コードジンのヘッダーが入ります
「Expression Studio 3で作るSilverlight 3」と題したセッションでは、マイクロソフト株式会社デベロッパー&プラットフォーム統括本部 UXテクノロジー推進部 春日井良隆氏が、Expression Blend 3のデモを中心に、主要な機能を紹介した。
Microsoft Expression Studio 3は、ユーザーエクスペリエンスを意識したWebサイトやアプリケーションを設計するためのデザインスイートだ。SilverlightやWPF(Windows Presentation Foundation)アプリケーションをデザイン・設計する「Expression Blend」、Webサイトのオーサリングを行う「Expression Web」、アプリケーションのグラフィックパーツをデザインする「Expression Design」、オーディオ/ビデオエンコーダーの「Expression Encoder」の4つの製品から構成されている。
セッションの最初に紹介された「Sketch Flow」は、プロトタイピングを効率化し、作業チームやクライアントとの意志疎通を円滑するBlend 3の目玉の機能だ。「これは、アプリケーションの画面遷移やレイアウト、インタラクションなどを、実際に稼働するプロトタイプとして容易に作成できる機能です。これまでのプロトタイプ制作には、PowerPointやExcel、Photoshop、場合によっては紙を使ってきたと思います。しかしSketch Flowでは、最終成果物に近い形で動作を視覚的に確認でき、さらにフィードバック機能を実装しているため、お客様への確認や修正を正確に行い、早期に画面要件を固めることが可能になります。また作成したフローをWord文書に出力できるので、マニュアルや要件定義書のような文書ソースの活用という面でも効率が大きくアップします」と春日井氏は解説する。
SketchFlow以外にも、Expression DesignやIllustratorでデザインされたグラフィックパーツを読み込み、ボタンやスライダーといったコントロールに変換、「ビジュアルステートマネージャ」を用いてインタラクションをつけていくデモや、ボタンをクリックするとムービーが再生されるロジックをC#を書くことなくプロパティの選択で指定することができる「ビヘイビアー」が紹介された。春日井氏はBlendを使う心得として「コードをいじろうとしてはいけない」と説明していたが、実際にデモの中でコードを編集どころか、表示することすらなかったのは印象的だ。
Expression Web 3に搭載されているSuperPreviewは、ブラウザのレンダリングエンジンを用いて、ツール内でHTMLのレンダリング結果を比較表示できる機能だ。構築中のWebページだけでなく、オンラインのURLを読み込むことも可能になっている。対応しているブラウザはIE6、7、8とFireFoxで、使用するためにはそれぞれのブラウザをインストールする必要があるが、IE6のレンダリングエンジンはSuperPreviewに内包されているので、実際はIE8とFirefoxをインストールしておけばいいだろう。
この機能を用いることで、これまでのように、作成したWebページをその都度、ブラウザで表示させて、比較検証するといった煩わしい作業から解放され、デバッグの作業が飛躍的に効率化される。
最後にデモしたのが、Expression Encoder 3のスクリーンキャプチャー機能だ。これはその名の通り、PCのスクリーン上の操作を動画としてキャプチャーし、Silverlightで配信できる機能となっている。
「Encoder 3はエンコードツールなので、多くのアプリケーション開発者やデザイナーには関係のないツールだと思われるかも知れませんが、このようにPCの操作を動画で撮れるので、トレーニングやプロモーションに活用できると思います」(春日井氏)。
Expression Studio 3には、60日間の評価版が用意されている。また、デブサミの直前にスクリーンキャプチャーを利用したビデオチュートリアルが公開されているので、まだ使ったことのない方はまず、一度トライしてみてはいかがだろうか。