WPFを利用したアプリケーション その2
イベントハンドラの記述
コントロールの配置が終わったので、次にボタンをクリックしたときのイベントハンドラを記述します。
早速配置したボタンをダブルクリック……しても何も起きません。どうやら今回のVisual Studio 2005 Extensions for WPFではイベントハンドラ記述のサポートが行われていないようです。ベータ版ということですのでこの部分は諦めて手動でイベントの登録を行うことにします。
まず、Visual Studio 2005の[ビルド]-[ソリューションのビルド]を実行します。このビルドはXAMLに配置したコントロールとコードビハインド側のソースコードを連携させるために必要です(今後のリリースではビルド無しで連携できるように改善されるとのことです)。その後、ソリューションエクスプローラから「Window1.xaml」の子階層の「Window1.xaml.cs」ファイルを開き、コンストラクタの、
InitializeComponent();
行の下に以下のコードを入力します。
this.button1.Click += new RoutedEventHandler(button1_Click);
これはbutton1コントロールのClickイベントのハンドラにbutton1_Click
メソッドを登録する、という意味です。これ自体は.NET Framework 1.0時代から続いているおなじみの記法です。Windows Formsでイベントハンドラを記述する際には、こういったコードをVisual Studioが自動的に生成してくれますが、今回は自分で記述することになります。実際には+=を入力した時点でIntelliSenseが働きますので、Tabキーを2回押せば自動的にイベントハンドラのひな型まで生成してくれます。
void button1_Click(object sender, RoutedEventArgs e) { throw new Exception("The method or operation is not implemented."); }
<Button Height="23" Margin="100,0,117,81" Name="button1" VerticalAlignment="Bottom" Click="button1_Click">Click !</Button>
では、生成されたイベントハンドラのthrow文を削除し、メッセージを表示するコードを追加しましょう。
void button1_Click(object sender, RoutedEventArgs e) { this.label1.Content = "Hello WPF World !"; }
実行
ここまでできたところで、F5キーを押して実行します。
ボタンをクリックするとラベルのメッセージが書き換わるはずです。
非常にシンプルなアプリケーションですが、イベントハンドラの登録を除き、WPF開発が通常のWindows Forms開発と大差ないことが分かると思います。