のデータを分析に活用するためのバッチ処理や、インフラのスケーリングといった要素についても考慮されたエンジンになっているという。

 

 AdStir RTB Exchangeを利用することによる最大のメリットは、構築にあたって、技術や下準備の面でハードルが高いRTBを、今すぐに使い始められる点だ。また、同サービスにはAPIではなく、タグスクリプトを使って、さらに手軽に利用できる「簡易版」も用意されている。この簡易版を提供する意図について、植氏は「まずはRTBを試してみて、その収益性の高さを実感してみてほしい」と話す。

Adstir RTB Exchangeを使えば、すばやくRTB広告配信を始めることができる
Adstir RTB Exchangeを使えば、すばやくRTB広告配信を始めることができる

 「まず、タグによる簡易版でRTBを利用してもらうことができるが、本格的に自社サービスとして展開する場合にはAPIを利用したものへと発展させる形もある。API版ではネットワーク事業社やSSP事業者は自社のサービスに掲載可否機構やレポート情報も完全に組み込むことができる。メディアやアプリの広告配信をベースとしたマネタイズで収益を最大化するにあたっては、ぜひ活用してもらいたいサービスだ。フロアプライスの最適運用などを含めると更なる収益を各事業者は得ることができ、メディア事業者やアプリ事業者へ還元できると思う」(植氏)

 同社では、AdStir RTB Exchangeの提供にあたり、成約率や収益を高めるための活用法の提案も行っているという。今後、日本のスマートフォン広告においても主流となるであろうRTBについて、早い段階で検討と活用をはじめておくことは、この市場にかかわるプレイヤーにとって、将来的なアドバンテージになるのではないだろうか。

 次回は「AdStir RTB Exchange」を支える同社の技術力に迫ってみる予定だ。

注3:SSP

 Supply-Side Platformの略。オンライン広告を最適な形で配信するメディア(広告枠を提供する側)向けのツール。

注4:DSP

 Demand-Side Platformの略。オンライン広告を最適な形で出稿する広告主(広告枠を利用する側)向けのツール。

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この記事の著者

柴田 克己(シバタ カツミ)

フリーのライター・編集者。1995年に「PC WEEK日本版」の編集記者としてIT業界入り。以後、インターネット情報誌、ゲーム誌、ビジネス誌、ZDNet Japan、CNET Japanといったウェブメディアなどの製作に携わり、現在に至る。現在、プログラミングは趣味レベルでたしなむ。最近書いているの...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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