柳井です。 少し前に、ドナルド・キーンの「能・文楽・歌舞伎」という本を読み、それを機会に能と文楽を見に行きました。歌舞伎は見たことがあったのですが、他の2つは見たことがなかったからです。 能も文楽も、その発生は民衆の手によるものでした。しかし、能は時の権力者によって保護されながら発展し、文楽は大衆の娯楽として発展しました。そのせいか、能は儀式のような荘重なものに進化し、文楽は軽快な活劇的なものになりました。発生が似ていても、使われ方が違えば、最終的に異なったものに変化していきます。 能と文楽を比較しているうちに、私はオンラインソフトを思い浮かべました。 ユーザーの要望によって、どんどん変化していくこういったソフトは、能や文楽がたどった変化の道のりを、数年という短いスパンで見せてくれます。ユーザーの要望によって形態を変えていく。それは、文化もソフトも同じだなと思いました。 |
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連載4コママンガ。お約束的ですが、光度博士のライバル「ソース博士」の登場です。機械猫の競合ソフト(?)の開発に着手。毎週火曜日更新。
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柳井 政和(ヤナイ マサカズ)
クロノス・クラウン合同会社 代表社員http://crocro.com/オンラインソフトを多数公開。プログラムを書いたり、ゲームを作ったり、記事を執筆したり、マンガを描いたり、小説を書いたりしています。「めもりーくりーなー」でオンラインソフト大賞に入賞。最近は、小説家デビューして小説も書いています(『裏切りのプログラム』他)。面白いことなら何でもOKのさすらいの企画屋です。
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