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「『FileMakerって何ができるんですか』『FileMakerだけでビジネスができるんですか』と、顧客やパートナー企業からよく言われます。しかし当社は1994年の設立以来、ずっとFileMakerを軸にシステム開発事業を展開し、着実に成長してきました。つまりビジネスシーンにもFileMakerの需要がちゃんとあるんです」。こう語るのはシュッポーワークスの永井求氏である。
永井氏は「需要がある理由は3つ」と明かす。第1が「システムの鮮度の高さ」。基幹システムが整備された今、業務に関する情報は画一化され、システムのフローも定型化された。一方、フロントオフィスを見ると、管理したい情報の項目は日々増え、業務の種類もフローも変わっていく。「顧客は運用しながら、変化の状況に合わせて必要な項目を選定していきたいと考えている。しかもその見直しスパンもなるべく短くしたいんです」と永井氏。
第2に「システムの理解度の高さ」。顧客にとって大事なのは作り方や技術的なことではない。「Aというものを出したかったら、こういうものを入力する」、という論理的なことを理解することが大事になる。一方、開発側もシステムの目的と各機能を求める意図について理解をする必要がある。顧客の考えと開発側の解釈のずれをいかに最小限にとどめるかが、システム開発にとって最も重要なことなんです」と永井氏。顧客にヒアリングし、それを自分なりに解釈して自分の言葉でまた顧客に伝える。その行動を何度か反復することで、理解度は高まっていく。これをより効率的にするには、イメージを具現化し、それを見せることで視覚的に理解をさせることだ。「そうすることで、さらにイメージを膨らませていける」と永井氏は語る。
第3は「コストパフォーマンスの高さ」だ。FileMakerは鮮度と理解度の高さを持ち合わせており、金額的にもリーズナブルだからだ。FileMakerは顧客と開発者の理解のずれを小さくする。だが、材料がいくらよくても調味料がなければ無味乾燥な料理になる。システムの調味料とは、「業務上や慣習上のノウハウ」である。「これをいかにシステムに反映していけるか。そこで活用したいのが、In House Developerです」と永井氏は強調する。In House Developerと聞くと、システムを実際に組み上げる技術者をイメージするかもしれないが、永井氏は「社内から上がる要件を取りまとめて伝達をする人。開発者でなくてもいい」という。「道具への理解度を上げ、次へのイメージを膨らます、開拓者なんです」と続ける。
その開拓者の理解度を高め、活用するために使えるツールが、FileMakerだと永井氏はいう。いかにFileMakerが感覚的、直感的に素早くデータベースを作成できるか、永井氏は実際のデモで紹介。「Ver.9.0ではSQL系DBとも連携できるので、基幹システムのデータを簡単にインポートできる。またあらかじめ用意されている機能も豊富で、実装するにはそれを貼り付けるだけ。本当に感覚的な操作であっという間に画面がつくれるんです」と永井氏。
顧客と開発者が、共に短い時間で理解のずれの少ないシステムを作っていくためには、コミュニケーションにより時間を割くことである。作りこむ時間が短縮されるFileMakerであれば、これも可能だ。「視覚的に理解させ、次なるニーズを掘り起こしていく。FileMakerはそういうプロトタイプ的な使い方ができる。ぜひ試してみて欲しい」。永井氏はそう提案し、セッションを終えた。