Windows Azureの通知ハブ
Windows Azureの通知ハブのGAリリースが発表できて非常にうれしく思っております。通知ハブにより、数百万ものWindows 8、Windows Phone 8、iOS、Androidなどのモバイルデバイスへ、瞬時にパーソナライズされたクロスプラットフォームの通知を、ブロードキャストでプッシュできます。
1月の通知ハブの初回プレビューから通知ハブのブログを開始しました。初回プレビュー以来、多くの新機能(Windows 8やiOSに加え、AndroidやWindows Phoneデバイスへの追加サポートも含み)を追加し、次期アプリが必要とするスケールに対応可能であることも検証済みです。
Windows Azure Mobile Services、またはすでに構築されているその他の独自のモバイルバックエンド(Azure以外でホストされているものを含む)の両方から通知ハブを使用できます。これにより、既存のどのアプリからも簡単に活用できるようになります。
通知ハブ:スケールに応じた個人的クロスプラットフォームの通知をブロードキャッストプッシュ
プッシュ型通知は、モバイルアプリケーションの重要なコンポーネントです。これは、モバイルアプリ開発者が利用できる最も強力な顧客エンゲージメントメカニズムです。あるモバイルユーザーにシングルのプッシュ型通知を送信することは比較的簡単です(現在のWindows Azure Mobile Servicesではすでに簡単にできるようになっています)。遅延が少ない方法で同時にプッシュ型通知を数百万のモバイルユーザに送信し、ローカライゼーション、複数のプラットフォームデバイス、ユーザのパーソナライゼーションなどの現実的な要件を処理することは非常に難しいことです。
Windows Azureの通知ハブは、クロスプラットフォームでパーソナライズされたプッシュ型通知メッセージを、数百万のユーザへ効率的にルーティングできる非常にスケーラブルなプッシュ型通知基盤を提供します。
クロスプラットフォーム
通知ハブを使用してシングルAPIを呼び出すと、アプリのバックエンドは、Windows Store、Windows Phone 8、iOS、Androidデバイス上で実行されているユーザにプッシュ型通知を送信できます。
高度にパーソナライズ化
通知ハブのビルトインテンプレート機能により、バックエンドコードのプラットフォームを依存させず、クリーンな状態を保った状態で、ユーザはお好みの通知の形状、形式、ロケールを選択できるようになります。
デバイストークン管理
通知ハブは、プラットフォーム通知サービス(WNS、MPNS、Apple PNS、Google Cloud Messaging Service)で使用されるチャネルURIおよびデバイストークンを、バックエンドが格納したり管理したりする必要性を緩和してくれます。PNSフィードバックやデバイストークンの有効期限などは安全に取り扱います。
効率的なタグベースのマルチキャストおよびPub/Subルーティング
通知ハブへの登録時に1つ以上のタグを指定することができるため、一連のトピック(好きなスポーツ/チーム、位置情報、株式銘柄、論理ユーザIDなど)に対してユーザは興味を示すことができます。これらのタグは、事前準備する必要はなく、ユーザ独自の通知ルーティング基盤を実装しなくても、アプリがシングルAPIコールで数百万ものユーザ/デバイスへ目的の通知を送信する非常に簡単な方法を提供します。
極度のスケール
通知ハブは、少ない遅延で数千数百万ものデバイスにプッシュ型通知をブロードキャストできるよう最適化されています。サーバのバックエンドは、通知ハブにに1つのメッセージを起動すると、アプリケーションを再構築したり共有することなく、数千/数百万ものプッシュ型通知を自動的にユーザに送信することができます。
バックエンドからの利用
通知ハブは、.NETおよびNode.js SDK、または使用しやすいREST APIを使用して、任意のバックエンドサーバーアプリに統合できます。これは、Windows Azure Mobile Servicesで構築されたアプリケーションとシームレスに動作します。また、IaaSの仮想マシン(WindowsまたはLinux)、クラウドサービス、Webサイト内でホストされているサーバアプリも使用することができます。
Bing News:数百万ものデバイスに最新ニュースを配信するためにWindows Azure通知ハブを使用
いくつかの大きなアプリは、今回のGAリリース以前からWindows Azureの通知ハブを使い始めていました。そのうちの一つが、すべてのWindows 8とWindows Phone 8デバイスに含まれているBing Newsアプリです。
Bing Newsアプリは、瞬時に最新ニュースをユーザに通知できる機能を必要としています。これはいくつかの点において難しい作業となりえます。
極度のスケール
すべてのWindows 8のユーザは、あらかじめインストールされたニュースアプリを持っており、Bingのバックエンドは毎月それらに数億もの最新ニュースを配信する必要があります。
トピックベースのマルチキャスト
各ユーザの興味に基づいたさまざまな市場にプッシュ型通知をブロードキャストするには、効率的なPub/Subルーティングおよびトピックベースのマルチキャストロジックが必要です。
クロスプラットフォーム配信
通知フォーマットや文法は、モバイルプラットフォーム間で異なり、その中を行き来するチャネル/トークンをすべて追跡することは複雑になりがちです。
Windows Azureの通知ハブがBing Newsに最適であることが判明し、Bing Newsアプリの最新アップデートで、通知ハブを使用して、数百万ものWindowsおよびWindows Phoneデバイスユーザへプッシュ型通知を毎日配信しています。
クライアント上のBing Newsアプリは、Windows 8およびそれぞれのWindowsバージョンに対して、Windowsの通知サービス(WNS)およびMicrosoftプッシュ通知サービス(MPNS)から適切なChannelURIを取得し、Windows Azureの通知ハブでそれらを登録します。特定の市場に対する最新ニュースアラートを配信する必要がある場合、Bing Newsアプリは通知ハブを使用して、個々のデバイスに適切なメッセージを瞬時にブロードキャストします。通知ハブへのシングルRESTコールで、自動的に特定のトピックエリア(例えばスポーツ更新など)に興味があるユーザを絞り込み、瞬時に数百万ものユーザへメッセージを配信します。
Windows Azureは、関連の複雑なPub/Subフィルタリングロジックをすべて処理し、効率的に遅延の少ない方法でメッセージの配信処理を行います。