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人を巻き込むOSSの作り方 ~ データビジュアライゼーションアプリ「E2D3」の事例から

誰もが簡単にデータビジュアライゼーションできる世界を目指して! 日本発OSSプロジェクト「E2D3」とは

人を巻き込むOSSの作り方 ~ データビジュアライゼーションプロジェクト「E2D3」の事例から 第1回


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 近年、ビッグデータを利活用するためにデータビジュアライゼーションが注目されています。データビジュアライゼーションには、データリテラシーのほか、ウェブサーバやプログラミング言語の知識が必要となりますが、一般ユーザがそれらを使いこなすのは至難の業。仮にエンジニアに開発を依頼したとしても、定期的なデータ更新を必要とするため、リソースやコスト不足が立ちはだかります。そこで、世界で10億人使うといわれ、分析ツールとして最も身近なExcel上でデータビジュアライゼーションを可能にすることを狙い、有志のエンジニアが集結して「E2D3(イーツーディースリー)」が開発されました。

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 E2D3はデータビジュアライゼーションを通じて、ビジネスや社会における課題を解決することを目標にしています。この連載を通して、E2D3とはどんなことができて、どんな開発手法をとり、なぜOSSの形態をとっているか等余すところなくお伝えしたいと思います。

データ活用の敷居を下げるE2D3

 E2D3は「Excel to D3.js」の略称で、一言で言うと「Excelを使ったデータビジュアライゼーションのアプリケーション」。Windows 「Excel 2013以上」やMac 「Excel 2016」、One Drive「Excel Online」から呼び出すことができます。

図1 E2D3のテンプレート群
図1 E2D3のテンプレート群

 操作はいたって簡単。ExcelからOfficeアドインである「E2D3」を起動するだけ(起動方法については「Use E2D3」のページをご覧ください)。あとは反映したいデータを選択し、目的に合ったテンプレートを選択すれば、表現豊かなものやアニメーションが組まれたグラフが簡単に挿入できます。元のデータを変えれば通常のExcelのように即座に反映されます。さらにオンライン上でも動くように設計されているので、ブログやニュースの合間に差し込むといったこともできます。画像として保存機能もついています。

図2 テンプレート「dot-bar-chart」
図2 テンプレート「dot-bar-chart」

 図2のテンプレート「dot-bar-chart」は、時系列で複数の項目を見せる場合に適しています。年度をクリックすると、棒グラフが数値に合わせて動いていることが確認できます。

図3 テンプレート「Word Cloud」
図3 テンプレート「Word Cloud」

 図3のテンプレート「Word Cloud」は全体と部分を比較する場合に役立ちます。サンプルのデータは地域や島別の面積を比較しており、文字の大きさが地域や島の面積を表しています。文字の色味や縦横の表示はランダムに組み合わされています。

 E2D3では、このように提供するデータビジュアライゼーションにおいて、「ダイナミック」かつ「インタラクティブ」に表現することに強みを持っています。従来、横軸や縦軸、円の大きさなどでしか表現できなかった「変化」をアニメーションで直感的に表現し、理解促進の一途にすることができます。現在、70を超えるテンプレートがリリースされています。それぞれ特長が異なるので、色々試してみることをオススメします。

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この記事の著者

佐藤 奈津紀(サトウ ナツキ)

 E2D3の広報担当。本業のプライマルホールディングス(株)でも広報・マーケティングに従事。グループ会社のひとつ、大手企業を中心とした新規事業に特化したコンサルティング会社・プライマル(株)では、新規事業をしたいorセキュリティに強いエンジニアを絶賛募集中。お話しだけでも聞いてみたい方はrecruit_pg...

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https://codezine.jp/article/detail/9567 2016/11/24 12:15

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