はじめに
Angularは、Googleとオープンソースコミュニティで開発されているJavaScriptフレームワークです。最初のバージョンはAngularJS(AngularJS 1)と呼ばれていましたが、バージョン2で全面的に刷新され、以降、おおむね半年に1回アップデートされています。
2023年5月の前回記事では、Angularのバージョン15と16について変更点や新機能を紹介しましたが、その後2023年11月に、Angularのバージョン17(以下「Angular 17」と記述)がリリースされました。本記事では、Angular 17の主要な変更点や新機能を説明していきます。より詳細な情報や変更点は、Angularの公式ブログ記事を参照してください。
対象読者
- Angularの最新動向を定期的にチェックしておきたい方
- 既存のAngularソースコードを最新版に追従する必要がある方
- これまでAngularの学習や活用が大変と感じていた方
必要な環境
Angularの開発では、一般にTypeScript(変換してJavaScriptを生成する、いわゆるAltJS言語)が利用されます。本記事のサンプルコードもTypeScriptで記述しています。
今回は以下の環境で動作を確認しています。
- Windows 10 64bit版
- Angular 17.0.8
- Angular CLI 17.0.9
- Firebase CLI 13.0.2
- Node.js v20.10.0
- Microsoft Edge 120.0.2210.121
サンプルコードを実行するには、サンプルのフォルダーで「npm install」コマンドを実行してライブラリーをダウンロード後、「ng serve」コマンドを実行して、「http://localhost:4200」をWebブラウザーで表示します。
一新されたブランドロゴとドキュメント
「急速に進化するAngularに対して追いついていなかった」ということから、Angularのブランドロゴが一新されました。
また、従来の公式ページangular.ioに代わる新しい公式ページとしてangular.devが公開されました。angular.devでは、従来より提供されていた技術資料やAPIリファレンスに加えて、Webブラウザー画面上でインタラクティブにAngularを試せる環境が「Playground」として提供されます。この環境はチュートリアルでも利用でき、Angular CLIをローカルにインストールしなくてもAngularを実際に動作させて学習できるようになりました。