既定の「メール」アプリでは無くOWAアプリを使うべき2つの理由
Word/Excel/PowerPointはアプリが出ていますが、メールのやり取りだけであればiOS/Androidで提供されている「メール」アプリで設定すればいいんじゃない? と感じる方も多いと思います。しかし、「メール」アプリでは、下記の2つの要件を満たすことができません。
- 会議室予約や他の人の予定表を確認したい
- 端末紛失時のリモートワイプの範囲を最小限にしたい
それぞれ理由を解説します。
会議室予約や他の人の予定表を確認したい
OWAはExchange Onlineの機能を活用できるOutlookのモバイルアプリです。第1回で解説したように、Outlookはメールのやり取りの他にスケジュール管理や施設/設備予約という機能が利用できます。逆に言うと施設/設備予約をExchange Online上で実現している場合、「メール」アプリからでは予約ができません。OWAを使うか、ブラウザからOffice 365にログインして施設/設備予約を行います。都度これらの作業を実施するという社内ルールであるならば仕方ありませんが、それであれば最初からOWAを利用するというルールにし、運用する方が、遥かに作業効率を高めることができるでしょう。
端末紛失時のリモートワイプの範囲を最小限にしたい
リモートワイプとはデータ削除機能です。PCよりも小型で、紛失する可能性が高くなるスマートデバイスにおいて、クリティカルなデータとなり得るメールデータの削除機能です。
Office 365のExchange Onlineでは、Exchange Onlineのメールボックスと接続しているデバイスを、個人毎のオプション管理画面にて管理しており、そちらからリモートワイプができます。
会社貸与のスマホ、個人のスマホでExchange Onlineに繋いでいたけれど、飲み会の帰りに端末を無くしてしまった!
というようなゾッとする様な重大なインシデントが発生しても、被害を最小限に食い止めることが出来るのがリモートワイプです。
ISMSを取得している企業の場合、紛失した端末にどんなデータが入っていたなどを詳細に報告する必要がありますが、リモートワイプを使えば「Exchange Online上のデータを保存していましたが、リモートワイプを実行し成功したので、紛失した端末が届出されていなくても、データは閲覧されることはありません」と言えます(実際はもう少しいろいろありますが)。
Office 365のリモートワイプは成功したかどうかもチェックできるので、覚えておいて損はしません。
iOS/Androidの「メール」アプリについてもリモートワイプはできますが、その場合、端末の状態を「工場出荷状態」に戻してしまうので、範囲が端末全体に及びます。
OWAを利用してメールをやり取りしている場合、OWAというアプリのみリモートワイプすることが出来るので「紛失したと思ったけれど、実は鞄の奥底や机の引き出しに入っていた」という場合に、被害を最小限にとどめることが出来ます。被害と言ってもOWAを再設定するとデータは再取得できるので、設定の手間がかかるだけで済みます。
「メール」機能で十分快適ににやり取りはできますが、Office 365を使用している場合はOWAを使う方がよりセキュアに高機能に利用できるでしょう。
リモートワイプを実行する
今回は、iOSに提供されているOWAを使用してリモートワイプを試します。
図11は、OWAアプリでデータが同期されている状態です。
それでは実際にリモートワイプを行います。
ブラウザ上からOutlook Web AccessにアクセスしてOWAのデータをリモートワイプする
まず、Outlook Web Accessにアクセスします。
アクセスした後、右上の歯車アイコンをクリックし、ポップアップされるメニューからオプションを選びます(図12)。
オプション画面の左ペインから[全般]-[モバイルデバイス]を選択するとExchange Onlineのメールボックスと同期しているモバイルデバイスが一覧表示されます(図13)。
赤枠で囲んでいるアイコンをクリックするとデバイスをワイプするかどうかのダイアログが表示されます(図14)。
「はい」をクリックするとサーバーからリモートワイプの通知が飛びます。次回OWAが起動された際にリモートワイプが実行されます(図15)。
リモートワイプが実行され、成功したタイミングでメールが届くのでユーザーも安心できます。
それでは、OWAは実際どうなっているのか見てみましょう。
リモートワイプの通知を受けたOWAの挙動
リモートワイプ通知を受けたOWAを起動すると図16~18の様な画面が表示されます。
閉じた後、サインインすると電子メールアドレスとパスワードを入力する初期画面に戻りますので、再度サインインするとExchange Onlineと同期を取り通常通り使用できるようになります。
リモートワイプは無縁な方が絶対に良い機能ですが、万が一発生した時に0から調べると相当慌ててしまうので、事前にどういうものかを管理者の方は押さえて、可能なら手順書まで作っておくと有事の際に準備が良いと評価されるでしょう。
まとめ
今回はOffice 365 ProPlusとOffice 365で利用できるスマートデバイスアプリについてご紹介しました。せっかく便利なソリューションとして提供されているOffice 365ですので、社内ルールでガチガチに縛るのではなく管理者ができることを理解し、最大限の効果を出しつつセキュアに利用できるようにルールを決めて展開してみてください。
本連載はひとまず終了です。Office 365は日々進歩しているため管理者並びにユーザーは都度勉強する必要がありますが、それは大抵の場合より便利になるために必要な物だと理解して取り組むと、より楽しく効果的に進められるでしょう。
本連載が業務多忙な管理者の方にとって少しでも改善する役に立てば幸いです。





