1年のリリースの差を感じさせない性能と機能
検証の結果、システムスキャンやアプリケーションの起動にかかる時間はESSの方が好結果を記録した。1年違うバージョンであることを考えれば、ESSはかなり高速であるといえそうだ。また、それぞれインストール後にパソコンをさまざまに操作してみたが、共にソフトが原因で操作が中断されるようなことはなかった。なお、ノートンについては数回の再起動後にエラーが発生し、サポートに問い合わせる旨のダイアログが表示されたことを付け加えておく。
ESSにおいて今回の検証で気づいたことは、まずインターフェイスが標準モードと詳細モードに切り替えられることが挙げられる。標準モードは最低限の項目に絞られており、初心者でも理解しやすい内容になっている。一方、詳細モードはかなり細かい設定項目が用意されており、上級者にも対応している。設定のインポートやエクスポートも可能なので、企業などで使用する際に統一されたセキュリティポリシーを適用しやすい。もちろん、ログを残すことも可能だ。
また、細かいところまで気を遣ったソフトであるという印象を受けた。例えば、受信メールのスキャンをする際は、迷惑メールと思われるメールは「Eset Antispam」のフォルダに振り分けられるのだが、先にメールを受信ボックスに入れていき、それと平行してスキャンを行い振り分けていく。一般的な迷惑メール対策機能では、受信したメールごとに判定を行っていくので、メールの受信に時間がかかってしまう。特に迷惑メールが多い場合に重宝する処理方法と言える。
統合セキュリティソフトは数多くあるが、初心者から企業を含む上級者まで対応するソフトは少ない。また、常に動作していることを意識させることなく、セキュリティ上の脅威からはしっかり保護するESSは、理想的なソフトと言える。実際に使用していてストレスを感じることはなかった。幅広いユーザーに勧められる統合セキュリティソフトであると共に、次期バージョンの登場にも期待したい。