コードジンのヘッダーが入ります Developers Summit 2008:セミナーレポート
【13-C-6】業務に直結したXMLアプリケーション開発手法の紹介と実践 ~XMLアプリケーション・フレームワーク「xfy」の紹介とデモ~
「xfyテクノロジー」を実際の企業内の文書作成・管理に応用する
「xfy Enterprise Basis 2.1」と「xfy Document Solution Core 1.0」
松家 勝弘氏
株式会社ジャストシステム ナレッジ製品開発部 統括部長
前ページでレポートしたように、浮川氏によって紹介されたジャストシステムのXMLソリューション「xfyテクノロジー」だが、それを実際に、それも規模の大きな企業が導入するメリットとはなにか。松家氏の講演は、まさにそうした「ユーザーの期待と疑問」に応えるものだった。「xfyテクノロジー」を活用したサーバー/フロントエンド製品のデモを通じて、業務に直結したXMLアプリケーション開発手法を見てみよう。

XMLソリューションの実用性を証明するxfyテクノロジーの製品群

 デモに先立ち、まず松家氏が述べたのは、現在さまざまな企業が抱えている、ITシステムの活用に関する重要課題だ。松家氏は、「ITシステム活用の現状には、情報活用の壁、拡張性の限界、変化への対応速度という3つの問題がある」という。たとえば、組織間で分断された情報を相互に活用することが難しかったり、ある用途や規模に特化し過ぎたシステムは業務の拡張へのスムーズな対応が難しかったり、競合他社の変化に追いつくために自社のITシステムを変えていく柔軟性が得にくかったり、といった問題点である。

その問題点を解決するために必要なのは、「ドキュメントの作成というフロントエンド技術、ドキュメントを構成する情報の共有というサーバ技術、そして共有した情報に別の価値を持たせて再編成、再構成、再利用する情報の活用技術」であり、そのための「情報の単位の大きさの適切な処理」であると、松家氏は語る。さらにいえば、作成→共有→活用というサイクルを安全に回していくための「統制されたシステムも必要」という。そして「それこそがXML技術のメリット」であり、「xfyを導入する意味」となる。

そうした背景を述べた上で、松家氏が行ったのが、「xfyテクノロジー」の業務活用のプラットフォームとなる製品「xfy Enterprise Basis 2.1」のデモである。「xfy Enterprise Basis 2.1」は、大きく分けて「xfy Server」と「xfy Client」からなり、先に述べた「作成→共有→活用というサイクルを安全に回していくための『統制されたシステムも必要』」ということから、ユーザーがドキュメントを設計したり、情報を入力したりするフロントエンド開発までをカバーする(図1)。

松家氏は、まず、「xfy Enterprise Basis 2.1」を使ったXMLDBとフロントエンドの連携を紹介した。XMLDBに収められた情報を、直接「xfy Client」上に呼び出すというデモである。ここで注目したいのは、まずは「xfy Client」からのXMLDB上の情報の呼び出しが直感的なGUI操作で行えるという点だ。「ワードプロセッサなどと同じ感覚で、データベースの情報へのアクセスによる文書作成が行える」と、松家氏は語る。また、単にテキスト情報として情報を取得するのではなく、テーブルなどレイアウト情報も含めて正しく表示するXQueryを自動生成できるという点も、要注目だろう。ユーザーが面倒なSQL文などを書かずとも、フロントエンドとデータベースとの連携が可能になるというわけだ。

データベースから適切な単位の情報を取り出し、かつ複数の異なるデータベースの各項目を共通した分類タグで管理し、検索することもできる。検索機能でいえば、複数の異なる検索アプローチ(構造検索と概念検索など)を組み合わせた検索なども実現可能だ。

「xfy Enterprise Basis 2.1」と同時期に発売された「xfy Document Solution Core 1.0」によるXML文書の共同作成・管理についてのデモも行われた。これは、文書の構成要素を構造化部品として、「xfy Server」の中のドキュメントリポジトリにロジカルセットとして整理しておくことで、複数の書き手による文書作成をスムーズに行えるというものだ。

これに続いて行われた「xfy View Designer」(「xfy Enterprise Basis 2.1」に含まれる)のデモでは、単に情報を柔軟に活用できるだけでなく、その視覚表現の設計も、文書構造に合わせてある程度自在に行えることを示した。

さらに、変更箇所のトレーサビリティ管理や、成果物のバージョン管理や凍結処理、アクセス権保護や編集時の排他的ロックといった、ドキュメントの信頼性、そして制作環境の安全性への配慮もアピールしつつ、松家氏は、「『データ』+『プロセス』+『意図(文章)』、すなわち業務ノウハウの文書化を一元管理できるのがXMLオブジェクトの利点であり、それを協力に支援するのが『xfyテクノロジー』の製品群である」と強調した。

図1:xfy アーキテクチャ
問い合わせ先
株式会社ジャストシステム
〒771-0189 徳島市川内町ブレインズパーク
xfy専用インフォメーションセンター
TEL 03-5412-9197   URL http://www.xfy.com/jp/

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