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QuantinuumとMicrosoftの共同研究チーム、もっとも精度の高い論理量子ビットの実証に成功

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 米Quantinuumは、米Microsoftと共同でエラー検知(シンドローム測定)を活用したもっとも精度の高い論理量子ビットの実証に成功したことを、4月3日(現地時間)に発表した。

 今回の実証は、アメリカとイギリスのQuantinuumチームおよびMicrosoftの量子コンピューティングチームの協力によって実現したもので、対応する物理エラー率よりも800倍低いエラー率を示す、4つの論理量子ビットが作成されている。

 同実験では、14000の独立した量子回路をエラーなく実行できる能力を実証しており、このブレイクスルーによって、ユニバーサル誤り耐性量子コンピューティングの実現という最終目標に向けた進歩が大幅に加速した。また、想定よりも近い将来に量子コンピューティングを用いて現実世界の問題に取り組み、材料科学や創薬などの分野に革命を起こすことにつながる可能性がある。

 この成果は、米Honeywellによって提供されているQuantinuumの32量子ビットH2量子プロセッサによる業界最高水準の忠実度、拡張性、柔軟性と、Microsoftの革新的な誤り訂正機能を組み合わせることで達成された。共同チームは、H2で利用可能な32個の物理量子ビットのうち30個を使用して4つの論理量子ビットを作成し、両社が「もっとも信頼性の高い論理量子ビット」とするものの作成に至っている。また、誤り耐性のある量子コンピューティングに必要な、もう1つのマイルストーンであるシンドローム測定の実証にも成功した。

 Microsoftが「Level 2 Resilient」と表現する新時代では、量子コンピューティングはエラーを適切に処理しつつ、分子や材料の状態のモデル化、量子多体系のシミュレーションといったさまざまな分野における問題の解決策を探ることで、有益な課題に取り組み始められる。同社の厳格な基準に基づいて、量子的にもつれた複数の論理量子ビットを構成するとともに、その論理量子ビットが物理量子ビットを上回るパフォーマンスを実証したことは、長い間期待されていた量子コンピューティングの「Level 2 Resilient」への移行を示しているといえる。

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