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Developers Summit 2024 セッションレポート

会社を超えて1万人以上の情シス担当者がつながる──「情シスSlack」運営で得た知見

【16-E-4】1万人以上が参加するオンラインコミュニティ「情シスSlack」が参加者と運営者の仕事やキャリアに与えたインパクト


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仕事は人と人との繋がりのなかで生まれる

 岡村氏は、株式会社スタディストで情シスを担当。個人事業主として情シスのコンサルタントを務めるほか、自家焙煎珈琲豆販売会社の代表取締役を務めるなど多彩なキャリアを持つ。

 2015年に大学を中退し、大手消費者金融のサーバー保守運用業務でIT業界へ。転職し、情シスとしてのキャリアを積み始めた。そのころから毎月のように「サポーターズCoLab」「SRE Lounge」といった勉強会やコミュニティに積極的に参加するようになったという。

一般社団法人日本ビジネステクノロジー協会 代表理事 情シスSlack 岡村慎太郎氏
一般社団法人日本ビジネステクノロジー協会 代表理事 情シスSlack 岡村慎太郎氏

 岡村氏は、コミュニティに参加した経験を次のように振り返る。「同じ技術やポジションでも、組織によって扱い方や運用方法が多岐にわたると学びました。また、先人の知見やつまづきを直接聞いて、みんな同じような悩みを持っていてもその解決策も多種多様で正解がないことも知りました」(岡村氏)

 コミュニティを通してさまざまなエンジニアと交流するなかで、現在につながる転機となる出会いも。株式会社スタディストの北野勝久氏と出会い、同社の情シスとしてのオファーを受けた。2019年に入社したころからは、それまで参加する側だった勉強会に登壇したり、主催したりと、運営側へと立場が変わり始めた。

 人を巻き込む運営側になって、岡村氏は新しい視点に気付く。「この世の仕事のほとんどは、人(組織)と人(組織)とのつながりや活動の中で生まれる」。

 「例えば、上司からタスクやプロジェクトを振られて自分の仕事が始まります。その際には、どのように実装するか、どのような技術を使うかということを考えながら仕事をすると思いますが、実際はその仕事に関わるもっとたくさんのステークホルダーがいるわけです。作っているプロダクトやシステムは誰かのニーズやペインを解決するために作られているはずですし、多くの約束や決まりごとにしばられています。ただ単にコードを書いて終わりという話ではありません。『誰のため、何のためのエンジニアリングか』という意識が自分のなかに根付いてきたのです」(岡村氏)

 何レイヤも先のステークホルダーのことを考えたり、その解決策や知見を仲間から得たりと、自分の組織内で仕事をしているだけでは得られない経験をすることで、そこで得た知識が自分の仕事にも活きてくる。また、自分のエンジニアとしての活動とは少し離れた活動をしているのにもかかわらず、自分が伸ばしたいスキルや扱ってみたい技術・製品に触れる機会が増えたという。

 「社内外を問わず、とにかくさまざまな人と話をすることが大切です。コミュニティやカンファレンスの運営に関わることで、仲間が増えるだけでなくエンジニアとしての課題解決力も数段上がると思います。何レイヤも離れた裏側やエンドユーザーなど、担当しているタスク以外のことまで考えられるエンジニアは信頼されるはずです。そのようなエンジニアになることで、結果的に自分が求める技術も扱えるし、幅も広がりスキルアップにつながります。

 もしやりたいこととの壁を感じている人がいれば、コミュニティ活動をやってみるのも一つの手段ではないでしょうか。コミュニティへの参加だけではなく、ぜひ主催して人を巻き込んでいく活動をしてみてください」(岡村氏)

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この記事の著者

德川 詩織(トクガワ シオリ)

 地方紙の報道記者を経てフリーライターに。取材経験を生かして主にインタビュー記事を執筆します。趣味はキャンプと編み物。大きめポメラニアンの男の子と暮らしています。

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山出 高士(ヤマデ タカシ)

雑誌や広告写真で活動。東京書籍刊「くらべるシリーズ」でも写真を担当。

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CodeZine編集部(コードジンヘンシュウブ)

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