Appleは12月11日(現地時間)、Swiftアプリケーションとライブラリ開発向けの構成管理ライブラリ「Swift Configuration」バージョン1.0を正式に公開した。これにより、Swiftエコシステム全体で構成情報を取得するための共通APIが利用可能となった。
従来、環境変数や設定ファイル、コマンドライン引数、リモートサービスなど複数のソースから構成情報を取得するには、各プロジェクトで個別の実装が必要だった。Swift Configurationはこの課題を解決し、単一のAPIでアプリケーションやライブラリから設定値を取得できるようにした。構成情報の取得方法とその格納場所を分離する設計により、柔軟な構成変更や複数環境での運用にも対応する。
導入はシンプルで、パッケージ依存関係を追加後、わずかなコードで環境変数やJSON/YAMLファイルなどから設定値を読み込める。さらに複数の構成プロバイダを指定した順序で組み合わせることが可能で、優先順位や適切なデフォルト値の設定、上書きまで制御できる。
また、プロダクション運用に役立つ機能も備える。同期・非同期・監視といった複数のアクセスパターン、ホットリロードによるサービス再起動不要の設定更新、ネームスペースによる構成値の整理、アクセスログによるデバッグ、秘密値のマスキングなどをサポートする。
APIは安定版となり、今後は互換性が維持される。既にVaporやHummingbird、Swift Temporal SDKなどのプロジェクトで採用や検証が進められており、各種外部サービスや新しいフォーマットへの拡張も可能だ。開発者は今後、自身のアプリやツール、ライブラリに安全かつ柔軟な構成管理を実装できるようになる。
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CodeZine編集部(コードジンヘンシュウブ)
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