オープンソースのリレーショナルデータベース管理システムPostgreSQLの開発チームは、最新版となる「PostgreSQL 14」を9月30日(現地時間)にリリースした。
「PostgreSQL 14」では、添え字を使用してJSONデータにアクセスできるようになるとともに、Range型はmultirangeデータ型の導入によって、非連続範囲をサポートするようになっており、範囲の複雑なシーケンスを処理するための、より単純なクエリを作成可能となっている。
さらに、多くの接続を使用するワークロードでスループットを大幅に向上させ、一部のベンチマークでは2倍のスピードアップを実現しており、頻繁に更新されるインデックスを持つテーブルのインデックスの肥大化を減らすことで、Bツリーインデックスの管理がさらに改善された。また、多数の細かな書き込みが発生する高いレイテンシのワークロードにおいて、大きくパフォーマンスを向上するパイプラインクエリも新たに搭載されている。
論理レプリケーションを使用する場合には、進行中のトランザクションをサブスクライバにストリーミングできるようになり、サブスクライバに大規模なトランザクションを適用することでパフォーマンスが大幅に向上したほか、外部データラッパがクエリ並列処理を活用することが可能になった。また、外部テーブルにデータを一括挿入して、テーブルパーティションをインポートできるようになっている。
Bツリーからのオーバーヘッドを削減するための最適化をはじめとするパフォーマンスの向上を、バキュームシステムにまで拡張しており、トランザクションIDのラップアラウンドを防ぐための緊急モードも追加された。また、テキストのブロックやジオメトリなど、より大きなデータを格納するために使用されるTOASTシステムの圧縮が可能になるとともに、いくつかの監視・観測機能も追加されている。
ほかにも、パフォーマンスや利便性、セキュリティを強化するための、さまざまな機能追加・改善が行われた。
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CodeZine編集部(コードジンヘンシュウブ)
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