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ComponentZine(ComponentOne)

独自のドロップダウンメニューを持った.NETアプリケーションの作成

ComponentOne Studioを活用したWindowsフォームアプリケーションの作成

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C1DropDownControlコンポーネントの概要

 C1DropDownControlコントロールは、強力なカスタムドロップダウン機能を備えています。この機能を使用して、標準のドロップダウンカレンダーやドロップダウン電卓以外に、独自に作成したドロップダウンフォームを表示させることができます。

 ドロップダウンフォームは、プロジェクト内のフォームとしてビジュアルに作成できます。

カスタムドロップダウンコントロールの作成手順

 カスタムドロップダウンコントロールを作成するには、C1DropDownControlコントロールを使用します。このコントロールクラスは「C1TextBox」から派生され、カスタムドロップダウン機能およびアップ/ダウンボタンを持っています。

 カスタムドロップダウンコントロールは、次の手順で作成します。

 (1)クラス「C1.Win.C1Input.DropDownForm」から派生されたフォームをプロジェクトに追加します。このフォームにドロップダウン時の処理を実行するコントロールを配置します。

 (2)DropDownFormから派生されたフォームで、必要に応じてC1DropDownControlコントロールのValueプロパティを設定する処理を、PostChangesイベントハンドラに作成します。

 C1DropDownControlコントロールは、入力された値をValueプロパティに格納します。ドロップダウンフォームで入力された値をC1DropDownControlコントロールに渡すには、ドロップダウンフォームのPostChangesイベントを利用します。

 (3)アプリケーションのベースとなるWindowsフォームにC1DropDownControlコントロールを配置し、「DropDownFormClassName」プロパティにドロップダウンウィンドウとなるフォームのクラス名を選択します。

カスタムドロップダウンコントロールの作成(1)

 では、さっそくカスタムドロップダウンコントロールを作成してみましょう。今回は、出身地と年齢をラジオボタンで選択できるドロップダウンフォームを表示するようにします。

出身地と年齢をラジオボタンで選択できるドロップダウンフォームを表示する
出身地と年齢をラジオボタンで選択できるドロップダウンフォームを表示する

出身地をラジオボタンで選択できるドロップダウンコントロールの作成

 最初に、出身地をラジオボタンで選択できるドロップダウンコントロールを作成します。

 (1)Windowsフォームアプリケーション用プロジェクトを用意します。

 (2)フォームにC1DropDownControlコントロールを配置します。

フォームにC1DropDownControlコントロールを配置
フォームにC1DropDownControlコントロールを配置

 (3)プロジェクトにもう一つWindowsフォームを追加し、フォームの名前を「DropDown」にします。

「追加-新しい項目」から
「追加-新しい項目」から
Windowsフォームを追加し名前を「DropDown」にする
Windowsフォームを追加し名前を「DropDown」にする

 (4)VBでは、ソリューションエクスプローラで今追加したフォームのDropDown.Designer.vbを開きます。そして、「Inherits」のコードを書き換えます。

修正前
Partial Class DropDown
    Inherits System.Windows.Forms.Form
修正後
Partial Class DropDown
    Inherits C1.Win.C1Input.DropDownForm
VBの場合はDropDown.Designer.vbを開く
VBの場合はDropDown.Designer.vbを開く

 (5)C#では、「DropDown.cs」を開き、クラス定義のコードを書き換えます。

修正前
namespace CustDropDown_Winform_cs
{
    public partial class DropDown : Form
修正後
namespace CustDropDown_Winform_cs
{
    public partial class DropDown : C1.Win.C1Input.DropDownForm
C#では「DropDown.cs」を開く
C#では「DropDown.cs」を開く

 (6)これで、追加したフォーム「DropDown」は、継承元がWindowsFormではなく、C1.Win.C1Input.DropDownFormから継承したドロップダウンフォームになります。

 フォームデザイナに戻ると、フォームが枠線のない形状になっています。

ドロップダウンフォームになっている
ドロップダウンフォームになっている

 (7)このフォームにRadioButtonコントロールとButtonコントロールを配置します。

 RadioButtonコントロールには都道府県名を、ButtonコントロールはOKとキャンセルを設定します。また、ButtonコントロールのDialogResultプロパティを、OKボタンは「OK」に、キャンセルボタンは「Cancel」に設定します。

RadioButton、Buttonコントロールを配置
RadioButton、Buttonコントロールを配置

 (8)DropDownフォームを選択し、次のプロパティを設定します。

プロパティ 設定値
AcceptButton Button1
CancelButton Button2

 (9)Optionsプロパティをクリックして展開し、AutoResizeプロパティをTrueにします。これで、ドロップダウンフォームの幅がC1DropDownControlコントロールの幅に合わせられます。

Optionsプロパティを展開しAutoResizeプロパティをTrueに設定
Optionsプロパティを展開しAutoResizeプロパティをTrueに設定

 (10)DropDownフォームのPostChangesイベントハンドラを作成し、次のコードを入力します。

 このコードは、フォーム上のRadioButtonコントロールを順番に走査し、CheckedプロパティがTrueになっているRadioButtonコントロールの文字列を、C1DropDownControlコントロールのValueプロパティに設定します。

Visual Basic
Private Sub DropDown_PostChanges(sender As System.Object, e As System.EventArgs) Handles MyBase.PostChanges
    If (MyBase.DialogResult = DialogResult.OK) Then
        Dim control1 As Control
        For Each control1 In MyBase.Controls
            If (TypeOf control1 Is RadioButton AndAlso CType(control1, RadioButton).Checked) Then
                MyBase.OwnerControl.Value = CType(control1, RadioButton).Text
            End If
        Next
    End If
    End Sub
C#
private void DropDown_PostChanges(object sender, EventArgs e)
{
    if (DialogResult == DialogResult.OK)
    {
        foreach (Control control1 in Controls)
        {
            if (control1 as RadioButton != null && ((RadioButton)control1).Checked)
            {
                OwnerControl.Value = ((RadioButton)control1).Text;
            }
        }
    }
}

 (11)フォーム「Form1」のデザイナに移動し、C1DropDownControlコントロールのDropDownFormClassNameプロパティに、ドロップダウンフォームのクラス名を設定します。

 これで、C1DropDownControlコントロールとドロップダウンフォームが連結されます。

DropDownFormClassNameプロパティに、ドロップダウンフォームのクラス名を設定
DropDownFormClassNameプロパティに、ドロップダウンフォームのクラス名を設定

 ここで、アプリケーションを一度実行し、ドロップダウンフォームが表示されることを確認します。また、ラジオボタンをクリックし、OKボタンをクリックするとその値がC1DropDownControlコントロールに表示されることを確認します。

アプリケーションの実行画面
アプリケーションの実行画面

 (12)次に、C1DropDownControlコントロールのアップダウンボタンは使用しないので、これを非表示にします。

 フォームデザイナでForm1のC1DropDownControlコントロールを選択し、プロパティウィンドウのVisibleButtonsプロパティを展開します。そして、「UpDown」プロパティをFalseにします。

「UpDown」プロパティをFalseにする
「UpDown」プロパティをFalseにする

 以上で、最初のカスタムドロップダウンコントロールが出来上がりです。

次のページ
カスタムドロップダウンコントロールの作成(2)

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この記事の著者

瀬戸 遥(セト ハルカ)

8ビットコンピュータの時代からBASICを使い、C言語を独習で学びWindows 3.1のフリーソフトを作成、NiftyServeのフォーラムなどで配布。Excel VBAとVisual Basic関連の解説書を中心に現在まで40冊以上の書籍を出版。近著に、「ExcelユーザーのためのAccess再...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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https://codezine.jp/article/detail/8216 2014/10/24 14:00

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