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実例で学ぶASP.NET 4.5 Webフォーム 新機能活用法

ASP.NET 4.5の「Scaffolding(スキャフォールディング)」機能を試す(後編)

実例で学ぶASP.NET 4.5 Webフォーム 新機能活用法 第7回

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生成されたコード

 次に、実際に動作しているアプリケーションのコードを見ていきましょう。

画面の動作

 まず、全体的な画面の動作は、ASP.NET Dynamic Dataおよびモデルバインドとモデル検証で行われています(リスト1)。

リスト1 生成された登録画面(Views\Location\Insert.aspx)
<%@ Page Title="LocationInsert" Language="C#" MasterPageFile="~/Site.Master"
  CodeBehind="Insert.aspx.cs" Inherits="MRRS_Scaffolding.LocationActions.Insert" %>

<asp:Content runat="server" ID="Content1" ContentPlaceHolderID="HeadContent">
</asp:Content>

<asp:Content runat="server" ID="Content2" ContentPlaceHolderID="MainContent">
  <div>
    <h2>Insert Location</h2>
    <asp:ValidationSummary runat="server" CssClass="validation-summary-errors" />
    <asp:FormView runat="server"
      ItemType="MRRS_Scaffolding.Models.Location" DefaultMode="Insert"
      InsertItemPosition="FirstItem" InsertMethod="InsertItem"
      OnItemCommand="ItemCommand" RenderOuterTable="false">
      <InsertItemTemplate>
        <fieldset>
          <ol>
            <asp:DynamicEntity runat="server" Mode="Insert" />
          </ol>
          <asp:Button runat="server" ID="InsertButton"
            CommandName="Insert" Text="Insert" />
          <asp:Button runat="server" ID="CancelButton"
            CommandName="Cancel" Text="Cancel" CausesValidation="false" />
        </fieldset>
      </InsertItemTemplate>
    </asp:FormView>
  </div>
</asp:Content>

 具体的には「DynamicEntity」コントロールによって、実行時にLocationクラスから表示、入力用のコントロール群が生成されています。従って、DynamicData\EntityTemplateフォルダーの各種テンプレートファイルを編集することで、その表示をカスタマイズできます(図3)。そのやり方については後述します。

図3:ASP.NET Dynamic Dataのテンプレートファイル
図3:ASP.NET Dynamic Dataのテンプレートファイル

ナビゲーション

 Scaffoldingで生成されたリスト画面で選択したデータは、どのようにして編集画面などに渡されているのでしょうか? それを調べるために、まずはリスト画面を見てみましょう(リスト2)。

リスト2 生成されたリスト画面(Views\Location\Default.aspx)より抜粋
<asp:HyperLink runat="server"
  NavigateUrl='<%# FriendlyUrl.Href("~/Views/Location/Edit", Item.Id) %>'
  Text="edit" />

 NavigateUrlプロパティに設定されたデータバインド式に「FriendlyUrl」という見慣れない型があります。これは「ASP.NET Friendly URLs」という新たなライブラリの型です。

 「ASP.NET Friendly URLs」は、WebフォームアプリケーションのURLルーティングをサポートしてくれるライブラリです。従来は表1のようなURLルーティングをWebフォームアプリケーションで行おうとすると、Global.asaxファイル内などにRoutes.MapPageRouteメソッドを使って大量の設定を記述する必要がありました。しかも、URLルーティングが必要な画面全部について行わなければいけないため、メンテナンスも大変でした。

表1:CRUDに対応した基本的なURLルーティング
操作 ルーティング元URL ルーティング先URL
参照 ~/Views/Location/Default Views/Location/Default.aspx
追加 ~/Views/Location/Insert Views/Location/Insert.aspx
編集 ~/Views/Location/Edit/{id} Views/Locations_Edit.aspx?id={id}
削除 ~/Views/Location/Delete/{id} Views/Location_Delete.aspx?id={id}

 Friendly URLsは「セグメント」という考えを使って、その設定をサポートしてくれます。

 例を見てみましょう。リスト2で使用しているFriendlyUrl.Hrefメソッドは、第一引数で指定したURLに第二引数以降(可変長引数)を"/"で区切って連結してURLを作成してくれます。リスト2の例では、Item.Idが1だとすると、"~/Views/Location/Edit/1"というURLが生成されます。

 このURLがどのように解釈されるかというと、URLの末尾から順に"/"で区切られた階層を上りつつ、対応するaspxファイルを探します。見つかったところで、それより下の階層の"/"で区切られた値を末尾から順に「Segment(セグメント)」に追加します。"~/Views/Location/Edit/1"の例では、"~/Views/Location/Edit"のところで対応するaspxファイルが見つかり、"1"がセグメントに追加されます。

 こうして設定されたセグメントの値は、遷移先の編集画面で簡単に取り出すことができます(リスト3)。

リスト3 生成された編集画面のコードビハインド(Views\Location\Edit.aspx.cs)
// This is the Select methd to selects a single Location item with the id
// USAGE: <asp:FormView SelectMethod="GetItem">
public MRRS_Scaffolding.Models.Location GetItem([FriendlyUrlSegmentsAttribute(0)]int? Id)
{
  if (Id == null)
  {
    return null;
  }

  using (var context = new MRRSContext())
  {
    return context.Location.Find(Id);
  }
}

 編集画面では、モデルバインドによりSelect処理としてGetItemメソッドを呼ぶようになっています。そのGetItemメソッドの引数には、モデルバインド用の属性として「FriendlyUrlSegmentAttribute(0)」が指定されています。これは前述のセグメントの最初の値のうち、最初のものをid引数にバインドするという指定です。従って、"~/Views/Location/Edit/1"というURLを元に編集画面に遷移してきた場合、1がid引数に渡されます。前述のとおり、セグメントは末尾から設定されるため、例えば"~/Views/Location/Edit/1/2/3"というURLで遷移してきた場合、セグメントの値は["3", "2", "1"]のように設定されることになるので、注意が必要です。

 以上の動作を図4にまとめます。

図4:Friendly URLsの動作イメージ
図4:Friendly URLsの動作イメージ

 なお、Friendly URLsについては、以下のblogエントリで詳しく紹介されています。blogエントリ内で参照されている別エントリも併せて参照すると、このライブラリの意義が分かりやすいと思います。

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生成コードのカスタマイズ

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この記事の著者

山田 祥寛(ヤマダ ヨシヒロ)

静岡県榛原町生まれ。一橋大学経済学部卒業後、NECにてシステム企画業務に携わるが、2003年4月に念願かなってフリーライターに転身。Microsoft MVP for Visual Studio and Development Technologies。執筆コミュニティ「WINGSプロジェクト」代表。主な著書に「独習シリーズ(Java・C#・Python・PHP・Ruby・JSP&サーブレットなど)」「速習シリーズ(ASP.NET Core・Vue.js・React・TypeScript・ECMAScript、Laravelなど)」「改訂3版JavaScript本格入門」「これからはじめるReact実践入門」「はじめてのAndroidアプリ開発 Kotlin編 」他、著書多数

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

WINGSプロジェクト 高野 将(タカノ ショウ)

<個人紹介>新潟県長岡市在住の在宅リモートワークプログラマー。家事や育児、仕事の合間に長岡IT開発者勉強会(NDS)、Niigata.NET、TDDBCなどのコミュニティに関わったり、Web記事や書籍などの執筆を行ったりしている。著書に『アプリを作ろう! Visual C#入門 Visual C# 2017対応』(日経BP社、2017)など。<WINGSプロジェクトについて>有限会社 WINGSプロジェクトが運営する、テクニカル執筆コミュニティ(代表 山田祥寛)。主にWeb開発分野の書籍/記事執筆、翻訳、講演等を幅広く手がける。2018年11月時点での登録メンバは55名で、現在も執筆メンバを募集中。興味のある方は、どしどし応募頂きたい。著書記事多数。 RSS Twitter: @yyamada(公式)、@yyamada/wings(メンバーリスト) Facebook

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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