SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

DeveloperZine(デベロッパージン)- エンジニアの意思決定を支える技術情報メディア ProductZine

CodeZine編集部では、現場で活躍するデベロッパーをスターにするためのカンファレンス「Developers Summit」や、エンジニアの生きざまをブーストするためのイベント「Developers Boost」など、さまざまなカンファレンスを企画・運営しています。

Office 365導入セットアップ入門

Office 365をより便利に使うために知っておきたいクライアントアプリ ~スマートデバイス向けOfficeアプリやOWAアプリ

Office 365導入セットアップ入門 第5回


既定の「メール」アプリでは無くOWAアプリを使うべき2つの理由

 Word/Excel/PowerPointはアプリが出ていますが、メールのやり取りだけであればiOS/Androidで提供されている「メール」アプリで設定すればいいんじゃない? と感じる方も多いと思います。しかし、「メール」アプリでは、下記の2つの要件を満たすことができません。

  • 会議室予約や他の人の予定表を確認したい
  • 端末紛失時のリモートワイプの範囲を最小限にしたい

 それぞれ理由を解説します。

会議室予約や他の人の予定表を確認したい

 OWAはExchange Onlineの機能を活用できるOutlookのモバイルアプリです。第1回で解説したように、Outlookはメールのやり取りの他にスケジュール管理や施設/設備予約という機能が利用できます。逆に言うと施設/設備予約をExchange Online上で実現している場合、「メール」アプリからでは予約ができません。OWAを使うか、ブラウザからOffice 365にログインして施設/設備予約を行います。都度これらの作業を実施するという社内ルールであるならば仕方ありませんが、それであれば最初からOWAを利用するというルールにし、運用する方が、遥かに作業効率を高めることができるでしょう。

端末紛失時のリモートワイプの範囲を最小限にしたい

 リモートワイプとはデータ削除機能です。PCよりも小型で、紛失する可能性が高くなるスマートデバイスにおいて、クリティカルなデータとなり得るメールデータの削除機能です。

 Office 365のExchange Onlineでは、Exchange Onlineのメールボックスと接続しているデバイスを、個人毎のオプション管理画面にて管理しており、そちらからリモートワイプができます。

 会社貸与のスマホ、個人のスマホでExchange Onlineに繋いでいたけれど、飲み会の帰りに端末を無くしてしまった!

というようなゾッとする様な重大なインシデントが発生しても、被害を最小限に食い止めることが出来るのがリモートワイプです。

 ISMSを取得している企業の場合、紛失した端末にどんなデータが入っていたなどを詳細に報告する必要がありますが、リモートワイプを使えば「Exchange Online上のデータを保存していましたが、リモートワイプを実行し成功したので、紛失した端末が届出されていなくても、データは閲覧されることはありません」と言えます(実際はもう少しいろいろありますが)。

 Office 365のリモートワイプは成功したかどうかもチェックできるので、覚えておいて損はしません。

 iOS/Androidの「メール」アプリについてもリモートワイプはできますが、その場合、端末の状態を「工場出荷状態」に戻してしまうので、範囲が端末全体に及びます。

 OWAを利用してメールをやり取りしている場合、OWAというアプリのみリモートワイプすることが出来るので「紛失したと思ったけれど、実は鞄の奥底や机の引き出しに入っていた」という場合に、被害を最小限にとどめることが出来ます。被害と言ってもOWAを再設定するとデータは再取得できるので、設定の手間がかかるだけで済みます。

 「メール」機能で十分快適ににやり取りはできますが、Office 365を使用している場合はOWAを使う方がよりセキュアに高機能に利用できるでしょう。

リモートワイプを実行する

 今回は、iOSに提供されているOWAを使用してリモートワイプを試します。

 図11は、OWAアプリでデータが同期されている状態です。

図11 Exchange Onlineと同期がとれているOWA
図11 Exchange Onlineと同期がとれているOWA

 それでは実際にリモートワイプを行います。

ブラウザ上からOutlook Web AccessにアクセスしてOWAのデータをリモートワイプする

 まず、Outlook Web Accessにアクセスします。

 アクセスした後、右上の歯車アイコンをクリックし、ポップアップされるメニューからオプションを選びます(図12)。

図12 Outlook Web Access上のオプション選択
図12 Outlook Web Access上のオプション選択

 オプション画面の左ペインから[全般]-[モバイルデバイス]を選択するとExchange Onlineのメールボックスと同期しているモバイルデバイスが一覧表示されます(図13)。

図13 Outlook Web Access上のモバイルデバイス画面
図13 Outlook Web Access上のモバイルデバイス画面

 赤枠で囲んでいるアイコンをクリックするとデバイスをワイプするかどうかのダイアログが表示されます(図14)。

図14 Outlook Web Accessからモバイルデバイスをワイプする
図14 Outlook Web Accessからモバイルデバイスをワイプする

 「はい」をクリックするとサーバーからリモートワイプの通知が飛びます。次回OWAが起動された際にリモートワイプが実行されます(図15)。

図15 リモートデバイスワイプ成功の通知メール
図15 リモートデバイスワイプ成功の通知メール

 リモートワイプが実行され、成功したタイミングでメールが届くのでユーザーも安心できます。

 それでは、OWAは実際どうなっているのか見てみましょう。

リモートワイプの通知を受けたOWAの挙動

 リモートワイプ通知を受けたOWAを起動すると図16~18の様な画面が表示されます。

 

図16 リモートデバイスワイプの通知を受けたOWA
図16 リモートデバイスワイプの通知を受けた
図17 リモートデバイスワイプの通知を受けたOWA
図17 リモートデバイスワイプの通知を受けた
図18 リモートデバイスワイプの通知を受けたOWA
図18 リモートデバイスワイプの通知を受けた

 閉じた後、サインインすると電子メールアドレスとパスワードを入力する初期画面に戻りますので、再度サインインするとExchange Onlineと同期を取り通常通り使用できるようになります。

 リモートワイプは無縁な方が絶対に良い機能ですが、万が一発生した時に0から調べると相当慌ててしまうので、事前にどういうものかを管理者の方は押さえて、可能なら手順書まで作っておくと有事の際に準備が良いと評価されるでしょう。

まとめ

 今回はOffice 365 ProPlusとOffice 365で利用できるスマートデバイスアプリについてご紹介しました。せっかく便利なソリューションとして提供されているOffice 365ですので、社内ルールでガチガチに縛るのではなく管理者ができることを理解し、最大限の効果を出しつつセキュアに利用できるようにルールを決めて展開してみてください。

 本連載はひとまず終了です。Office 365は日々進歩しているため管理者並びにユーザーは都度勉強する必要がありますが、それは大抵の場合より便利になるために必要な物だと理解して取り組むと、より楽しく効果的に進められるでしょう。

 本連載が業務多忙な管理者の方にとって少しでも改善する役に立てば幸いです。

参考文献

この記事は参考になりましたか?

連載通知を行うには会員登録(無料)が必要です。
既に会員の方はを行ってください。
Office 365導入セットアップ入門連載記事一覧

もっと読む

この記事の著者

山田 祥寛(ヤマダ ヨシヒロ)

静岡県榛原町生まれ。一橋大学経済学部卒業後、NECにてシステム企画業務に携わるが、2003年4月に念願かなってフリーライターに転身。Microsoft MVP for Visual Studio and Development Technologies。執筆コミュニティ「WINGSプロジェクト」代表。主な著書に「独習シリーズ(Java・C#・Python・PHP・Ruby・JSP&サーブレットなど)」「速習シリーズ(ASP.NET Core・Vue.js・React・TypeScript・ECMAScript、Laravelなど)」「改訂3版JavaScript本格入門」「これからはじめるLaravel実践入門」「はじめてのAndroidアプリ開発 Kotlin編 」他、著書多数

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

WINGSプロジェクト ナオキ(ナオキ)

WINGSプロジェクトについて>有限会社 WINGSプロジェクトが運営する、テクニカル執筆コミュニティ(代表 山田祥寛)。主にWeb開発分野の書籍/記事執筆、翻訳、講演等を幅広く手がける。 2026年時点での登録メンバは約50名で、現在も執筆メンバを募集中。興味のある方は、どしどし応募頂きたい。著書記事多数。 RSS X: @WingsPro_info(公式)、@WingsPro_info/wings(メンバーリスト) Facebook

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

CodeZine(コードジン)
https://codezine.jp/article/detail/8671 2015/06/15 13:57

イベント

CodeZine編集部では、現場で活躍するデベロッパーをスターにするためのカンファレンス「Developers Summit」や、エンジニアの生きざまをブーストするためのイベント「Developers Boost」など、さまざまなカンファレンスを企画・運営しています。

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー