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米Oracleが「Java20」をリリース、Oracle JDK 20ではパフォーマンス、安定性およびセキュリティ面での改良

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 米Oracleは、Javaプラットフォームの最新バージョンである「Java20」の提供を3月21日(現地時間)に発表した。「Java 20(Oracle JDK 20)」では、プラットフォームの機能強化を含む、パフォーマンス、安定性およびセキュリティ面での改良により、開発者の生産性をさらに向上させ、組織全体の成長を促進する。

 最新のJava Development Kit(JDK)では、7つのJDK Enhancement Proposal(JEPs)によるアップデートと改良が行われている。これらのアップデートのほとんどは、以前のリリースで実装された機能を改善するものとして提供される。

 Java20で提供される主なアップデートは以下の通り。

  • JEP 432:レコード・パターン(第2プレビュー)

 レコード・パターンとタイプ・パターンをネストさせ、強力で宣言的、かつ構成可能なデータ・ナビゲーションと処理を実現することで、Java言語を強化する。これにより、パターン・マッチングを拡張して、より洗練された構成可能なデータ・クエリを可能にすることで、開発者の生産性を向上させる。

  • JEP 433:Pattern Matching for Switch(第4プレビュー)

 パターン・マッチングをswitchに拡張することで、特定のアクションを伴う複数のパターンに対して式をテストできるため、複雑なデータ指向のクエリを簡潔かつセキュアに表現できる。switch式やswitch文の表現力や適用範囲が広がることで、開発者の生産性が向上する。

  • JEP 429:スコープ値(インキュベータ)

 スレッド内およびスレッド間で不変データを共有できるようになる。これにより、使いやすさ、理解しやすさ、堅牢性、パフォーマンスが向上する。

  • JEP 436:仮想スレッド(第2プレビュー)

 Javaプラットフォームに軽量な仮想スレッドを導入することで、高スループットの並列処理アプリケーションの作成、保守、監視プロセスを劇的に効率化する。仮想スレッドを使用することで、開発者は既存のJDKツールやテクニックを使って、並行処理アプリケーションのトラブルシューティング、デバッグ、プロファイリングを容易に行うことができ、アプリケーション開発が加速される。

  • JEP 437: 構造化された並行性(第2インキュベーター)

 異なるスレッドで実行される複数のタスクを1つの作業単位として扱うことで、マルチスレッド・プログラミングを簡素化することができる。これにより、開発チームはエラー処理と取消を効率化し、信頼性を向上させ、可観測性を強化することができる。

  • JEP 434:Foreign Function & Memory API(第2プレビュー)

 Javaプログラムが、Javaランタイム外のコードやデータと相互運用できるようにする。この機能により、Javaプログラムは、Java Native Interfaceを必要とせずに、外部関数(Java Virtual Machine [JVM]外のコード)を効率的に呼び出したり、外部メモリ(JVMによって管理されていないメモリ)にセキュアにアクセスしたりすることで、ネイティブ・ライブラリの呼び出しやネイティブ・データの処理を行うことが可能。

  • JEP 438:ベクトルAPI(第5インキュベーター)

 ベクトル計算を表現し、実行時にサポートされているCPUアーキテクチャのベクトル命令に確実にコンパイルすることができる。これにより、同等のスカラー計算と比較してパフォーマンスが向上する。

 米Oracleは、今後もリリース・スケジュールに基づき、6カ月ごとに新しいJava機能のリリースを提供していく予定。

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