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【デブサミ2021】セッションレポート

個人開発で始まった情報共有サービス「Zenn」はいかにして作られたのか?【デブサミ2021】

【19-D-4】Zenn 個人開発の限界に挑んだ話

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 オープンな技術が主流になり、ネットを通じて技術情報を共有することが、エンジニアにとって重要かつ不可欠になっている。そこで注目を集めているのが、技術情報共有コミュニティサービス「Zenn」だ。2020年9月にリリースされて以来、瞬く間に人気を集めた。GitHubでコンテンツを管理できるだけでなく、投稿者が対価を得られる仕組みなどの特徴を持っており、IT系エンジニアに特化した今どきのサービスとして、連日多くの情報が投稿されている。このサービスを個人で開発したcatnose氏が、デブサミ2021に登壇した。UIデザイナーをしつつ、フロントエンドを中心としたITエンジニアとして活動しているcatnose氏が、サービスの特徴や開発のコンセプト、システム構成などについて説明した。

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catnose氏
catnose氏

 なお、本セッションは「Developers Summit 2021アワード」においてベストスピーカー賞1位を受賞している。

用途に応じた投稿形式を持つZenn

 「Zennは、エンジニアのための新しい情報共有コミュニティです。ひとつの大きなコンセプトとして、良いコンテンツを書いた人が対価を得られることを掲げています」と、catnose氏は、その特徴を語った。

 Zennには、目的や用途に応じて、3つの投稿形式がある。

 「Articles」は、記事形式で投稿するものだ。ひとつのテーマについて、ひとつのページで完結する内容を書いて公開する。記事は、サポート機能を備えており、無料で書いた記事に対して、読者が「この記事いいな、参考になったな」というときに、自らの意思でお金を払うことができる。

 「既存の記事投稿サービスであるnoteに、このサポート機能が付いていて、技術という分野と相性がいいなと思いました。開発中に問題にぶちあたったとき、検索してドンピシャの解説記事が見つかると、本当に感謝したくなることがありますよね。お金を払いたい、受け取ってください、みたいな。僕自身、そのくらい感謝したくなることがあって、このサポート機能を付けることにしました」

 「Books」は、その名の通り、本の形にまとめるものだ。ひとつのテーマについて、複数のチャプターに分けて、詳しく体系化して書いていく。書いた本は、Web上で読むことができる形式になり、値段を付けて販売できる。プラットフォームの利用料や販売手数料を除いても、販売価格の8割以上が著者に配分されるという。

 「Scraps」は、比較的最近リリースされたメモ機能だ。スレッド形式で、小さい単位のコメントをどんどんつなげることで情報をまとめていく。何か問題や不明点があったとき、調べながら書いていくことで、試行錯誤の記録を残していくことができる。

 「日々手を動かしていると、毎日のように問題にぶつかりますよね。それをあとから記事にしようと思っていても、数日たって、あれ何だっけ? となって、だいたい面倒になったりします。なので、今まさに取り組んでいる物事について、すぐに書いちゃおう。そういう発想で、この機能を付けました。『こんなエラーが発生した』というようなことをとりあえずスクラップする。何か分かったことがあれば、そのたびにコメントを書いていって、解決策にたどり着いたら、それも書いていきます。GitHub Issuesみたいにオープンとクローズというステータスがあるので、問題が解決したらクローズできます」

 このような投稿形式を組み合わせることで、まずは気軽にScrapsで調べものをメモして、解決策がまとまったらArticlesとして記事にして、詳しく理解できたらBooksで体系的に記述するという流れをイメージしているのだ。

用途に応じた3つの投稿形式を持つZenn
用途に応じた3つの投稿形式を持つZenn

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この記事の著者

可知 豊(カチ ユタカ)

フリーランスのテクニカルライター 興味の対象はオープンソースの日常利用、ライセンス、プログラミング学習など。 著書「知る、読む、使う! オープンソースライセンス」。https://www.catch.jp

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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https://codezine.jp/article/detail/14018 2021/04/28 11:00

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