Cursorは12月4日、コーディング向けAI支援ツールのエージェントハーネスを最新の「GPT-5.1-Codex-Max」モデルへ対応したことを発表した。
今回のアップデートでは、出力品質の向上や効率的なツール呼び出し、安全なシェル操作、リンターエラー対応など、多岐にわたる強化が行われている。
まず、Cursor環境に最適化された固有の指示やツールをエージェントハーネスに追加し、各モデルに最適な利用体験を提供する方針が取られた。OpenAIとの協力により、Codexモデル向けにはシェル操作を積極的に活用したワークフローを実装。ツール名や定義もコマンド名に近づけ、ツール呼び出しを促進した。この変更によって、インラインスクリプトによる予期せぬ挙動を減らし、安全性と使いやすさの両立が図られている。
また、APIを通じて推論過程(reasoning trace)の保存と伝播を確実に行うようアラート機能を追加した。Cursor Benchの検証によれば、推論過程が失われるとモデル性能が30%低下するため、この点が特に重視されている。一方、エラーを検出・修正するためのツールも全モデルに提供されているが、Codexに対しては「いつ呼び出すべきか」を明示的に指示することで、修正精度とレスポンス向上を実現した。
さらに、ユーザーの指示に基づき自律的に編集・ツール実行を進めるようモデルに明確なバイアス指示を追加し、不要な計画説明を避けつつ変更を実装する仕様にした。今後も、リリースペースの加速に対応し、より高性能なAIコーディング支援を目指して改善を続ける予定だ。
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CodeZine編集部(コードジンヘンシュウブ)
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