Youth Coder Workshop
Youth Coder Workshop担当の濱田です。
今年のPyCon JPでは子ども向けワークショップを「Youth Coder Workshop」と名前を改めて開催しました。小学校高学年から中高生向けに募集をして、30組近くの参加者に来場いただき、ワークショップを開催できました。
今年のYouth Coder Workshopの内容は自分の地図、「でんのう地図」を作ろうというものでした。講師・教材作成は昨年に引き続き、今年もICTプログラミングスクールのTENTOさんに依頼しました。
昨年が好評だったため、プレッシャーがありましたが、昨年の反省点を反映させた運営ができたと思います。昨年は初めての試みだったこともあり、当日の参加者の受付が受付担当に引き継げてなくてドタバタだった部分がありました。
そこで今年は、受付人数や受付時の案内の方法を事細かにJIRAのチケットで受付担当スタッフと共有しました。この共有のお陰で、受付が完了したことをSlackチャットで知らせてくれたため、自分の作業をしながらの状況確認もしやすかったです。結果、自分の作業である教材のパソコンの設置・無線LANなどのセットアップに集中することができ、朝の短い時間に約30組の参加者に対して、スムーズな案内ができました。
connpassページの公開が7月でしたが、参加者の集まりが本格的に進んだのは9月に入ってからでした。広報活動としては、キャリアデザインセンターさん、Think ITさん、一番大きかったのはICT教育ニュースさんとリセマムさんによるプレスリリースの公開だったと思います。
私自身がプログラミング教育に興味を持ってPyCon JPに参加したこともあり、TENTOさんに見学させてもらえて、子どもにプログラミングを教えるイメージを作ることができました。生徒の子どもと課題を考えてアドバイスする機会を与えてもらったので楽しかったです。また、Pythonはその中でどのような位置づけで扱っているのかを知ることができました。子どもがScratchやProcessingでプログラミングの考え方に慣れた頃合いでPythonを扱うのがちょうど良いのかな、など見学させていただいたことで得られたことは、当日のワークショップでどのような心構えで望めばよいか重要な参考になりました。ありがとうございました。
ワークショップの内容は地図をつくるというところまでは行けましたが、自分の地図を作るところまで行けなかったのが惜しかったです。もっと子どもの自主性を重んじられる時間を設けたほうがよかったのかなと思いました。次回開催では、Pythonの非常にシンプルで強力な言語を使って子どもたちの可能性を伸ばしていけるような、子ども自らが「こうしたい!」を後押しできるワークショップにしたいです。
また、今回のYouth Coder Workshopのノウハウを来年以降に活かせるように、苦労した点や先ほど述べたような受付のフローなど、マニュアルにまとめられる部分をスムーズにできるようにして、PyCon JP 2017ではもっと創造的な活動ができるようにしていけたらな、と思っています。
今年は「でんのう地図」ということで地図を作るワークショップだったのですが、実は教材検討の段階でRaspberry Piを持ってこれないか画策したことがありました。また、終了後に思いついたのが、例えばゲームプログラミングで算数や数学がこう使われていますよ、などできると普段の学校の学習に意味を持たせられて楽しいのではないかと思いました。
プログラミング教育という分野はまだいろいろな人がやり方を模索している最中だと思います。子どもの数だけ正解がある、ここが難しいところだと思いますが、子どもの気づきにはいつも驚かされます。PyCon JP 2017のスタッフは募集中ですが、新しいスタッフと一緒に壁にぶち当たって悩んだりして子どもにプログラミングの楽しさを教えられるワークショップを作れたらいいな、と思っています。
ビギナーセッション
ビギナーセッション担当の清水川です。
今年ははじめての試みとして、ビギナーセッションを行いました。ビギナーセッションは、Pythonの入門は済ませたけれど、具体的に開発をどう始めたら良いのか、詰まったときにどう考えたら良いのか、といった、次の一歩を進めるためのきっかけを掴んでもらうための企画です。以前のPyCon JPで、オープンスペースを活用したコードリーディング会などが行われているのを見て、これをもっと多くの人に届けたいと思い、企画しました。
実施にあたり、講師は公募とし、3つのセッション「Python入門コードリーディング」「Python入門ライブコーディング」「Bottle.pyライブコーディング&リーディング」を行いました。
Python入門コードリーディングの講師は岡野さんで、最も身近な良いコード例として、Python標準ライブラリのソースコードを例にコードの読み進め方を伝えながら実際に読んでいきました。
Python入門ライブコーディングの講師は森本さんで、SlackのAPIをPythonから呼びだしてチャットルームにメッセージを表示する、といったコードをその場で書きながら、Pythonでのプログラミングの考え方を伝えていきました。
Bottle.pyライブコーディング&リーディングの講師は山田さんで、Bottle.pyを使ったWebアプリケーションの作り方を一歩ずつ紹介しました。
事前の申込みは不要で、イベント当日に興味を持った人が自由に参加できるようにしました。初めての企画だったこともあり、想定していた参加人数は5名程度です。ビギナー向けのため、少人数の方が質疑応答が行いやすく、講師と参加者が十分に近い距離で進行するのがよいだろうという目論見もありました。
しかし、実際に行ってみると、どの回も30名近くの参加者が集まり、ビギナーセッションを必要としている人は考えていたよりもずっと多かったことが分かりました。
ある参加者から、参加した感想を聞く機会があったので、紹介します。「本で読んでも分からない、実際にPythonを使う上でのコツというか先に進むための情報というのを知ることができて、とても貴重な経験でした。同様の企画が他の言語系カンファレンスにもあるとよさそう。今後もコードリーディング、ライブコーディングのセッションをこういった場で開催するのは、とても良いと思います」
よく、「何を作ったら良いか分からない」「入門書を読んだ後どうしたら良いか分からない」という話を聞きます。そういった人たちが、Python自体のソースコードを読んだり、何かをゼロから作っていくのを自力で身に付けるには時間がかかります。今回のビギナーセッションで、コードの読み方やプログラムの作り方を実際にその場で見て、体感して、疑問に思ったことを質問できる、そんな場を作れたんじゃないかと思います。